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2022.7.25

生き物みたい!現代のレオナルド・ダ・ヴィンチによる生命体『テオ・ヤンセン展』

「風を食べて動く生命体」を制作するアーティスト、テオ・ヤンセンさんの展覧会が始まりました。『テオ・ヤンセン展』は大阪南港ATC Galleryにて、9月25日まで開催中です。

アニマリス・リジデ・プロペランス(1995)

ヤンセンさんが制作するのは「ストランド・ビースト」という風を受けて歩行する砂浜の生命体です。芸術と科学が融合した作品は、人間が作ったというより、生命を持った生き物のようでした。

この記事では、展覧会の見どころを美術ライターの明菜が紹介していきます。

ストランド・ビーストとは?

アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ(2013)

オランダ語で、ストランドは砂浜、ビーストは生命体を意味します。作者亡きあとも自立して砂浜で生き延びることを目指し、まっすぐ歩行するだけでなく、方向転換や危険察知などの機能も備えています。

例えば、一定の強さを超える風を感知したら、自ら砂浜に杭を打ち込んで飛ばされないようにする機能などです。環境に適応するための能力を身につけ、ストランド・ビーストは年々進化しています。

報道内覧会で解説を行ったテオ・ヤンセンさん

「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも称されるオランダのアーティスト、テオ・ヤンセン(1948-)さんは、デルフト工科大学で物理学を専攻したのち、1975年に画家に転向。芸術と科学の両方をバックグラウンドに持つところは、ルネサンス期の万能の天才レオナルドを彷彿とさせます。

アニマリス・ムルス(2017)

ストランド・ビーストの設計は、主に物理学を基礎としたコンピュータシミュレーションに基づきます。しかし、理論と実践の間には深い溝があるもの。実際に組み立てる段階で、手動で行う調整が欠かせないそうです。

本当に生きているみたい!

理論と努力という手間暇をかけて生まれたストランド・ビーストは、いずれも生き物のように砂浜を歩行します。中には、喜んで波打ち際を駆ける大型犬のように、楽しそうに疾走する個体も。動きの様子は、動画をご覧いただくと分かりやすいと思います。

ひと昔前のロボットなどとは全く異なる動きですよね。

カクカクした動きを人間に逆輸入した「ロボットダンス」というものがありますが、人間が生き物を真似して何かを作ると、どうも不自然な動きになりがちです。ストランド・ビーストにはそうした違和感が無く、まるで生き物の動きのようです。

展示風景

その秘密はヤンセンさんが開発した関節のような仕組みなど、独自の工夫にあります。展覧会では、ストランド・ビーストの構造や仕組みが分かる展示がありましたが……意外とシンプルな仕組みから複雑な生き物が生まれることに思わず唸ってしまいました。

【まとめ】目で見て触ってストランド・ビーストを体験しよう!

【日本初公開】アニマリス・ミミクラエ(2019)

ストランド・ビーストの大阪初上陸となる本展は、作品と映像の展示のみならず、実際に動く様子を目の前で見られる「リ・アニメーション」や、来場者が触って動かせる作品の展示などを通し、ヤンセンさんの世界を深く理解できる内容となっています。

主にプラスティック・チューブを素材とした作品で、命があるわけではないのに、なぜか愛嬌があって可愛らしいんですよね。展覧会を訪れたら、ストランド・ビーストの可愛さにメロメロになってしまうのではないでしょうか?

展覧会情報

展示風景

テオ・ヤンセン展
会場:大阪南港ATC Gallery
会期:2022年7月9日(土)~9月25日(日)
休館日:会期中無休
開館時間:10:00~18:00(最終入場17:30)
https://www.mbs.jp/theojansen-osaka/

明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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