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EVENT

2022.7.27

【ぐるっとパス】無料で見られるオススメ展覧会5選(2022年7〜9月編)

4月に販売された2022年度版ぐるっとパス。切り替えのタイミングは「見たい展覧会があるかどうか」。3ヶ月過ぎて、次をどうしようかなと思っている方へ7月以降に無料で入場できる展覧会を5つ選んでみました。きゅきゅっと見どころをあげましたので、参考になれば幸いです。

ぐるっとパスの使い方は、こちらから。
https://irohani.art/event/7379/

鮮やかな草花の作品で知られる日本を代表する現代写真家・蜷川実花の写真展

▼3つのみどころ

・2021年以降に撮影された新作の春から冬にかけての植物の作品
・「極彩色」から昇華した眩しいほどの「光彩色」
・鮮やかな蜷川作品と邸宅美術館のアール・デコ建築空間との競演

2021年まで全国を巡回していた「蜷川実花展ー虚構と現実の間にー」も記憶に新しいですが、バリエーションにとんだ蜷川実花の総括的な展覧会だった前回と比べると、本展は2021年以降に撮影された新作の春夏秋冬の植物の画像と映像作品、さらには、庭園美術館の庭園で撮り下ろした作品がメイン。

「極彩色」と形容される個性的な蜷川作品ですが、本展では背景から差し込む光に満ち溢れた柔らかな色調の「光彩色」(こうさいしょく)に作風が昇華。全体的に淡い画像は抽象画にも見えてきます。

前回の展覧会と大きく違うところは、バリエーションにとんでないところ、純粋に花や植物を堪能するには良い展覧会。もうひとつの見どころは、邸宅美術館とのコラボ。色鮮やかな蜷川作品とアール・デコ様式の室内装飾がどう調和するかもご覧あれ。

『蜷川実花「瞬く光の庭」』東京都庭園美術館
開催期間:2022年6月25日(土)〜9月4日(日)
所在地:東京都港区白金台5-21-9
アクセス:
都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅「1番出口」より徒歩6分
JR線目黒駅東口、東急目黒線目黒駅「正面口」より徒歩7分
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日

特設サイト:
https://www.mikaninagawa-flickeringlight.com/

▼関連記事
アール・デコの館に花の楽園が出現!『蜷川実花「瞬く光の庭」』展レポート
https://irohani.art/event/8305/

世界で注目を集めるイギリスの現代アーティスト、ライアン・ガンダーの大規模個展

▼3つのみどころ

・ガンダーが仕掛ける会場全体を使ったインスタレーション
・ガンダーの頭の中を垣間みることができるかも
・去年に続き、オペラシティの収蔵品展

本来は去年に開催予定でしたが、パンデミックのために1年延期されたリベンジ展。ガンダーの展覧会は延期しましたが、「ガンダーが選ぶ収蔵品展」として同期間に開催。モノクロの絵を集めたり、暗闇の会場を懐中電灯片手に巡ったり、アトラクションのような展示は評判を集めました。本開催でも下階ではガンダーの回顧展を、上階では去年に続き「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」と2つの展覧会が楽しめます。

オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像など多岐にわたるガンダーの作品ですが、本展では、ガンダーの新旧さまざまな作品を組み合わせながら、大きな展示室をひとつの作品として創り上げます。

まじめで、少しばかりのユーモアというキーワードで「そもそも」を考えるガンダーワールド、今回のテーマである「われらの時代のサイン」が見えてくるはず。個人的には、この夏話題のリヒター展と比べるとガンダー展の方がユーモアが感じられ、現代アート初心者でも楽しめそうな展覧会かと。

『ライアン・ガンダー われらの時代のサイン』東京オペラシティ アートギャラリー
開催期間:2022年7月16日(土)〜9月19日(月・祝)
所在地:東京都新宿区西新宿 3-20-2
アクセス:京王新線(都営地下鉄新宿線乗り入れ)初台駅「東口」より徒歩5分
開館時間:11:00~19:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月7日(日)全館休館日

特設サイト:
https://www.operacity.jp/ag/exh252/

もうひとりのムーミンの原作者ラルス・ヤンソンにフォーカスしたキャラクター展

▼3つのみどころ

・ムーミンのもう一人の原作者、ラルス・ヤンソンの紹介
・「ムーミン小説本」、「ムーミン コミックス」の直筆ドローイング
・展覧会オリジナルのムーミングッズも充実

1945年に小説本として始まったトーベ・ヤンソンのムーミン。1954年、小説本が5作まで出版されたところで、イギリスの「イブニング・ニューズ」紙で連載が始まった「ムーミン コミックス」。連載開始からトーベの弟ラルスは、トーべとともにマンガの制作や英訳に加わりましたが、1960年以降はラルスが連載を引き継ぎ、20年以上にわたって一人で連載を続けました。

2020〜21年、全国11箇所を巡回していた最終巡回の本展では、トーベ・ヤンソンの「ムーミン小説本」、「ムーミンコミックス」の直筆ドローイングや、小説本にはないストーリー、コミックス独自のキャラクター、キャラクターの設定画や習作、原画など、日本初公開となる貴重な約280点が展示され、いままで知らなかったムーミンを見つけられるかもしれません。

また、キャラクター展のもうひとつの楽しみの展覧会限定アイテムも充実しています。散財にはくれぐれも御用心。

『ムーミンコミックス展』東京富士美術館
開催期間:2022年6月18日(土)〜8月28日(日)
所在地:東京都八王子市谷野町492-1
アクセス:
JR八王子駅 北口
《始発から12:29発までは》
西東京バス14番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車

《12:31発以降は》
(ひよどり山トンネル経由)西東京バス12番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車

(八日町経由)西東京バス11番のりばより
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車

京王八王子駅
西東京バス4番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車
 
開館時間:10:00~17:00 ※受付は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館

特設サイト:
https://moomin-comics.jp/

しなやかな女性像で上流階級から人気を博したキース・ヴァン・ドンゲン、日本では44年振りの回顧展

▼3つのみどころ

・ドンゲンのほっそりとした巧みな女性画の描写
・野獣と称されるその色彩表現
・上流階級にもてはやされた装飾的な表現

オランダに生まれたキース・ヴァン・ドンゲン。ロッテルダムの美術アカデミーで学んだのち、22歳の頃にパリに移り、風刺新聞や雑誌などの挿絵の仕事を行う。その後、モンマルトルでアトリエを構え、エコール・ド・パリの一員となりピカソらと交流を深めます。

大きな黒目がちな眼のコケティッシュな女性を、コントラストが効いた色彩で表現。後半生は、売れっ子の肖像画家として社交界で有名になり、華奢で細長くデフォルメされたしなやかなだった女性像は、より写実的、より装飾的に画風が変化し、当時の上流階級の人々から絶大な人気を博しました。

本展はロートレックの影響を受けた初期から、マティス風のコントラストの強いフォーヴィスム時代、そして仏語で「狂乱の時代」と言われる「レザネフォル」、戦間期の20年代に突入していき、社交界のパトロンを意識した晩年へ。時代と共に変化するドンゲンの画業をコンパクトに俯瞰できる展覧会です。

『キース・ヴァン・ドンゲン展 ―フォーヴィスムからレザネフォル』
パナソニック汐留美術館
開催期間:2022年7月9日(土)〜9月25日(日)
所在地:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
アクセス:
JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分
東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分
都営浅草線新橋駅「JR新橋駅・汐留方面改札」より徒歩約6分
ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
※8月5日(金)、9月2日(金)は夜間開館20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水曜日、8月12日〜17日

特設サイト:
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/22/220709/

図案家としての津田青楓にスポットあてた展覧会

▼3つのみどころ

・職人から美術家へと昇華された「図案」とは
・上野リチを和風にしたような青楓の図案デザイン
・書籍の装幀も手掛けた夏目漱石との親睦

日本画、洋画そして、図案、装幀など幅広い分野で活躍した津田青楓。活け花の流派の家元の息子として京都に生まれます。関西美術院では、浅井忠らに師事しつつ、京都髙島屋の図案部に。図案集「うづら衣」を刊行後、パリに留学、アール・ヌーヴォーの影響を受け帰国。プロレタリア運動に関わり、あの「犠牲者」を描きあげることに。

当時、工芸品の下絵として捉えられがちだった「図案」。職人の仕事とされていた図案制作に画家も携わるようになり、芸術化の試みが始まりました。

本展では、図案家としての津田青楓にスポットを当てます。二部屋に分かれた展示スペースの前半では津田青楓の図案に関する展示、後半は津田青楓の他、彼に関わる人物の関連展示も。特に親睦を深めた夏目漱石とのコーナーは必見。最近、開催された上野リチ展でもテキスタイルがカワイイという評判でしたが、今回はその和風版ともいえる内容かもしれません。上野リチ展に刺さったヒトにオススメ。

『津田青楓 図案と、時代と、』渋谷区立松濤美術館
開催期間:2022年6月18日(土)〜8月14日(日)
所在地:東京都渋谷区松濤2-14-14
アクセス:
京王井の頭線神泉駅より徒歩5分
JR・東急電鉄・東京メトロ渋谷駅より徒歩15分
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(国民の祝日又は休日に当たる場合は開館)、
国民の祝日又は休日の翌日(土・日曜日に当たる場合は開館)

特設サイト:
https://shoto-museum.jp/exhibitions/196tsuda/

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つくだゆき

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東京美術館巡りというSNSアカウントの中の人をやっております。サラリーマンのかたわら、お休みの日には、美術館巡りにいそしんでおります。もともとミーハーなので、国内外の古典的なオールドマスターが好きでしたが、去年あたりから現代アートもたしなむようになり、今が割と雑食色が強いです。

東京美術館巡りというSNSアカウントの中の人をやっております。サラリーマンのかたわら、お休みの日には、美術館巡りにいそしんでおります。もともとミーハーなので、国内外の古典的なオールドマスターが好きでしたが、去年あたりから現代アートもたしなむようになり、今が割と雑食色が強いです。

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