EVENT
2024.2.29
「遠距離現在 Universal / Remote」現代社会の問題点を美術を通して考察!
国立新美術館にて、「遠距離現在 Universal / Remote」を2024年3月6日(水)より6月3日(月)まで開催いたします。
本展は、「Pan- の規模で拡大し続ける社会」、「リモート化する個人」の2つをキーワードにして、このような社会的条件が形成されてきた今世紀の社会の在り方に取り組んだ8名と1組の作品をご紹介します。
1.「Pan-」の規模で拡大し続ける社会
井田大介《誰が為に鐘は鳴る》2021年 © Daisuke Ida, courtesy of the artist
2020年に始まった国境のないパンデミック
感染を防ぎ、人流を抑制するための国家権力の強化と監視システムの容認という問題は、それなりの成果を上げながらも、同時にポストコロナ社会の大きな課題として残りました。
人々はかつて経験しなかったほどに、国家の力と国民の自由のバランス感覚を問われているとも言えます。しかし資本と情報の移動は、それと関係なく進み続け、人々を煽り続けるでしょう。それにより、資本や情報の本当の姿が見えてくるようになったと思えます。
徐冰(シュ・ビン)《とんぼの眼》2017年 © Xu Bing Studio, courtesy of the artist
近年のデジタル通貨導入の動きや、ブロックチェーンを基盤とするNFT(非代替性トークン)経済の過熱もまた、遠隔でも社会が機能し、拡大し続けるための仕組みでもあります。
このような資本と情報の問題意識に着眼した作品として、井田大介、徐冰、トレヴァー・パグレン、ヒト・シュタイエル(ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ミロス・トラキロヴィチとの共同制作)、地主麻衣子をとりあげます。
2.「リモート」化する個人
エヴァン・ロス《あなたが生まれてから》2023年、展示風景:「あなたが生まれてから」ジャクソンビル現代美術館、2019年 © Evan Roth, courtesy of the MOCA Jacksonville Photo by Doug Eng
コロナ禍の間もこのグローバル社会は世界規模で拡大を続けますが、逆説的に、個人のリモート化は進行してしまいます。インターネット上で個人と個人が結びつき、家にいながら様々な国の人々とコミュニケーションを図ることは、もはや当たり前になっています。
コロナウイルスによりリモート化が加速されましたが、今後、ますます地理的な距離感は消滅していくでしょう。縁もない、実際に見ることも訪れることもない世界へ向けて黙々と労働する姿は、孤独で言いようのない寂しさを感じさせます。
木浦奈津子《こうえん》2021年 © Natsuko Kiura, courtesy of the artist Photo © EUREKA
今まで対面で意思伝達を行っていた、人間の心に大きな影響を与えるのではないでしょうか。
「非接触」を前提に「遠隔化」される個人の働き方と居住についてティナ・エングホフ、チャ・ジェミン、エヴァン・ロス、木浦奈津子の作品を通して考えます。
地主麻衣子《遠いデュエット》2016年 「遠距離現在 Universal / Remote」 熊本市現代美術館 2023年 展示風景 Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)
地主麻衣子の作品はこの2つのテーマを横断するものでもあります。
展覧会タイトル「遠距離現在 Universal / Remote」について
ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチ 《ミッション完了:ベランシージ》2019年 「遠距離現在 Universal / Remote」 熊本市現代美術館 2023 年 展示風景 Photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)
タイトル「遠距離現在 Universal / Remote」は、常に遠くあり続ける現在を忘れないために造語された。本来は万能リモコンを意味するUniversal Remote を、スラッシュで分断することで、その「万能性」にくさびを打ち、ユニバーサル(世界)とリモート(遠隔、非対面)を露呈させる。コロナ禍を経て私たちが認識した「遠さ」の感覚、また、今なお遠くにそれぞれが生きていることを認識するのは重要なのではないかという思いが、この題名に込められている。
引用元:※本展キュレーター 尹志慧(ゆん じへ)(国立新美術館 特定研究員)の言葉を一部抜粋
オーバーな監視システムや精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、また人間の深い孤独を感じさせる作品群は、今の時代、あるいはポストコロナ時代の世界と真摯に向き合っているようにも見えます。
今一度、社会が抱える問題点や矛盾を、現代美術を通して考察してみてはいかがでしょうか。
開催概要
遠距離現在 Universal / Remote
会期 2024年3月6日(水)~2024年6月3日(月)
会場 国立新美術館
住所 106-8558 東京都港区六本木7丁目22-2
展示室 国立新美術館 企画展示室 1E
時間 10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日 火曜日
※ただし4月30日(火)は開館
観覧料 一般 1,500円 大学生 1,000円
※高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料。
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。
チケット情報は後日、国立新美術館ホームページ等でお知らせします。
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL 遠距離現在 Universal / Remote
画像ギャラリー
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