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2024.2.13
「スーラージュと森田子龍」展みどころ紹介!「白黒の仲間」の競演!
1950年代から交流のあった画家のピエール・スーラージュと書家の森田子龍
それぞれの故郷であるフランスのアヴェロン県と兵庫県との20年をこえる友好提携を記念し、兵庫県立美術館にて、「スーラージュと森田子龍」を2024年3月16日(土)より5月19日(日)まで開催します。この記事では本展の見どころを紹介します。
画家 ピエール・スーラージュとは?
画業の最初期から晩年に至るまで、抽象を追究したフランスの国民的画家
2014年、故郷のフランス南西部アヴェロン県ロデーズに、自身の名を冠した美術館が開館。2019年12月から2020年3月にかけて、パリのルーヴル美術館で生誕100年を記念し、個展が開催されました。生前にルーヴルで個展が開かれたのは、ピカソ、シャガールに次いで3人目となります。
書家 森田子龍とは?
「前衛書」の旗手として世界的に知られる書家
その作品は、1950年から60年代にかけて海外で開催された展覧会に次々と出品され、大きな注目を集めました。その一方で、雑誌編集者としての側面もあり、師の上田桑鳩のもとで1939年頃から『書道芸術』の、戦後1948年からは『書の美』の編集に携わります。
1951年に『墨美』を創刊し1981年301号で終刊するまで、「書芸術雑誌」として幅広い内容を取り上げました。
「白黒の仲間」 ~二人の交流~
「白黒の仲間」とはモノクロームの作品を描く画家たちを指す、森田の言葉です。戦後まもない時期、海外の抽象画と日本の前衛書は、国境やジャンルをこえて、同時代性を示していました。
森田が編集を行っていた『墨美』では欧米の抽象絵画を紹介していたのですが、ピエール・スーラージュとの関係も『墨美』をきっかけに始まり、1952年にピエール・スーラージュと森田子龍、他4名の同志とともに「墨人会」を結成します。
『墨美』26号(1953年8月)には、スーラージュ本人から提供された作品写真10枚が掲載されました。
1958年、初めて来日したスーラージュは、森田らと直接、意見を交わし、1963年には、ヨーロッパを歴訪した森田が、パリでスーラージュ夫妻と再会しています。森田は「白黒の仲間」ができることを喜び、励みになったと述べています。
「黒の画家」と呼ばれたピエール・スーラージュ
新しい書のあり方を追い求めた森田子龍
二人は交流を通じ、互いの表現の共通点と相違点について考えを深めました。
森田子龍の展覧会が神戸で開催されるのは約30年振りで、約30点の作品が一堂に会します。
スーラージュの作品は17点中16点が“日本初公開”作品です!もう1点も約70年ぶりの来日となります。2人の作品合わせて約50点に加え、書籍や日記などの資料を通して、芸術家の出会いを考えます。
森田とスーラージュの競演を見ることをできるのは本展だけです。この貴重な機会に、兵庫県立美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。
開催概要
会期 2024年3月16日(土)~2024年5月19日(日)
午前10時-午後6時(入場は閉館の30分前まで)
会場 兵庫県立美術館
住所 651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内]
展示室 兵庫県立美術館 企画展示室
休館日 月曜日[ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館、4月30日(火)、5月7日(火)は休館]
観覧料 一般 当日券 1,600円、団体料金/前売券(3/15まで) 1,400円
大学生 当日券 1,000円、団体料金/前売券(3/15まで) 800円
高校生以下 無料
70歳以上 当日券 800円、団体料金 700円
障害者手帳等をお持ちの方(一般) 当日券 400円、団体料金 350円
障害者手帳等をお持ちの方(大学生) 当日券 250円、団体料金 200円
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名は無料。
※一般以外の料金には証明できるもののご提示が必要です。
※団体(20名以上)でご鑑賞いただく場合は事前のご連絡をお願いします。
[コレクション展 “無料”観覧日]
公益財団法人伊藤文化財団の協賛により、コレクション展を「無料」でご鑑賞いただけます。
5月12日(日) 第2日曜日、自由に話せる観覧日(コレクション展)

画像ギャラリー
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