EVENT
2021.10.22
アーティゾン美術館で開幕!ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」-森村泰昌 ワタシガタリの神話
美術史における名画の登場人物をはじめ、歴史的人物や美しい女優、歴史的貴重なシーンに扮し、セルフポートレイトとして自身の作品として表現している現代美術作家の森村泰昌氏。
そんな森村氏の50点以上もの新作が展示されている展覧会がアーティゾン美術館にて開催中! 『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」-森村泰昌 ワタシガタリの神話』をご紹介します。
森村泰昌とは?
森村泰昌は、1985年にゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作して以降、今日に至るまで古今東西の絵画や写真に表された人物に変装し、独自の解釈を加えて再現する「自画像的作品」をテーマに制作しつづけています。
森村氏は、以前から石橋財団が所蔵する青木繁《自画像》(1903年)、《海の幸》(1904年)にインスピレーションを得た作品を制作するなど、青木作品へ密かな想いを寄せていました。
本展覧会では、改めて《海の幸》と本格的に向き合い、当作品が制作された明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を“森村式”、略して“M式”「海の幸」として形象化し、青木への熱い想いを新たなる作品シリーズへと昇華させています。
会場で鑑賞できるさまざまな表現
会場では財団のコレクションより青木作品約10点と、青木繁の人物や作品に扮した森村作品約60点を展示。そのうち50点以上は本展覧会のために制作された森村氏による新作です。
《海の幸》についての作品解釈をテキスト化しているランゲージアートをはじめ、その作品を再現するために研究を重ねたジオラマ、制作へのプロセスがわかる数冊のノート、何度も実験的に描画・彩色を施した修作。
そして、森村氏自身が作中に着用したオリジナル衣装のほかに、メイク、スタイリング、撮影などをスタジオでたったひとりで試み、85名の登場人物を演じ分ける姿を垣間見ることができる映像作品がご覧になれます。
さらに、円環状の展示空間に展示されている10連作にも及ぶM式「海の幸」シリーズは、明治、大正、昭和、平成、そして未来へと続く日本の文化や歴史を舞台に、青木作品《海の幸》への分析と研究を重ね、自身の身体を介した森村氏渾身の作品です。
作品から未来を予想し、歴史の本質に触れてみよう
10連作のM式「海の幸」シリーズでは日清戦争・日露戦争や学生運動などの影を落とすものもあれば、東京オリンピックや大阪万博など復活を象徴する明るいものもあり、これまでの日本に大きな変革を与えてきた歴史的瞬間を捉えたシーンをご覧になることができます。
そして、歴史を辿るように平成を象徴するボディコン、コギャル、メイドに扮した作品から、コロナ禍の現在を象徴するマスクとガスマスク姿へとつづき、未来を想起される遮光式土偶の面をつけ棒状のものを持っている姿で締めくくられています。
これは、M式「海の幸」シリーズが円環状に展示されていることもあり、最初の《海の幸》へ戻るように促されていることから、繰り返される歴史の本質に触れているかのような感覚になることでしょう。
あなただけの未来に思いを馳せてみよう
森村泰昌《M式「海の幸」第10番:豊穣の海》2021年(部分)
最後にご覧になれる、青木繁に扮する森村氏が白いカンヴァスに向かい、青木繁に向かって語りかける映像作品では、『我々はどこから来たのか 我々は何者か』という普遍的な問いの答えを、森村氏なりに独自解釈し、展開していました。
ぜひ、あなたも本展覧会の森村作品から想像を膨らませて、あなただけの未来に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
取材・撮影・文:新麻記子
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式『海の幸』-森村泰昌 ワタシガタリの神話
会期:2021年10月2日〜2022年1月10日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(1月10日は開館)、12月28日〜1月3日
料金:ウェブ予約チケット 1200円(当日チケット[窓口販売]1500円) / 学生無料(要予約)
公式ウェブサイト:https://www.artizon.museum/exhibition/detail/64
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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