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EVENT

2022.3.1

春の江戸絵画まつりから鏑木清方、それにシダネルとマルタンまで。3月に見たいおすすめ展覧会5選

今年は例年に増して寒い日々が続きましたが、少しづつ日差しに春を感じるようになってきました。東京ではすでに閉幕した東京都現代美術館の『クリスチャン・マークレー』展などが会期末に行列ができるほど話題を集めたほか、国立新美術館でスタートした『メトロポリタン美術館展』が人気を博しています。

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https://irohani.art/event/6175/

3月のおすすめ展覧会

3月も注目したい展覧会が目白押しです。今月はデザインから日本画、そして西洋美術と幅広い分野から東京のおすすめの展覧会をピックアップします!


パリから日本へ。インテリアとデザインの国際見本市『メゾン・エ・オブジェ・パリ展』が東京で開催!

メゾン・エ・オブジェ・パリ展

毎年3月と9月にパリで開催されるインテリアとデザインの国際見本市『メゾン・エ・オブジェ』。その主催者であるSAFIが総指揮をとり、フランス人キュレーターが会場構成を手がけて展覧会として編集した『デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展』が、日本橋高島屋S.C. 本館8階ホールにて開かれます。

まず1部では過去の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたクリエイターの中から21名の作品が集結。これまでにも佐藤オオキらによるnendoや吉岡徳仁らが受賞者に名を連ねていますが、今回は各クリエイターによる椅子や照明の代表作を用いた展示が繰り広げられます。そして2部ではパリでの見本市の新作コレクションを公開し、3部では次世代の創作活動に贈られる「ライジング・タレント・アワード」の受賞者の作品が紹介されます。

会場では高島屋でかつて開催されたシャルロット・ペリアン展『選擇・傳統・創造』(1941年)からの名作も公開。デザインを通した多様な「対話」によって、これからの時代の暮らしのあり方が提案されます。日常の生活をデザインで彩るヒントを得られる展覧会となりそうです。

※京都高島屋7階グランドホール(4月28日〜5月9日)とジェイアール名古屋タカシマヤ 10階特設会場(8月17日〜8月30日)へ巡回予定。

『デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展』 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
開催期間:2022年3月3日(木)〜3月21日(月・祝)
所在地:東京都中央区日本橋2-4-1
アクセス:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩4分。
開館時間:10:30~19:30
 ※最終日は16時まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般・大学・高校500円、中学生以下無料。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/maison-objet/top.html


江戸中期にマルチに活躍した才人、建部凌岱の人生と作品とは?

建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか

江戸中期の絵師、建部凌岱(たけべ りょうたい、1719~1774年)を知っていますか?弘前藩の家老の次男として江戸に生まれ、文武両道の教育を受けるも、兄嫁との恋の噂により20歳で出奔。出家して説教僧となりのちに還俗すると、俳諧で身を立てて各地を遊歴します。それだけでも奔放な人生ですが、古代歌謡の一種である片歌の提唱者として開眼すると俳諧を捨て、歌人、随筆家、読本作家、国学者として幅広く活躍しました。まさにマルチな才人でもあったのです。

この建部凌岱の主に絵師としての活動をたどるのが、板橋区立美術館にて開かれる『建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか』です。長崎へ遊学経験もある建部は、色鮮やかで写実的な花鳥画を学ぶとともに、山水画の舶来清人に師事するなど、中国に由来する最新の様式をもとにして独自の画風を確立しました。展示では約80点の作品を紹介。加えて漫画家の森栗丸が凌岱の生涯を10のエピソードに描き下ろした原画も公開されます。知られざる建部の人生と絵を楽しみたいところです。

『建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか』 板橋区立美術館
開催期間:2022年3月12日(土)~ 4月17日(日)
所在地:東京都板橋区赤塚5-34-27
アクセス:都営三田線西高島平駅下車徒歩約14分。東武東上線成増駅北口2番のりばからバス「(増17)区立美術館経由 高島平操車場」行きにて「区立美術館」下車すぐ。
開館時間:9:30~17:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。ただし3月21日は開館。3月22日(火)
料金:一般650円、大学・高校生450円、小・中学生200円。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/


「奇想」ではなくあえて「ふつう」に注目?今年も春は府中の『江戸絵画まつり』へ行こう!

ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション

「春の〇〇まつり」と聞いて何を思い浮かべますか?「パンまつり…」という声も聞こえてきそうですが、美術ファンとしては「江戸絵画」を挙げたいところ。毎年春恒例、府中市美術館の『春の江戸絵画まつり』が今年も3月12日からスタートします。

『ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション』と題した展覧会では、昨今人気の「奇想」ではなく、あえて「ふつう」、つまり美術界のメインストリームを俯瞰し、その魅力を探っていきます。出展作品は敦賀市立博物館のコレクションを中心に約100点。番外編として動物絵画にもスポットを当てているので、かわいらしい動物の絵も見られそうです。

なお本展は一度、昨年3月に開幕し、新型コロナウイルス感染症の影響により途中で閉幕となった展示を再開催するものです。会期中に作品の大幅な展示替えが行われます。昨年とは前期・後期の展示予定を見直して再構成していますので、まずは公式サイトから展示リストを確認しておきましょう。

『春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館
開催期間:2022年3月12日(土)〜5月8日(日)
所在地:東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
アクセス:京王線東府中駅北口より徒歩17分。京王線東府中駅北口よりバス「ちゅうバス府中駅」行きにて「府中市美術館」下車すぐ。
開館時間:10:00~17:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。ただし3月21日、5月2日は開館。3月22日(火)
料金:一般700円、大学・高校生350円、小・中学生150円。
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/


没後50年を期した日本画の巨匠の作品が一堂に。東京国立近代美術館での『鏑木清方展』

没後50年 鏑木清方展

東京に生まれ、美人画によって画壇に地位を築いた日本画家、鏑木清方(かぶらき きよかた、1878〜1972年)。浮世絵系の挿絵画家としてキャリアをはじめた清方は、庶民の暮らしを見つめながら、文学や芸能といった主題を中心に日本画を描き続けました。

その没後50周年を記念する回顧展では、「生活をえがく」、「物語をえがく」、「小さくえがく」の3つの観点から清方の魅力を紹介。初公開の作品をはじめ、切手にもなった代表作『築地明石町』と、合わせて3部作となる『新富町』と『浜町河岸』など110点もの作品が公開されます。挿絵は一切なく、すべて日本画で占められているのもポイントです。

またこの展覧会では、清方が「もとめられて」描いた作品を少なくし、自ら制作記録にて採点していた評価の高い作品を積極的にラインナップに加えているのも特徴です。60年に及ぶ画業を振り返りつつ、清方芸術の本質を見極めるような展覧会となりそうです。

※京都国立近代美術館(2022年5月27日~7月10日)へ巡回。

『没後50年 鏑木清方展』 東京国立近代美術館
開催期間:2022年3月18日(金)~5月8日(日)
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
開館時間:9:30~17:00
 ※金・土曜日は20:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。ただし3月21日、28日、5月2日は開館。3月22日(火)
料金:一般1800円、大学生1200円、高校生700円、中学生以下無料。
 ※オンラインチケット(日時指定制)を販売。
https://kiyokata2022.jp/


フランスの最後の印象派、シダネルとマルタンの2人展がいよいよ東京へ。

シダネルとマルタン展

19世紀末から20世紀初頭のフランスで活躍し、「最後の印象派」とも称される画家、アンリ・ル・シダネル(1862〜1939年)とアンリ・マルタン(1860〜1943年)。シダネルは北フランスに特有の霞がかった柔らかい光を、マルタンは南仏の明るい光を描き、ともに牧歌的で穏やかな画風の風景画で高く評価されています。

そのシダネルとマルタンの2人の作品に初めて焦点を当てた展覧会では、画風の展開をたどりつつ、約70点の油彩、素描、版画を公開。ランス美術館ほか個人のコレクションなどフランスからも多くの作品がやってきます。

深い友情で結ばれつつも、ともに異なった光の表現を追求した2人の作品は、見ていて心安らぐような魅力をたたえています。展示は昨年秋からひろしま美術館と山梨県立美術館にて開催。またシダネルに関しては過去、埼玉県立近代美術館にて回顧展が行われ、マルタンについても印象派関連の展覧会にて作品が出品されることがありますが、2人の作品をまとめて味わえるまたとない機会となりそうです。

『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館
開催期間:2022年3月26日(土)〜6月26日(日)
所在地:東京都新宿区西新宿1-26-1
アクセス:JR線新宿駅西口から徒歩5分。東京メトロ丸ノ内線新宿駅から徒歩5分。都営大江戸線都庁前駅A1出口から徒歩7分。
開館時間:10:00~18:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。
料金:一般1600円、大学生1100円、高校生以下無料。
 ※「アソビュー!」での日時指定予約を推奨。
https://www.sompo-museum.org

※新型コロナウイルス感染症の状況等により、各展覧会の会期や時間の変更、事前予約など入場の方法が変わる可能性があります。最新の状況は各館のウェブサイト、公式Twitterアカウントなどでご確認ください。

【写真6枚】春の江戸絵画まつりから鏑木清方、それにシダネルとマルタンまで。3月に見たいおすすめ展覧会5選 を詳しく見る

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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