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2022.5.2

古筆から琉球、それに鬼頭健吾まで。5月に見たいおすすめ展覧会5選

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか? 今年はコロナ禍での移動自粛の要請もなく、平日を2日休むと最大で10連休になるだけに、旅行を計画している方も多いかもしれません。

鬼頭健吾『Untitled(hula-hoop)』 2021年 ※上野の森美術館ギャラリーにて開催された『鬼頭健吾展』(2021年)より

一方で「そんなに長くはとても休めない…」や「まだまだ近場で楽しみたい…」という方も少なくないはず。今月は東京と横浜でコロナ禍から再開、もしくはリニューアルオープンした美術館を中心に、おすすめ展覧会をご紹介します!

久しぶりの再開館!出光美術館の『国宝手鑑「見努世友」と古筆の美』展

出光興産の創業者である出光佐三が長く収集した美術品を公開するために建てられた出光美術館。日本の書画、中国の陶磁器といった東洋古美術の良質なコレクションで知られ、1966年の開館以来、多くの美術ファンに親しまれてきました。皇居のお堀を見渡せるロビーからの景色も人気です。

その出光美術館も新型コロナウイルスのパンデミックの大きな影響を受けます。2020年3月、当時開催中だった『狩野派─画壇を制した眼と手』の会期を短縮して終了。その後、感染拡大防止の観点より臨時休館に入りました。そして緊急事態宣言の解除以降、再開を検討していたものの、感染症の収束が見通せないことから、長く休館を続けてきました。

ここにようやく再開館です。4月23日より『国宝手鑑「見努世友」と古筆の美』がスタート。同館が所蔵する古筆、すなわち古人の優れた筆跡に加え、茶の湯の名品が展示されます。なお目玉である国宝の古筆手鑑「見努世友(みぬよのとも)」は修復後、初めての公開となります。また同館では再開にあたり、オンラインでの日時予約制が導入されました。お出かけの際はウェブサイトにて予約方法などをご確認ください。

『国宝手鑑「見努世友」と古筆の美』 出光美術館
開催期間:2022年4月23日(土)~6月5日(日)
所在地:東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
アクセス:東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営三田線日比谷駅B3出口より徒歩3分。JR線有楽町駅国際フォーラム口より徒歩5分。
開館時間:11:00~16:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。(ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館、翌日休館)
料金:一般1200円、大学・高校生800円、中学生以下無料。
http://idemitsu-museum.or.jp

全面改修工事を終えてリニューアルオープン!三井記念美術館で愛でるうつわの名品。

昭和初期を代表する洋風建築として知られ、国の重要文化財にも指定された三井本館の7階にある三井記念美術館。江戸時代から三井家が収集してきた茶道具を中心とした日本・東洋の優れた名品を公開する施設として、2005年に東京・日本橋に移転開館しました。

そして約16年。2021年の9月から開館以来初めての全館改修工事が行われます。空調設備やセキュリティ設備の更新、および床の張り替えや展示ケース内の照明のLED化などが実施されました。その工事も今年4月に無事終え、リニューアルオープンを記念する展覧会、『絵のある陶磁器~仁清・乾山・永樂と東洋陶磁~』が同月29日より開催されています。

これは京都に居住した豪商三井家にちなみ、仁清や乾山の色絵陶器や、染付のような中国陶磁を写し、三井家と親交のあった永樂家の陶磁器を紹介するもので、あわせて写しの手本となった中国の宋や明時代の陶磁も展示されます。元々、同館はうつわといった立体展示に定評がありますが、新たなLED照明によって、さらに作品が映えて見えるかもしれません。

『リニューアルオープンⅠ 絵のある陶磁器~仁清・乾山・永樂と東洋陶磁~』 三井記念美術館
開催期間:2022年4月29日(金・祝)~6月26日(日)
所在地:東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 三井本館7階
アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A7出口より徒歩1分。
開館時間:11:00~16:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。(ただし5月2日は開館)
料金:一般1000円、大学・高校生500円、中学生以下無料。
https://www.mitsui-museum.jp/

カラフルなインスタレーションに酔いしれる。KAAT神奈川芸術劇場で開催される鬼頭健吾展

現代アーティスト、鬼頭健吾を知っていますか? 1997年に愛知県にて生まれた鬼頭は、文化庁新進芸術家海外研修員としてベルリンに滞在。現在は群馬県を中心に制作を行い、フラフープやスカーフ、ポストカードスタンドなどの日常的な既製品を用い、色鮮やかなインスタレーションを手がけてきました。

その鬼頭が新作を披露するのが、横浜市中心部、ベイブリッジを望む山下公園にも近いKAAT神奈川芸術劇場です。同劇場では2016年から毎年、劇場空間と現代美術の融合から新たな表現を生み出す『KAAT EXHIBITION』を開催。これまでに志村信裕や冨安由真、それに小金沢健人やさわひらきなど人気アーティストらが作品を公開してきました。

過去の『KAAT EXHIBITION』では、いずれも劇場内のスタジオを中心に展示が行われましたが、今回は「街にひらかれた劇場」をテーマに、初めてアトリウムを会場に設定。約30メートルにも及ぶ開放的な空間にて鬼頭のカラフルな作品が展開します。劇場過去最大スケールをうたうだけあり、見応え十分の内容となりそうです。

『KAAT EXHIBITION 2022 鬼頭健吾展|Lines』 KAAT神奈川芸術劇場
開催期間:2022年5月1日(日)~6月5日(日)
所在地:神奈川県横浜市中区山下町281
アクセス:みなとみらい線日本大通り駅から徒歩約5分。
開館時間:10:00~18:00
 ※夜公演がある日は終演時刻まで
休館日:会期中無休。
料金:無料。
https://kaat-seasons.com/exhibition2022/

琉球と沖縄の歴史と文化が明らかに。東京国立博物館の『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』

日本や朝鮮半島、中国や東南アジアと交流しながら、アジア各地の中継貿易点だった琉球。12世紀以降、一体的な文化圏を形成し、15世紀に政治的な統合を遂げると琉球王国として繁栄しました。

そうした琉球王国の歴史資料、工芸、国王尚家に由来する宝物に加え、考古遺物や民族作品などを一堂に公開するのが『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』で、過去最大規模のスケールにて琉球王国の成立や独自の文化などが紹介されます。「貝の文化」と呼ばれる先史時代の文化や、島に伝わる「祈り」のあり方などにも注目を集めそうです。

豊かな自然と美しい海を有する沖縄は、国内有数のリゾート地として毎年多くの観光客が訪れていますが、第二次世界大戦では壊滅的なまでの被害を受け、多くの人々が亡くなり、貴重な文化財が失われました。また近年も2019年に再建された首里城が焼失。現在、さらなる再建に向けて動きを見せています。そうした琉球と沖縄のたどった苦難の歴史についても考えるきっかけとなるかもしれません。

※九州国立博物館へと巡回。会期:2022年7月16日(土)〜9月4日(日)

『沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」』 東京国立博物館
開催期間:2022年5月3日(火)~2022年6月26日(日)
所在地:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:JR線上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅より徒歩15分。京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
開館時間:9:30~17:00
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。
料金:一般2100円、大学生1300円、高校生900円、中学生以下無料。
https://www.tnm.jp
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/

六本木一丁目のオアシス?!泉屋博古館東京で楽しむ住友の洋画コレクション

東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から、高層ビルの合間の長いエスカレーターを上がると、左手にすがたを現す泉屋博古館東京。住友グループの礎を築いた住友家第15代の住友春翠が集めたコレクションなどを公開する施設として、2002年に京都の分館として誕生しました。なお泉屋を「いずみや」と言ってしまいがちですが、正しくは「せんおく」と読みます。「せんおくはくこかん」です。

2022年4月、泉屋博古館東京がリニューアルオープンしたことをご存知でしょうか。2020年1月から行われていた工事では展示スペースを拡大し、カフェやミュージアムショップを新設。よりゆとりのある上質な鑑賞空間へと生まれ変わりました。そして現在、リニューアル記念第2弾として『光陰礼讃―モネからはじまる住友洋画コレクション』を開催中です。クロード・モネやジャン=ポール・ローランス、藤島武二や岸田劉生といった印象派や古典派、それに日本の近代洋画などが紹介されます。

都心に位置しながらも緑にも囲まれた泉屋博古館東京は、六本木一丁目のオアシスです。新たにオープンした「HARIO」直営のカフェでコーヒーを楽しみつつ、リニューアルされて間もない空間にて、住友の誇る洋画コレクションを味わいましょう。

『リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション』 泉屋博古館東京
開催期間:2022年5月21日(土)~2022年7月31日(日)
所在地:東京都港区六本木1丁目5番地1号
アクセス:東京メトロ南北線六本木一丁目駅下車、北改札正面泉ガーデン1F出口より屋外エスカレーターで徒歩3分。
開館時間:11:00~18:00
 ※金曜日は19時まで開館
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。(祝日の場合は翌平日休館)
料金:一般1000円、大学・高校生600円、中学生以下無料。
https://sen-oku.or.jp/tokyo/

はろるど

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。