銀座のギャラリーを巡ってスタンプをあつめよう！スタンプラリー＜銀クリ＞をご紹介

＜銀クリ＞とは？

＜銀クリ＞とは、銀座にある資生堂ギャラリー、ギンザ・グラフィック・ギャラリー（ggg）、クリエイションギャラリーG8、ガーディアン･ガーデンの4館のギャラリーが共同で「銀座のクリエイションを楽しんでほしい」という主旨で2012年より開催しているスタンプラリー企画です。

期間中は展覧会替えがあり、4館で合計9つの展覧会が開催されます。専用のラリーカードに1展覧会につき1つのスタンプをもらえます。集めたスタンプの個数により、オリジナル缶バッジ、オリジナルグッズがもらえます。

毎年人気のこの企画、今年で最後の開催とのこと！　最後の＜銀クリ＞を堪能すべく、初日からスタンプラリーをしてきましたのでレポートします。

スタンプラリーに出かけよう

筆者は新橋駅から下の画像のようにまわりました。専用のラリーカードはどのギャラリーでももらえるのでどこから行ってもOKです。

ラリーカードをスキャンしたもの

クリエイションギャラリーG8

クリエイションギャラリーG8は取材日10月1日は休館中でした。11月1日より「日本のアートディレクション展2022」がはじまります。

ガーディアン・ガーデン

ガーディアン・ガーデンでは「1_WALL」展グランプリ受賞者の個展が開催中です。

「1_WALL」とはガーディアン・ガーデン主催による若い才能の発掘を目的とした公募展。写真とグラフィックの2部門があり、グランプリ受賞者には個展開催の権利が与えられます。

「1_WALL」の応募資格は個人制作です。でも本展は二人展のよう？

なんと、佐川梢恵が「架空の人物 森野真琴と自分とで二人展をすることは可能か」という実験的な発想からはじまった作品とのこと。

作品を通して架空の人物である森野真琴とコミュニケーションを試みる作品「REM」にてグランプリを獲得。架空の人物と展示をするまでの設定の作り込みや仕組みを利用した企てが審査員に評価されたそう。

在籍中の佐川梢恵さん

本展ではその取り組みを発展させ、“繰り返しが終わる最後の日の朝”をイメージし、会場全体を部屋に見立て、イラストレーション、立体作品、パフォーマンスを組み合わせたインスタレーションを展開。佐川梢恵が森野真琴とのコミュニケーションを試みる展示となっています。

興味深い試みと、キラキラした漫画の目と肉肉しい質感の身体のイラストレーションは強く印象に残ります。若きアーティストのフレッシュなアート表現をぜひ体感してみてください。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー（ggg）

ギンザ・グラフィック・ギャラリー（ggg）では、アートディレクターでありグラフィックデザイナーの細谷巖（ほそや がん）の展示が開催中。

2022年現在、ライトパブリシティ取締役会長、東京アートディレクターズクラブの会長を務める細谷巖。69年間もの長い年月、第一線で日本の広告デザイン界をけん引してきました。名前を知らないという方も、ポカリスエットやカロリーメイトのパッケージデザインをした人と知ったら、身近に感じるのではないでしょうか。

本展では、細谷巖による膨大な作品の中から代表的な広告作品を厳選し展示。1955年の日宣美展（日本宣伝美術会）のデビュー作『Oscar Peterson Quartet』をはじめ、1960年の世界デザイン会議で国内外の建築家やデザイナーから大きな注目を集めた会場配布資料『び』も展示されています。

写真とタイポグラフィによるモダンな作品を作り続けてきた細谷巖氏の広告デザインは現在の若いデザイナーにも影響を与え続けています。かっこいいものは時代を超えてかっこいい、と実感できる展示です。

地下にも展示会場があるのでお見逃しなく。日本の伝統的な建築や風物にみられる様々な「かたち」を集めた書籍『日本のかたち』 (美術出版社 1963年)のページが一面に飾られた壁は圧巻です。研ぎ澄まされた日本のかたちを、研ぎ澄まされた構成で魅せた美しい作品です。

資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリーでは第八次椿会の展示が開催中。
椿会とは、70年以上にわたり、時代とともにメンバーを入れ替えながら継続して開催されている資生堂ギャラリーを代表するグループ展です。

2021年にスタートした第八次椿会のメンバーは、杉戸洋、中村竜治、Nerhol (ネルホル)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目［mé］の6組。2023年までの3年間をかけて、“afterコロナ”の「あたらしい世界」について考える展示が開催されます。

2年目の本展のテーマは「探求/QUEST」。メンバー同士のコラボレーションや異分野の専門家との交流をもとに、初年の展示で生まれた問いや気づきを「探求」する展示となっています。2022年は月1回のペースでミーティングを行い、お互いのアイデアを共有してきたそう。そこで新たに浮かび上がったキーワードは「内と外」「豊かな生活」。

入口から張られたロープは最初、展示室でよく見かける作品の囲いかと思いましたが、杉戸洋と中村竜治による共同作品でした。

ロープは薄暗い会場にも張られ、またいで作品を鑑賞します。

奥の小展示室には、テーブルと椅子や細々とした小物が展示されています。こちらはアーティストたちの「作品以前/作品未満」なもの。アーティストたちが普段インスピレーションを得ているものや作品、生活を豊かにするものとしてアトリエで保管しているものです。

作品と日用品が入りまじり、アーティストの作品同士も入りまじっているような不思議な空間でした。

筆者おすすめは、宮永愛子による《スーツケース　「海の資」》という作品。スタッフの方に声をかけ、開けてみてくださいね。

3つスタンプが集まりました！

3館のギャラリーを巡り、3つのスタンプが集まったので、オリジナル缶バッジを1つもらえました。

4種のデザインから選べます。なくなり次第終了なので、狙っているデザインがある人は早めに行くのが良いでしょう。

プレスリリースより引用
garden inc. AD.新村則人 Norito Shinmura D.溝口功将 Kosuke Mizoguchi

また、うっかり展覧会を見逃してしまった人にはWスタンプデーというチャンスも。

Wスタンプデー　11月26日（土）・12月17日（土）

この日に限り、見逃した過去の展覧会の欄にスタンプを1つ追加で押してもらえます。（4館すべての展覧会のうち1つのみ）

ギャラリー巡りは、今まで知らなかったアーティストを知ることができ、また心にビビッとくるような思わぬ作品に出会えるのも魅力の一つです。ちょっと敷居が高いというイメージを持っている方もこのスタンプラリーを機に、お散歩がてらギャラリー巡りをしてみてはいかがでしょうか。

資生堂ギャラリー以外の3つのギャラリーは日曜日、祝日が休館、資生堂ギャラリーは月曜日休館なのでご注意を。

展覧会情報

＜銀クリ＞期間内（10/1～12/24）の各ギャラリーにて開催される展覧会