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EVENT

2022.10.5

日本初の大規模巡回展!フィンランドが誇るライフスタイルブランド「イッタラ」のすべて

フィンランドのライフスタイルブランド、「イッタラ」。1881年にフィンランド南部のイッタラ村に設立されたガラス工場からスタートしたブランドは、アルヴァ・アアルトやカイ・フランクといった建築家やデザイナーとともに歩み続け、創立140年を迎えました。

『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』展示室入口。このコーナーを含めて、撮影スポットが2カ所あります。

世界中で人気のイッタラは、日本国内でも直営ショップやネットショップを展開。多くの人々に愛されていて、日々の暮らしに根差す北欧ブランドの代表的存在と呼んでも過言ではありません。そのイッタラの魅力を探る展覧会が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催中です。

ガラスから陶磁器、インテリア・プロダクトまで。イッタラの140年の歴史を学ぼう

「イッタラ140年の歴史」展示風景

まず紹介されるのはイッタラの140年にわたる歴史です。家庭用グラスやボトル、またクリスタルガラスを装飾的にカットしたプロダクトを制作していたイッタラは、伝統と職人技を継承しつつ、絶えず新たな技術や表現を求めて歩みを進めます。そして工場や企業の合併や統合により、ガラスだけでなく、陶磁器やインテリア・プロダクトの製造を行うようになりました。

「イッタラ140年の歴史」展示風景

イッタラの有名な「i」マークは、1956年に発表された実用ガラスシリーズの『i - ライン』のためのデザインとして生み出されたもの。その後、ブランド全体のシンボルとなりました。「i」の文字はガラス職人の道具である吹き竿と先端で熱せられたガラスの球を表しています。マークは目にする機会が多くとも、その意味までは意外と知られていないかもしれません。

アフルレッド・ハベリ『エッセンス(本質)』(2001年)などが並ぶ展示ケース。同グラスシリーズでは、2021年にガラス製と磁器製の新たなアイテムが発売されました。

現在、イッタラでは北欧の価値観とモダンな美意識に基づき、永続的なデザインやサステナビリティ、デザインそのもの美しさや機能性などを重視してコレクションを開発しています。2019年には100%リサイクルガラスを利用した製品も作られました。

イッタラを支えたデザイナーたち。それぞれの個性とは?

「イッタラとデザイナー」展示風景

こうしたイッタラの長い歴史を支えたのがデザイナーたちです。展示ではアルヴァ・アアルトやカイ・フランク、それにティモ・サルパネヴァといった8名のデザイナーに注目し、作品と業績を紹介しています。

フィンランドで最も有名な建築家のひとりであるアルヴァ・アアルトは、ガラスオブジェクトのデザイナーとしても活躍。イッタラを代表する『アアルト・ベース』のように有機的な生命を感じさせる作品で知られています。

ティモ・サルパネヴァ『i - ライン』 タンブラー/皿/ボウル/花器 1956年

シンボルロゴ「i」をデザインしたティモ・サルパネヴァは、『フィンランディア』など芸術性と実利性を融合したデザインを特徴としていて、木材や金属といったガラス以外の素材の作品でも評価されました。

シンボルロゴ「i」をデザインしたティモ・サルパネヴァは、『フィンランディア』など芸術性と実利性を融合したデザインを特徴としていて、木材や金属といったガラス以外の素材の作品でも評価されました。

2019年に亡くなったオイバ・トイッカは、遊び心に満ちた『バード・バイ・トイッカ』が代表作。それぞれに違った種類の鳥の特徴を見事に表現しています。このように一口にイッタラと言っても、各デザイナーには異なった個性が見られるのです。

ガラスの製造工程の映像展示も!伝統を受け継いだ職人たちの技

「イッタラの哲学」より「ミメーシス 自然の模倣」展示風景。オイバ・トイッカの『バンブー(竹)』(1966年/2021年)などが並んでいます。

「イッタラの芸術の本質とは?」そうした問いに答えるのが「イッタラを読み解く13の視点」と題した展示です。ここでは「素材としてのガラス」、「職人の技」、「ミメーシス 自然の模倣」など、計13の視点からイッタラの芸術を紐解いています。

「イッタラを読み解く13の視点」より「型でつくる」展示風景。手前に見えるのが『グラファイト型』(1968年)

そのうち特に注目したいのが「職人の技」や「型でつくる」といった、ガラスの製造工程に関するコーナーです。

「イッタラを読み解く13の視点」より「職人の技」展示風景。『ガラスの加工道具』(2021年)などが展示されています。

ガラス製造には吹きガラスとプレスガラスと呼ばれる2つの技法がありますが、現在も使われる木製のガラス道具や1960年代以降に多用されるようになったグラファイト(黒鉛)の型などが展示されているのです。どれも黒ずんでいて使われた痕跡が見られます。

映像資料「バードのつくり方」

さらに映像資料として「アアルト・ベースのつくり方」や「バードのつくり方」も公開されていて、吹いて、型をとり、蒸気を操りながら製品を生み出す職人たちの技を目の当たりにできます。短い映像ながらも作り手の魂が伝わるかのようでした。

特設ショップも充実!時代を超えて輝き続けるイッタラの世界

「イッタラと日本」より「イッタラ × ミナ ペルホネン」展示風景

このほかにも3度の来日を果たしたデザイナーのカイ・フランクの活動をはじめ、イッセイ ミヤケやミナ ペルホネンとの仕事などの展示も見どころ。イッタラと日本の意外に深い関係を知ることができます。

最後におすすめしたいのが展示室内の特設ショップです。展覧会限定のアアルト ベース「クリア1937」といったイッタラの製品とともに、イッタラのデザインを取り入れたTシャツやトートバック、またオイバ・トイッカによる愛らしいバードをデザインしたピンズやマグネットなどのオリジナルグッズが充実しています。散財必至です。

「イッタラを読み解く13の視点」より「カラー」展示風景。

展示作品は実に450点以上。そのほとんどがフィンランド・デザイン・ミュージアムとイッタラのコレクションです。日本初の大規模巡回展にて、時代を超えて輝き続けるイッタラの魅惑的な世界をぜひ味わってみてください。


※巡回情報
島根県立石見美術館 2023年4月22日(土)~ 6月19日(月)
長崎県美術館(予定) 2023年7月1日(土)~ 9月3日(日)
美術館「えき」KYOTO(予定)2024年2月17日(土)~ 3月31日(日)


展覧会情報

『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』  Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2022年9月17日(土)~11月10日(木)
所在地:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス:JR線渋谷駅ハチ公口より徒歩7分。東京メトロ銀座線、京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分。東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線渋谷駅A2出口より徒歩5分。
開館時間:10:00~18:00
 ※毎週金・土曜日は21:00まで
 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:9月27日(火)
料金:一般1700円、高校・大学生100円、小・中学生700円
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_iittala/
https://iittala.exhibit.jp

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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