EVENT
2024.4.19
希少な作品が大集合!「―わたしが難波橋のライオン像をつくりました!!― なにわの彫刻家・ 天岡均一没後100年記念展」
大阪を代表する橋の一つである難波橋のライオン像の制作者として知られる彫刻家・天岡均一。
今年は天岡の没後100年にあたることから大阪歴史博物館で、2024年5月8日(水)~7月8日(月)まで、「―わたしが難波橋のライオン像をつくりました!!― なにわの彫刻家・ 天岡均一没後100年記念展」を開催します。
天岡均一とは?
天岡均一作「金剛力士像」(ブロンズ製) 明治44年(1911) 吉田廣志氏蔵
天岡は1875年に摂津三田藩(現在の兵庫県三田市)の重臣の家に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)で高村光雲や竹内久一に師事し彫刻を学びました。卒業後は、岡倉天心が創設した日本美術院の実技担当として活躍すると同時に、 美術院の事業の一環として古社寺の国宝修理(仏像彫刻)にも参加します。
1900年頃から現在の天王寺区真法院町に拠点を移し「天岡鋳金所」の看板を掲げて活動。1918年には、天岡をはじめ在阪の彫刻家5人で大阪彫塑会を結成します。
本展ではこれまで注目されることが少なかった天岡に焦点をあて、希少な作品を一堂に展示します。均一の妻・香(蕗香) も近代大阪における女流工芸家として多数の作品をのこしていることから、併せて展示・紹介します。
展示作品① 「ライオン像」
天岡均一作「ライオン像」(ブロンズ製) 明治~大正時代 九鬼隆章氏蔵
本作は、難波橋のライオン像制作のために試作を兼ねてつくられたと伝えられています。均一は1915年に開園した天王寺動物園に足しげく通い、徹底的に観察し、 ライオンやトラ・ゾウなどをスケッチしたそうです。
なお、ライオンなどが描かれたスケッチ帳も伝わっています。均一が手がけた動物をモチーフとした作品たちは、いずれも躍動感あふれる造りとなっているのが特徴です。
展示作品② 「慈恩大師像」
天岡均一作「慈恩大師像」(古三田青磁)明治~大正時代 個人蔵
均一は、1898年に三田焼の窯元より依頼されて様々な石膏形を制作していますが、本作はその石膏形によるものです。
1879年4月に旧三田藩士族等が結束し、当時廃れつつあった三田焼再興のために「陶器社」という組織が創設されました。その中には、均一の父・源六の姿もあり、親子でふるさとの産業復興に尽力したことがわかります。
均一は、三田焼の石膏型制作のほか、自ら作陶を行ったり、鑑定をするなど、陶芸にも精通していました。
展示作品③ 「天岡均一句幅」
本作は、均一が1920年に8ヵ月間渡欧した際、滞在中のパリから俳友に贈った句幅です。俳句「ストーブを たきはじめたり 秋の暮れ」とともに前衛的な俳画が描かれていたり、「秋」の字の偏と旁を反転させているのも特徴です。
均一は、俳句や俳画をよくし、直覚・直感を率直に表現できる俳人として正岡子規門下の青木月斗などから高い評価を得ており、子規門の松瀬青々や芦田秋双・松村鬼史などとも親しく交流しました。
均一は俳句について「日本の芸術を外国に示して何一つ自慢になるものはないが、俳句だけは全く彼等のまだ窺い知ることの出来ない神品である。向うでも(※8カ月間渡欧した際)自分は俳句一点張りで、誰に逢っても俳味を説いてやった」と、俳句こそが世界で日本および日本人の優越を示せるものであると語っています。
展示作品④ 「赤楽茶碗」
本作は、均一の妻である天岡蕗香によるものです。蕗香は、佐倉藩医・津田長人の三女として生まれました。
兄は東京美術学校教授で日本橋の装飾や日比谷公園の噴水を手がけた津田信夫、甥は鋳金家の津田永寿といったように、芸術一家で育った蕗香は、均一とともに精力的に作陶を行い、なかでも赤楽茶碗を好んで手がけています。
なにわ橋のライオンの作者・天岡均一。今一度、注目してみてはいかがでしょうか?
開催概要
【名 称】 特集展示「―わたしが難波橋のライオン像をつくりました !!―なにわの彫刻家・天岡均一没後100年記念展」
【主 催】 大阪歴史博物館
【会 期】 令和6年5月8日(水)~7月8日(月)
【休 館 日】 火曜日
【開館時間】 午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室(常設展示場内)
〒540-0008 大阪市中央区大手前4-1-32
電話 06-6946-5728 公式サイト:大阪歴史博物館
【観 覧 料】 常設展示観覧料でご覧になれます。
大人600円 (540円)、高校生・大学生400円 (360円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上 (要証明証提示)の方、
障がい者手帳等をお持ちの方 (介護者1名を含む)は無料
画像ギャラリー
あわせて読みたい
-

EVENT
2025.12.09
『六本木クロッシング2025展』が開催!全21組のアーティストの作品で見る、日本の現代アートシーン
はろるど
-

EVENT
2025.11.20
没後40年、いま出会うシャガール──「花束」が語る愛と祈り【ギャルリーためなが】
つくだゆき
-

EVENT
2025.11.17
【現地取材】大阪市立美術館『天空のアトラス イタリア館の至宝』ダ・ヴィンチの手稿も日本初公開!
明菜
-

EVENT
2025.11.14
企画展『デザインの先生』が21_21 DESIGN SIGHTにて開催!6名の巨匠たちの視点と思想を通して、デザインのあり方を考える
はろるど
-

EVENT
2025.11.13
見えない人を描く──「諏訪敦|きみはうつくしい」に宿る、沈黙の物語【東京・天王洲 WHAT MUSEUM】
つくだゆき
-

EVENT
2025.11.05
【東京・神宮前】太田記念美術館『歌川広景 お笑い江戸名所』開催!謎の絵師が生み出した、笑える浮世絵とは?
はろるど
このライターの書いた記事
-

EVENT
2025.12.14
【入場無料】新年の明治神宮を彩る「第50回 全国氷彫刻展」2026年1月17日〜18日開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.12.13
日本初!【神戸】名画の世界に没入する美食体験「7 Paintings」ANAクラウンプラザホテル神戸で12/27~
イロハニアート編集部
-

NEWS
2025.12.12
原田マハ渾身の“アート長篇”最新作 『晴れの日の木馬たち』──小説家を夢見る工女・すてらが出会う「芸術の奇跡」
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.12.11
【大阪】妙心寺の禅美が集結!長谷川等伯・狩野山楽の名品と「禅の継承」展が開催。展示限定のかわいいオリジナルグッズにも注目!
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.12.07
【代官山】絵本作家・五味太郎の52年間すべてを体感!「ON THE TABLE」展 2025年12月12日から開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.12.06
【小樽】アールデコ建築の幻想空間で「Jun’s Light」展開始!「アートペアリングカクテル」も楽しめる!
イロハニアート編集部

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
イロハニアート編集部さんの記事一覧はこちら


