Facebook X Instagram Youtube

EVENT

2023.6.1

【6月のおすすめ展覧会5選】恐竜図鑑から抽象絵画、それに三沢厚彦や古代メキシコまで

西日本から関東にかけての梅雨入りも報じられ、じめじめと汗ばむ日が増えてきました。6月は真夏に向けて数多くの展覧会がスタートする時期です。

今月は異色の「恐竜アート展」からアーティゾン美術館の抽象絵画展、また動物の彫刻で知られる三沢厚彦の千葉でしか見られない個展を中心に、おすすめの5展をご紹介します。

時空を超えて、恐竜たちのすがたを描く。上野の森美術館で見たい異色の「恐竜アート展」。

約2億5000万年前から6600万年前にかけての地球を支配していた恐竜。19世紀初頭に恐竜の化石が初めて発見されて以来、恐竜に対する調査研究が進むとともに、絶滅して久しい彼らのすがたを再現しようという試みが絶え間なく行われてきました。そして今日でも自然史系博物館では化石標本や復元モデルが陳列され、映画や漫画、また玩具といったエンターテイメントの分野でも頻繁に恐竜が取り上げられるなど人気を集めています。

上野の森美術館の『恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造』 では、恐竜といった古代生物を描いた「パレオアート」に着目。19世紀に描かれた復元図から、20世紀に活躍した恐竜画の巨匠チャールズ・R・ナイトやズデニェク・ブリアンらによる作品、さらにサブカルチャーからファインアート、また現代恐竜画の旗手たちによる最新のアートなど約150点の作品を公開します。化石ではなく、また博物館ではない、美術館にて開かれる異色の「恐竜アート展」となります。

『恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造』 上野の森美術館
開催期間:2023年5月31日 (水) 〜7月22日 (土)
所在地:東京都台東区上野公園1-2
アクセス:JR線上野駅公園口より徒歩3分。東京メトロ・京成電鉄上野駅より徒歩5分
開館時間:10:00~17:00
 ※土日祝は9:30開館
 ※入場は閉館の30分前まで
会期中無休
観覧料:一般2300円、大学・専門学生1600円、高・中・小学生1000円
https://www.ueno-mori.org/
https://kyoryu-zukan.jp/

アーティゾン美術館にて解き放たれる抽象絵画の魅力。セザンヌから現代までの旅。

ブリヂストン美術館から館名を変更し、2020年にリニューアルオープンしたアーティゾン美術館。ブリヂストンの創業者、石橋正二郎の収集した作品を元に、古代美術、印象派、日本の近世美術、日本近代洋画、20世紀美術、そして現代美術と幅広いコレクションを公開して、数多くの企画展を開くと、多くの美術ファンの心をとらえてきました。いま、東京で最も新しく、またコレクションの充実した美術館のひとつと呼んでも過言ではありません。

そのアーティゾン美術館では、20世紀美術の主要な動向である抽象絵画の歴史をたどる『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開』を開催。その発生から1960年代までの展開に沿って、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の作品約250点を紹介します。また近年の新収蔵作品95点が一挙公開されるだけでなく、ポンピドゥー・センターやフィリップス・コレクションといった美術館、それに個人コレクションなど、初公開作品を含む計30点あまりの作品が海外からやって来ます。

『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』 アーティゾン美術館
開催期間:2023年6月3日(土)~8月20日(日)
所在地:東京都中央区京橋1-7-2
アクセス:JR線東京駅八重洲中央口、東京メトロ銀座線・京橋駅6番、7番出口より徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
 ※8月11日を除く金曜日は20:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日
観覧料:日時指定予約制 一般1800円、大学生以下無料(要予約)
 ※当日チケット(窓口販売)は2000円
https://www.artizon.museum

ユニークな動物たちが躍動する、三沢厚彦のアート。千葉市美術館での個展が見逃せない。

動物のすがたを等身大で彫った木彫「ANIMALS」シリーズで人気の彫刻家、三沢厚彦(1961年生まれ)。樟(くすのき)からクマやトラ、キリンといった動物を彫り、油絵具で彩色を施して作品を制作していて、近年は空想上の生き物である麒麟やキメラと いった複数の動物のイメージを組み合わせる表現に発展し、大型の木彫を手がけています。これまでにも作品は全国各地の美術館での展覧会のほか、屋外のパブリックアートなどでも広く公開されてきました。

千葉市美術館にて開かれる『三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions』では、「多次元」をテーマに、1990年代の初期未発表作から、代表作の「ANIMALS」シリーズ、そしてキメラといった最新作まで200点を超える彫刻や絵画を紹介し、三沢の仕事の全貌を紹介します。また会期中も「中庭部屋」と題した制作室にて三沢が作品の制作や補修を行うほか、戦前の銀行建築を保存したさや堂ホールでの展示や美術館のコレクションとのコラボなど、千葉だけのオリジナルな企画が繰り広げられます。

『三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions』 千葉市美術館
開催期間:2023年6月10日(土)~9月10日(日) 
所在地:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
アクセス: JR線千葉駅東口から徒歩約15分。京成バス(バスのりば7)から大学病院行または南矢作行にて中央3丁目または大和橋下車徒歩約3分。千葉都市モノレール葭川(よしかわ)公園駅より徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
 ※金・土曜日は20:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休室日:6月12日(月)、19日(月)、26日(月)、7月3日(月)、10日(月)、18日(火)、8月7日(月)、21日(月)、9月4日(月)
※第1月曜日は全館休館
料金:一般1200円、大学生700円、高校生以下無料
 ※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額
https://www.ccma-net.jp

ガウディの幻想的な建築美を追体験。『ガウディとサグラダ・ファミリア展』が開催。

スペインのカタルーニャ地方のバルセロナにて活動した建築家のアントニ・ガウディ(1852〜1926年)。モデルニスモの代表とされる建築は、自然からインスピレーションを得た有機的な形状や曲線、また細部の芸術的な装飾などを特徴としていて、ユニークなスタイルと革新的なデザインで高く評価されてきました。中でも長らく「未完の聖堂」といわれながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア聖堂は世界中の人々から注目を集めています。

東京国立近代美術館で開かれる『ガウディとサグラダ・ファミリア展』では、ガウディの創造の源泉をたどりつつ、サグラダ・ファミリア聖堂の建設思想や建設プロセス、またプロジェクトの持つ社会的意義を100点を超える図面、模型、写真、資料にて紹介。さらにマリアの塔が完成し、いよいよイエスの塔の建設という最終段階に向かうサグラダ・ファミリア聖堂の現在の光景を、ドローンなどを駆使して撮影された美しい映像を通して楽しむことができます。

『ガウディとサグラダ・ファミリア展』 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2023年6月13日(火)~ 9月10日(日)
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩3分
開館時間:10:00~17:00
 ※金・土曜は20:00まで開館
 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般2200円、大学生1200円、高校生700円
https://www.momat.go.jp/am/
https://gaudi2023-24.jp/
 ※佐川美術館:2023年9月30日(土)~12月3日(日)、名古屋市美術館:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日)へと巡回予定。

失われた文明の謎を解き明かす。『古代メキシコ—マヤ、アステカ、テオティワカン』展。

紀元前15世紀から16世紀のスペイン侵攻までの3千年以上にわたり、さまざまな環境に適応しながら、独自の文明が花開いたメキシコ。中でも前1200年頃から栄え、暦や文字などを有する王や貴族が中心となって交易や戦争を繰り広げたマヤ文明と、1325年に首都テノチティトラン(現メキシコシティ)を築き、軍事力と貢納制度を背景に繁栄したアステカ文明、また前1世紀から6世紀までメキシコ中央高原に栄え、巨大な計画都市を築いたテオティワカン文明が知られています。

そのマヤ、アステカ、テオティワカンの3つの文明に焦点を当て、メキシコ国内の主要博物館から厳選した至宝約140件を、近年の発掘調査の成果を交えて紹介する展覧会が東京国立博物館にてスタート。マヤの都市国家パレンケの黄金時代を築いたパカル王の妃とされる「赤の女王」の墓の出土品がメキシコとアメリカ以外で初めて公開されるほか、パカル王と王妃の墓やアステカの大神殿(テンプロ・マヨール)、またテオティワカンの三大ピラミッドなどの古代都市遺跡の魅力を、映像や臨場感あふれる再現展示にて体感できます。

『古代メキシコ—マヤ、アステカ、テオティワカン』 東京国立博物館 平成館 特別展示室
開催期間:2023年6月16日(金) ~ 2023年9月3日(日)
所在地:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:JR線上野駅公園口下車徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅下車徒歩15分。京成電鉄京成上野駅下車徒歩15分
開館時間:9:30~17:00 
 ※土曜日は19:00まで開館
 ※6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は20:00まで開館
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館)、7月18日(火)
料金:一般2200円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料
https://www.tnm.jp
https://mexico2023.exhibit.jp/
 ※九州国立博物館:2023年10月3日(火)~12月10日(日)、国立国際美術館:2024年2月6日(火)~5月6日(月・休)へと巡回予定。

【写真5枚】【6月のおすすめ展覧会5選】恐竜図鑑から抽象絵画、それに三沢厚彦や古代メキシコまで を詳しく見る
はろるど

はろるど

  • twitter
  • homepage

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

はろるどさんの記事一覧はこちら