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2022.11.1
【11月のおすすめ展覧会5選】ボタニカル・アートからパリ・オペラ座、150年後の国宝まで
今年も残すところあと2ヶ月。東京ではともに上野で開かれている『展覧会 岡本太郎』(東京都美術館、12月18日まで)や『国宝 東京国立博物館のすべて』(東京国立博物館、12月11日まで)が連日多くの人で賑わい、一部でチケットが完売するなど大変な人気を集めています。
目次
『おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり』の会場となるSOMPO美術館。チケットはお得な事前のオンライン購入がおすすめです。
11月も注目の展覧会が目白押しです。月の始めにスタートする展覧会を中心に、おすすめをご紹介します!
各分野のスペシャリストが徹底検証!『特別展 毒』で知る毒の意外なすがた
ヒトを含む生物に害を与える物質として知られる「毒」。それは動物、植物、菌類、鉱物、また人工物などあらゆるところに存在していますが、例えば人体に有用なものでも、取り過ぎると毒になるなど、何が毒であるのかを明確と定義するのは意外と難しいかもしれません。そして「毒は恐ろしい…」として忌避せず、毒と生物との関係を知ることは、自然界の摂理について理解を深め、日々を生きるうえでも大きな助けにつながります。
そうした毒の多面的なすがたに着目したのが、国立科学博物館で開かれる『特別展 毒』です。動物学、植物学、また地学や人類学のスペシャリストが徹底的に毒について掘り下げ、「毒とは何か?」にはじまり、どう生き物に作用し、また働いては進化し、人間と関わるのかについて明らかにします。そしていま、人間は毒を生み出し、環境汚染を引き起こしていますが、今後、毒とどのように向き合うべきなのかについて考えるきっかけとなります。
『特別展 毒』 国立科学博物館
開催期間:2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)
所在地:東京都台東区上野公園7-20
アクセス:JR線上野駅公園口から徒歩5分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口から徒歩10分。京成線京成上野駅から徒歩10分
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし1月2日、 9日、2月13日は開館。12月28日~1月1日、1月10日は休館)
料金:一般・大学生2000円、小・中・高生600円
※オンラインでの日時指定予約制。
https://www.kahaku.go.jp
イギリスの歴史や文化をボタニカル・アートから学ぶ。『おいしいボタニカル・アート』展
薬草学や植物学といった科学的研究を目的として、草花を正確に描いた「植物画」を意味するボタニカル・アート(Botanical Art) 。17世紀の大航海時代、珍しい植物を追い求めたプラント・ハンターたちの周辺でボタニカル・アートが描かれると、専門の画家も活躍。さらに18世紀以降には芸術性の高い作品も描かれるようになりました。鮮やかな色彩や繊細なタッチにて描かれた作品は、いまも多くの人々の目を楽しませています。
SOMPO美術館にて行われる『おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり』では、本場イギリスのキュー王立植物園の協力のもと、食材となる植物を描いたボタニカル・アートが集結。あわせてテーブル・ウェアや18世紀の古いレシピなども公開され、イギリスの歴史や文化について学ぶことができます。「じゃがいもは嫌われていた?」といったエピソードや喫茶の習慣がどのように広まったのかなどについても明らかになります。
『おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり』 SOMPO美術館
開催期間:2022年11月5日(土)〜2023年1月15日(日)
所在地:東京都新宿区西新宿1-26-1
アクセス:JR線新宿駅西口から徒歩5分、東京メトロ丸ノ内線新宿駅から徒歩5分
開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし1月9日は開館。12月29日~1月4日は休館)
観覧料:一般1500(1600)円、大学生1000(1100)円、高校生以下無料
※オンラインチケット料金。()内は当日窓口チケット料金
https://www.sompo-museum.org
16年ぶりの大回顧展!世界で活躍するアーティスト、大竹伸朗の膨大な創作世界とは?
現代アーティスト、大竹伸朗(1955年〜)を知っていますか? 1980年代初めにデビューして以来、絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、さらにエッセイからインスタレーションなどを制作し、国内の展覧会や国際展などに出品。また実際に入浴できる直島銭湯をはじめ、道後温泉本館の改修工事の建屋を覆う屋根テントの原画を手がけるなど構造物でも幅広く活動してきました。凄まじいまでの創作力と膨大な作品数でも知られています。
その大竹の16年ぶりの大回顧展が東京国立近代美術館にて開催。最初期から近年の海外発表作、そしてコロナ禍に制作された最新作までの約500点もの作品が一挙に公開されます。その数を聞くと美術館の中に作品がすべて入るのかと思ってしまいますが、小さな手製本から巨大な小屋型のインスタレーション、また作品が発する音など、ものと音が空間を埋め尽くすというから大竹ワールド全開、没入感のある展示となりそうです。
『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館
開催期間:2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日)
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩3分
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし1月2日、9日は開館。12月28日~1月1日、1月10日は休館)
観覧料:一般1500(1300)円、大学生1000(800)円、高校生以下無料
※()内は20名以上の団体割引料金
※予約優先チケットを販売(窓口にて当日券の販売もあり)
https://www.momat.go.jp/am/
https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/
※愛媛県美術館:2023年5月3日(水・祝)〜7月2日(日)、富山県美術館:2023年8月5日(土)〜9月18日(月・祝) [仮]へそれぞれ巡回予定。
フランスから多くの資料や作品が来日。パリ・オペラ座からつながるさまざまな芸術
ルイ14世によって1669年に設立された王立音楽アカデミーを前身とするパリ・オペラ座は、長い歴史の中で台本作家や作曲家、また美術家に新しい芸術や技術に基づく表現を求め、フランスを代表する歌劇場としての地位を築いてきました。1989年にはバスティーユ歌劇場(オペラ・バスティーユ)が完成し、現在は2つの劇場でバレエ、オペラの古典から現代作品までが上演されています。
アーティゾン美術館にて開かれる『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』では、主に19世紀から20世紀初頭を対象としつつ、現代までのオペラ座の歴史や魅力を紹介。フランス国立図書館の所蔵するオペラ、バレエ関係の資料約200点をはじめ、オルセー美術館のドガの『バレエの授業』といった国内外のオペラ座に因む作品を公開します。総合美術の観点からオペラ座を紐解きつつ、さまざまな芸術へのつながりをテーマとした、かつてない展覧会となります。
『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』 アーティゾン美術館
開催期間:2022年11月5日(土)~2023年2月5日(日)
所在地:東京都中央区京橋1-7-2
アクセス:JR線東京駅八重洲中央口、東京メトロ銀座線・京橋駅6番、7番出口より徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
※毎週金曜日は20時まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし1月9日は開館。12月28日〜1月3日、1月10日は休館)
観覧料:一般1800円、大学生以下無料
※ウェブ予約チケット。当日チケットは2000円
https://www.artizon.museum
あなたの推したい未来の国宝は?『150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物』
今年創立150年を迎えた東京国立博物館。現在開催中の『国宝 東京国立博物館のすべて』では、同館の所蔵する89件の国宝を初めて全点公開し、大きな話題を集めるとともに、国宝が受け継いできた歴史や価値を改めて世に示しています。一方で現在、国宝に指定されていなくとも、いずれ未来には国宝になる文化財や宝物もあるはず。そうした“未来の国宝”に着目した異例の展覧会が東京国立博物館(表慶館)にて開かれます。
それが『150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物』。今から150年後の2172年に伝えたい国宝候補を、その背景のストーリーとともに紹介するイベントです。面白いのは公募型の展覧会であること。「ワタシの宝物、ミライの宝物」というテーマで一般に募り、選考委員などによって選ばれたものと、出展協力した企業の「150年後の国宝候補」を展示。携帯電話、車、マンガ、ゲーム、ファッション、それに食文化や建造物など幅広いジャンルの“未来の国宝”が紹介されます。
『150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物』 東京国立博物館 表慶館
開催期間:2022年11月2日(水)~2023年1月29日(日)
所在地:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:JR線上野駅公園口下車徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅下車徒歩15分。京成電鉄京成上野駅下車徒歩15分
開館時間:9:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日休館、ただし1月3日は開館。12月26日~1月1日は休館)
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下無料
※総合文化展観覧料、または開催中の他の特別展観覧券(観覧当日に限る)にて観覧可
https://www.tnm.jp
https://150ourtreasure.jp
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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