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2022.5.19
浦和の町の魅力を改めて再発見する!うらわ美術館開館22周年「芸術家たちの住むところ」展
いつの頃からか「鎌倉文士に浦和絵描き」という言葉が聞かれるようになり、東京から幾人かの芸術家がさいたま市の浦和地域に移り住み、絵描きの街となったことを知っていますか?
うらわ美術館の収蔵品や各地の美術館や関係機関の所蔵作品を交え、この土地に集った芸術家たちの作品やその背景をひも解く、うらわ美術館開館22周年「芸術家たちの住むところ」展をご紹介します。
2年間の延期を経て開催された本展覧会!
2020年春、うらわ美術館開館20周年記念展である本展覧会は、新型コロナウイルス感染症対策に伴い開催中止となりました。
しかし、これまで本展覧会の開催を目指して代替プロジェクト「Art into Life」を展開させ、2年間の延期を経て美術と向き合う思いを新たに、構成内容や出品作品は当初の記念企画規模で実現しました。
多くの芸術家が集い数々の作品が生まれたこの土地を改めて見つめ直すものです。
浦和に集った芸術家たちの作品
いつの頃からか「鎌倉文士に浦和絵描き」という言葉が聞かれるようになりました。
1923年の関東大震災後、東京から幾人かの芸術家がさいたま市の浦和地域に移り住んだことが背景として挙げられますが、他にもこの土地が絵描きの街となったさまざまな要因があります。
本展では、各地の美術館や関係機関の所蔵作品と同館収蔵品を交え、芸術家同士の繋がりや様々なエピソード、時代状況等をたどりながら、この土地に集った芸術家たちの作品やその背景をひも解いていきます。
芸術文化をつないできた芸術家たちの足跡、そして彼らが活躍の場を広げていった様子を、100タイトルを超える作品、資料とともに前期と後期の二期に分けて展覧します。
戦前・戦中の絵画中心の前期展
今回、取材させていただいた前期展では、セクション1では地域の風景とその地に暮らした人々をテーマにした作品を、セクション2では戦前・戦中の作品を展示していました。
キャプションに記載された芸術家の経歴を追うことで、影響を受けた人物やジャンルを想察することができ、芸術家たちがそれぞれの作品に写しとったこの風景や人々の営みには、芸術家ならではのユニークな視点や愛着を感じることができます。
会場内には、描いている風景はさいたま市内のものですが、印象派や後期印象派などに影響を受けて、鮮やかに描かれているものなど、とても見応えがある面白い作品などもありました。
今まで気づかなかった土地の魅力を発見したり、今では失われてしまった風景に想いを馳せてみたり、地域性に重点を置いた内容で美術作品を生む土壌を改めて見つめ直す楽しみ方ができます。
ぜひ浦和の地の奥行きと豊かさが感じられる展覧会に足を運んでみてください。
取材・撮影・文:新麻記子
美術館開館22周年「芸術家たちの住むところ」
会期:前期4月23日(土曜日)~6月19日(日曜日) :セクション1、2
後期6月28日(火曜日)~8月28日(日曜日) :セクション1、3
会場:うらわ美術館
時間:10:00〜17:00 (最終入場時間 16:30)
金・土は20:00まで(最終入館時間 19:30)
休館日:月曜日
6月20日~6月27日、7月19日
※ただし7月18日は開館
ホームページ:https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/exhibition/whatson/exhibition/p086245.html
画像ギャラリー
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アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
アート・カルチャーの架け橋になりたい。やれることならなんでもやるフリーランス。日々の暮らしを豊かにしてくれるアート・カルチャー系記事の執筆業以外に、作詞家、仲介・紹介業、対話型鑑賞会のナビゲーター、アート・映像ディレクターとして活動中。
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