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2023.9.26
【東京・立川】「まいにち」を豊かにする。陶芸家・アーティストの鹿児島睦の個展がPLAY! MUSEUMにて開催!
福岡県にて生まれ、陶芸家・アーティストとして活動を続ける鹿児島睦(かごしままこと、1967 年〜) 。造形作家だった祖父の影響を受け、美術大学で陶芸科を専攻すると、卒業後はインテリアショップで勤務し、2002年に陶芸家として独立を果たしました。
目次
その鹿児島の初めて全国を巡回する展覧会が市立伊丹ミュージアム(兵庫)にてスタート。8月27日までの会期を終え、10月7日からはいよいよ東京・立川のPLAY! MUSEUMにて開かれます。「鹿児島睦 まいにち」展の見どころをご紹介します。
犬や猫、ユニコーンから抽象的な草花などのモチーフを描く。新作の器が約200点も公開!
まず注目したいのは、動物や植物をモチーフとした新作の器が約200点公開されることです。器は使うものであり、見るものでもあると考える鹿児島は、草花や生き物をモチーフにした絵皿を制作していて、独立した2002年以降、色々な素材や技法を試しながら現在の作風を確立しました。
器はプレートや鉢を中心に、丸や四角、オーバルなど、さまざまな形が見られ、色も黒、ピンク、黄色、緑、白などと多様です。マットな手触りの器のそれぞれの形に合わせて、線彫りや蝋抜きなどの技法を使いながら、10色ほどの顔料で生き物と草花を描いています。
それらは犬や猫といった身近な動物から、ユニコーンなどの空想上の生き物、さらに抽象的で伸びやかな草花など、使う者、見る者の想像力を広げるものばかり。会場ではさまざまな色や形の器が、「あさごはん」、「ひるごはん」、「ばんごはん」のための大きなテーブルや壁面に並びますが、お気に入りのモチーフを探して見るのも楽しいのではないでしょうか。
さまざまな領域でのコラボレーション。ミッフィー・アートパレードへの参加作品も登場。
Keramikstudion× 鹿児島睦 フラワー ベース「En Liten Vän」 2018年
国内外のファッション、インテリア、フードなど、さまざまな領域でのコラボレーションを行う鹿児島は、プロダクツや作品も数多く生み出しています。
会場では新作のグッズをはじめ、刺繍作家の小林モー子が制作したコラボレーション作品を含む約100点のプロダクツや作品を紹介。スウェーデンの製陶工場グスタフスベリ社との花器のシリーズである「En Liten Vän」や、京都の帆布かばん店・一澤信三郎帆布とのオリジナルの図案を用いた帆布なども見ることができます。
誕生60周年記念「ミッフィー展」ミッフィー・アートパレード「ワンピースを着たミッ フィー」 2015年 © Mercis bv
またミッフィー誕生60周年を記念し、高さ2メートルほどある真っ白なミッフィーをキャンバスに、国内外の60組のクリエイターがペイントなどを施したプロジェクト「ミッフィ・アートパレード」にも参加。鹿児島は敬愛するミッフィーの作者、ディック・ブルーナの技法を引用し、大きなワンピースの柄を点を打ちながら描きました。
こうした一連のプロダクツなどは、「さんぽ」、「おやすみなさい」などのシチュエーションで紹介されます。作品を通して、日々の暮らしや生きることに思いをはせるのも良いかもしれません。
新作『蛇の棲む水たまり』の物語の世界を言葉と器にて体感しよう!
絵本『蛇の棲む水たまり』の物語の世界を体感的に楽しめるのも魅力のひとつです。作家の梨木香歩が、鹿児島の器を見て物語を書き下ろした『蛇の棲む水たまり』では、蛇、馬、猫、トリケラトプスといった鹿児島が作る器に息づく生命が動き出し、ひとつの物語に向かいます。
そして物語を受け取った鹿児島は、何度も読んで反芻し、ラストシーンに新しい一枚を制作しました。会場では物語の中に分け入るように言葉と器を展示し、新しい鑑賞体験を提案します。空間演出でも定評のあるPLAY! MUSEUMだけに、きっと没入感の高い展示空間が築かれるに違いありません。
制作映像からアトリエに飾られたアイテム、そして壁画まで。オリジナルグッズも見逃せない!
ラストには鹿児島が日々制作を続ける映像や、アトリエに飾られたアイテムなどから、制作の背景にあるものが紹介されます。また鹿児島は大阪の子ども園・和光園の壁画など、アクリル絵の具やペンを用いた壁画制作も行っていますが、本展でもPLAY! MUSEUMのエントランスエリアに壁画が描かれます。
SHOPでは、アパレル、ステーショナリー、雑貨などのオリジナルグッズも展開。絵柄の多くは本展のための描き下ろしである上、和紙照明のランプなど、PLAY! から販売となるアイテムも用意されます。
100年以上前、イギリスの芸術家・思想家のウィリアム・モリスは、「役に立たないもの、美しいと思わないものを、家に置いてはならない」との言葉を残しました。
そして時代と場所を超え、鹿児島もいま、人々の暮らしをよりよいものにするべく日々励んでいます。「まいにち」を豊かにしようとする鹿児島の創作世界をPLAY! MUSEUMにて体感してみてください。
展覧会情報
「鹿児島睦 まいにち」展 PLAY! MUSEUM
開催期間:2023年10月7日 (土)〜2024年1月8日 (月・祝)
所在地:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 棟 2F
アクセス:JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅北口より徒歩約10分
開館時間:10:00~17:00
※土日祝は18時まで/最終入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休(年末年始を除く)
観覧料:一般1800円、大学生1200円、高校生1000円、中・小学生600円、未就学児無料。
公式サイト:「鹿児島睦 まいにち」展 PLAY! MUSEUM
※巡回情報
佐野美術館(静岡・三島) :2024年2月24日(土)〜4月14日(日)
福岡県立美術館(福岡) :2024年4月24日(水)〜6月23日(日)
画像ギャラリー
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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