カラフルでポップな神様たちに願いを込めて 大河紀個展「狼煙(のろ)す絵画」レポート

大河紀さんは、シンプルな線とカラフルな色使いが印象的な作風で今注目されているアーティストのひとりです。今回の個展では新作とそれぞれの絵にマッチしたオリジナル香水を展示されていました。たくさんのファンで賑わう会場の様子をレポートします。

アーティスト・大河紀について

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大河紀さんは絵画、イラストレーション、グラフィックデザインなどでマルチに活躍されている日本のアーティストです。彼女の作風は、丸や直線などを組み合わせて抽象的に描かれたモチーフと目を惹く印象的な色使い。ひと目で「大河さんの絵だ！」とわかる個性あふれる画風で、SNSでもファンが急増中。HB File Vol.30 日下潤一特別賞、第22回グラフィック1_WALL 上西祐理奨励賞、第215回ザ・チョイス入選など、受賞歴も多数。2022年注目の作家です。

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迫力の大型作品！パワフルでエネルギーに満ち溢れた展示空間

今回の個展は、表参道の複合文化施設「スパイラル」に入ってすぐのエントランススペースで開催されています。パッと目につく、吊るされた大きな5作品が今回の新作とのこと。

新作は“世界と日本の神々がボーダーレスに楽しんでいる様子”をテーマにしているそうです。コロナ禍の今、海外とのつながりが薄くなってしまい、また早く世界と繋がれることを願ってこの題材で制作されたそうです。それぞれの神様に表情はありませんが、ハンドサインや目線などから楽しそうに戯れている様子がわかります。密度高く描かれている作品も、色数や線が少なくシンプルな仕上がりの作品も、細部までこだわりを感じられます。

本展示の特にユニークな点は、作品に合わせて作られたオリジナル香水と、リッチな印刷。

それぞれの作品の横には、作品のイメージで作られた香水が展示されていました。大河さんにお聞きしたところ、「コロナ禍でのマスク生活で、匂いを嗅ぐ機会が激減してしまった。大好きな海外旅行に行って、現地の空気や匂いを感じることを恋しく思う。今だからこそ、作品にも嗅ぐ体験を取り入れたかった」との思いで、友人の調香師の方と制作されたそうです。この香水は会場で購入可能です。

また、発色が鮮やかな美しい印刷が作品にインパクトをもたらしていました。大河さんは基本的にデジタルで作画をされていますが、近くに寄ってみても直接キャンバスに絵の具を重ねているような質感です。これは「ジークレープリント」という印刷方法で出力しているとのこと。ジークレープリントはリッチな発色だけではなく、色あせにくく長期間の保存に向いているのだそうです。液晶画面で見ることとは全く違って、直接見ることをおすすめできる仕上がりです。

大きな作品の他にも、金属にプリントされたお札のシリーズや、飾りやすい小さめの作品なども販売されています。手作りの張り子の狛犬や招き猫も可愛らしいです。会場では作品以外に雑貨の物販も行われていました。アパレルやメガネ拭きなど、普段から使えるものが多く、ギフトにも最適です。

展示は2022年1月19日（水）まで。お見逃し無く！

コロナ禍の収束を祈ったエネルギーにあふれる作品群は、今だからこそ見て共感できる、パワーをもらえると思います。大河紀さんご本人が在廊する日程もあるようなので、詳しくは作家のTwitterをチェックしてみてください。令和4年最初のアート体験にぴったりな個展をお見逃し無く！