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2023.5.8
【2組4名様にチケットプレゼント】「幕末土佐の天才絵師 絵金」が大阪・あべのハルカス美術館で開幕!
大阪・あべのハルカス美術館にて、「幕末土佐の天才絵師 絵金」展が開催中。会期は2023年4月22日(土)~6月18日(日)です。
幕末から明治初期にかけて活躍した土佐の絵師・金蔵は、地元高知では「絵金さん」の愛称で親しまれてきました。しかし、現存する芝居絵屏風のほとんどは高知県内各所に分蔵されており、絵金の作品をまとめて鑑賞できる機会はめったにありません。
伊達競阿国戯場 累 二曲一隻屏風 ・ 紙本彩色 香南市赤岡町本町二区 ※後期展示(5/23~6/18)
本展では、代表作をはじめとする約100点の作品が展示され、知られざる絵金の活動を深く学べる貴重な機会となりそうです。
絵金とは?
絵金は文化9年(1812)、高知城下・新市町(現・はりまや町)にて、髪結いの子として誕生したと伝えられています。芝居絵屏風や絵馬提灯、五月の節句の幟(のぼり)などを手がけた彼は、「絵師の金蔵さん」を略した「絵金さん」と呼ばれていました。
夏祭りの数日間、絵金が描いた屏風を飾る風習は変わっておらず、今でも目にすることができるそうです。真夏の夜の闇のなか、高知各所の神社の境内や商店街の軒下で、提灯や蝋燭の灯りに照らされて、おどろおどろしい芝居の場面が浮かび上がる……。非日常の光景を想像するだけでゾクッとします。
彼と弟子筋による作品は多数残されているものの、確かな史料が残っていないことから、中年以降の絵金がいつ頃どこで仕事をしていたのかはわかりません。謎の天才絵師と呼ばれる由縁となっています。
見どころ①芝居絵屏風を中心とした多様な作品
花衣いろは縁起 鷲 二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町二区 ※後期展示(5/23~6/18)
2013年に絵金蔵運営委員会が発行した報告書によると、約200点の芝居絵屏風類が高知県下に現存しているそうです。神社の夏祭りで使用されてきた芝居絵屏風の文化は絵金が亡くなったあとも継承され、昭和に入ってからも新たに作られました。そのため弟子筋による作品も多く、絵金と弟子や孫弟子たちの個性を読み取ることができます。
浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森 二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町一区 ※前期展示(4/22~5/21)
本展では絵金の基準作・最高傑作として名高い、香南市赤岡町の4つの地区が所蔵(絵金蔵所管)する芝居絵屏風が展示されます。本作は須留田八幡宮神祭と土佐赤岡絵金祭りのとき、実際に商店街の軒下に飾られているとのことです。
また、芝居絵屏風のほかにも、御用絵師としての仕事を思わせる狩野派の画風で描いた作品や、芝居の物語や年中行事を描いた絵巻、安政1年(1854)に土佐を襲った大震災を描いた画帖の下絵など、さまざまな作品が展示されます。
見どころ②高知の夏祭りを知る
高知の神社の夏祭りでは、絵金の芝居絵屏風が飾られます。この風習がいつ頃始まったのかは定かではないものの、江戸時代末頃から相当流行したと考えられています。
現在も約10か所の神社で絵金の屏風を絵馬台(台提灯)に飾る風景を見ることができますが、運営する氏子たちの高齢化や、屏風の状態の劣化などの理由により、年々減少しているのだとか。
ちょっぴり怖いような、でもなんだか心を惹かれてしまう……。そんな絵金の屏風が暗闇のなかでぼんやり照らされると、ぐっと雰囲気が増すように思います。鮮やかな印象が本能に刻み込まれ、忘れられない記憶になりそうです。
釜淵双級巴 第十二 絵馬提灯・紙本彩色 創造広場「アクトランド」
本展で絵金の絵のある高知の夏祭りを知り、今年の夏は実際に訪ねてみるのも良いかもしれません。
見どころ③絵金と関わりがあった絵師たち
近江源氏先陣館 盛綱陣屋 横幟・紙本彩色 原利夫(香南市赤岡町) ※後期展示(5/23~6/18)
御用絵師としても町絵師としても活躍した絵金には、それぞれの時代に多くの弟子を抱えていました。
ジョン万次郎から聞き書きした漂流記『漂巽紀畧(ひょうそんきりゃく)』を土佐藩主に献上した河田小龍(かわだしょうりょう)など、絵金と関わりのあった絵師の作品も紹介されます。
音声ガイドのナビゲーターは中村七之助さん!
音声ガイドのナビゲーターを務めるのは、歌舞伎俳優、中村七之助さんです。
臨場感のあるナビゲートを聴きながら、会場で芝居絵を鑑賞すれば、絵金が活躍した時代にタイムスリップした気分で展覧会を楽しめそうです!
読者プレゼント
本展のチケットを、アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で「2組4名様」にプレゼント!
締切は2023年5月12日(金)15時まで。
たくさんのご応募をお待ちしております。
https://forms.gle/5L5dhCQ2t43YFqp77
展覧会情報
幕末土佐の天才絵師 絵金
会場:あべのハルカス美術館
会期:2023年4月22日(土)~6月18日(日)
休館日:5月8日、22日の各月曜日 ※会期中、展示替えあり(前期4/22~5/21、後期5/23~6/18)
開館時間:火~金 / 10:00~20:00、月土日祝 / 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般1,600円(1,400円 )/ 大高生1,200円( 1,000 円)/ 中小生500円(300円)(税込)
※()内は15名以上の団体料金
※障がい者手帳をお持ちの方は、美術館チケットカウンターで購入した本人と付き添いの方1名様まで当日料金の半額
展覧会公式HP:https://www.ktv.jp/event/ekin/
美術館公式HP:https://www.aham.jp/
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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