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2022.3.15

満開の桜が咲き誇る 日本初のダミアン・ハーストの大規模個展「ダミアン・ハースト 桜」

イギリス出身で21世紀に最も重要とされる世界的アーティストのひとりであり、動物をホルマリン漬けにした作品でも知られているダミアン・ハースト。

彼はセンセーショナルで挑発的な作品で人々に衝撃を与え、作品落札総額としては最高記録を樹立するなど、現存する作家のなかで最も評価の高いアーティストです。

そんな彼の色彩豊かでダイナミックな作品〈桜〉シリーズを鑑賞することができる、東京・六本木の国立新美術館にて開催中の「ダミアン・ハースト 桜」をご紹介します。

ダミアン・ハーストってどんな人?

スタジオでのダミアン・ハースト 2019年 Photographed by Prudence Cuming Associates Ltd © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS 2022

イギリスを代表する現代美術家の巨匠ダミアン・ハースト。

1990年代のイギリス・アートシーンに最も貢献した YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の中心的な人物であり、動物をホルマリン漬けにした作品や「アートと金」の関係を露出させた作品など、センセーショナルで挑発的な作品で知られています。

彼は30年以上にわたるキャリアの中で、絵画、彫刻、インスタレーションと様々な手法を用いて、芸術、宗教、科学、そして生や死といったテーマを深く考察してきました。

国立新美術館とカルティエ現代美術財団主催による本展は、イギリスを代表する現代作家であるダミアン・ハーストの日本初となる大規模個展であり、パリで2021年7月6日から2022年1月2日まで開催された同展覧会の国際巡回展です。

色彩豊かでダイナミックな〈桜〉のシリーズ

最新作である〈桜〉のシリーズは、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングなど、西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させました。

それはまた、1980年代後半以降、継続的に抽象絵画を制作してきた作家にとっては、色彩や絵画空間に対する探究の大きな成果でもあります。

大きいものでは縦5m×横7mを超える画面に描かれた風景は、儚くも鮮やかに咲き誇る桜並木の下に身を置いた時のように私たちを幻想的な世界に誘います。

会場では、アトリエに籠って3年越しで完成させたという渾身の107点から成る〈桜〉のシリーズから、ダミアン・ハースト自身が選出した24作品が展示されています。

最後に…

ダミアン・ハーストが「〈桜〉のシリーズは美と生と死についての作品です」と語るとおり、咲き誇る桜から生や死、さらに再生を感じさせてくれます。

コロナ禍で閉塞感を抱いていた人々、戦時下で気分が憂鬱になった人々、そんな時だからこそ彼の作品からいろんなことに思いを馳せながら鑑賞してみてください。

ぜひ、彼の絵画表現の魅力を存分に楽しめる、本展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。


取材・撮影・文:新麻記子

『ダミアン・ハースト 桜』
会期:2022年3月2日(水)―5月23日(月)
   毎週火曜日休館※ただし5月3日(火・祝)は開館
時間:10:00―18:00
   ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木)
主催:国立新美術館、カルティエ現代美術財団
共催:日本経済新聞社
ホームページ:https://www.nact.jp/exhibition_special/2022/damienhirst/

【写真4枚】満開の桜が咲き誇る 日本初のダミアン・ハーストの大規模個展「ダミアン・ハースト 桜」 を詳しく見る
新 麻記子

新 麻記子

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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。

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