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2023.11.1
【11月のおすすめ展覧会5選】大巻伸嗣の個展から、新たにオープンする皇居三の丸尚蔵館や麻布台ヒルズギャラリーの展示まで
芸術の秋も深まり、各地にて数多くの展覧会が開かれています。11月は現代美術家の大巻伸嗣の個展から、ともに新たに都内にてオープンする皇居三の丸尚蔵館や麻布台ヒルズギャラリーの展示を中心に、おすすめ展覧会を5つご紹介します。
目次
巨大なインスタレーションからドローイングまで。現代美術家、大巻伸嗣の個展が国立新美術館にて開催。
1971年に岐阜県にて生まれ、「存在」とは何かをテーマに、さまざまなインスタレーションを手がけてきた現代美術家の大巻伸嗣。過去に布や水晶、また絵具や角材などの素材を駆使して作品を制作してきた大巻は、今年の4月から10月にかけて青森県の弘前れんが倉庫美術館にて個展を開きました。
そこでは一枚の薄い布が大きく波打つように有機的に動く〈Liminal Air Space-Time〉のシリーズをはじめとするインスタレーションなどの作品が公開され、多くの人々の注目を集めました。
東京・六本木の国立新美術館では、大巻の新たな個展、『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』が11月1日よりスタートします。本展では2011年の東日本大震災と福島の原発事故をきっかけに、2016年に初めて発表された〈Gravity and Grace〉シリーズの最新バージョンなど3つのインスタレーションを展示。
あわせて圧倒的な空間を創出するために無数に描き残してきたドローイングも公開されます。大巻が国立新美術館の巨大なホワイトキューブをどのように活かすのかにも期待が高まります。
【展覧会情報】
『大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ』 国立新美術館 企画展示室2E
開催期間:2023年11月1日(水)〜12月25日(月)
所在地:東京都港区六本木7丁目22-2
アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口(美術館直結)、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分。
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
観覧料:無料
公式サイト:大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ
北宋の書画芸術の真髄に迫るかつてない展覧会が実現!根津美術館の特別展 『北宋書画精華』。
中国書画史におけるひとつの頂点であり、その時代の作品は後世に「古典」とされた宋時代(960〜1279年)。日本では南宋時代(1127〜1279年)の作品が中世以来の唐物愛好の中で賞翫されたことは知られていますが、その前の北宋時代(960〜1127年)の文物も同時代にあたる平安時代に将来されていました。
また近代の実業家が、清朝崩壊に伴って流出した作品をアジアにとどめるべく蒐集に努めたため、より多くの重要作がいまに伝わっています。
そのひとつである北宋を代表する画家、李公麟(1049?~1106年)の幻の真作『五馬図巻』(現・東京国立博物館蔵)が2018年、約80年ぶりに姿を現したことを好機に開かれるのが、根津美術館の特別展 『北宋書画精華』です。
展示では関西の実業家が蒐集した山水画の傑作である(伝)董源の『寒林重汀図』など、日本に伝存する北宋時代の書画の優品を一堂に公開。アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館から、李公麟の白描画の基準作といえる『孝経図巻』も特別に出品され、2点の李公麟が奇跡の邂逅を果たします。
【展覧会情報】
特別展 『北宋書画精華』 根津美術館
開催期間:2023年11月3日(金・祝)~12月3日(日)
所在地:東京都港区南青山6-5-1
アクセス: 東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅下車A5出口(階段)より徒歩8分。開館時間:10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日。
入館料:一般1800円、学生1500円
※オンライン日時指定予約
公式サイト:北宋書画精華
皇居三の丸尚蔵館がオープン!『開館記念展「皇室のみやび-受け継ぐ美-」』で愛でる皇室に受け継がれてきた至宝。
1989年に上皇陛下と香淳皇后により、皇室に代々受け継がれた美術品が国に寄贈されことを機に、その保存と研究、公開を目的として、1993年11月に皇居東御苑内に開館した三の丸尚蔵館。
2019年からは収蔵庫と展示室を拡充するべく、新たな施設の建設が進められると、今年10月には管理・運営が宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ移管され、11月にはいよいよ皇居三の丸尚蔵館の名称で開館します。
この皇居三の丸尚蔵館の開館を記念して開催されるのが、『皇室のみやび-受け継ぐ美-』です。約8ヶ月にわたって開かれる同展では、代表的な収蔵品を4期に分けて公開。
まず第1期では、国宝・小野道風《屏風土代》や国宝《蒙古襲来絵詞 》、さらに伊藤若冲の国宝《動植綵絵 南天雄鶏図》 など、近年指定された当館収蔵の国宝8件のなかから4件の作品が展示されます。いずれも皇室に受け継がれてきた貴重な品々を新たな空間で鑑賞できる絶好の機会となります。
【展覧会情報】
『開館記念展「皇室のみやび-受け継ぐ美-」第1期「三の丸尚蔵館の国宝」』 皇居三の丸尚蔵館
開催期間:2023年11月3日(金・祝)~12月24日(日)
所在地:東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内
アクセス:地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から徒歩約5分。JR東京駅(丸の内北口)から徒歩約15分。
開館時間:9:30~17:00
※入館は16:30まで
※11月7日(火)は16時に閉館
休館日:月曜日(ただし月曜が祝日または休日の場合は開館し、翌平日休館)
入館料:一般1000円、大学生500円
※オンラインによる事前予約制
公式サイト:開館記念展「皇室のみやび-受け継ぐ美-」第1期「三の丸尚蔵館の国宝」
『もじ イメージ Graphic 展』でたどる文字とデザインの関係とは?【21_21 DESIGN SIGHT】
デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信し、提案を行う場として活動を続けてきた21_21 DESIGN SIGHT。2007年3月に始動して以来、「日常」をテーマとした展覧会をはじめとする様々なプログラムを開催し、日本のデザイン文化の拠点として人気を集めてきました。
開館10周年の2017年には、新たなスペースとなるギャラリー3が誕生し、佐藤卓が館長に就任するなど、よりオープンな状況で、デザインと社会の関わりについて探っています。
11月23日から開催される『もじ イメージ Graphic 展』では、近代のグラフィックデザインの歴史を探りながら、特にパソコン上で出版物や印刷物のデータ制作の多くの過程を行うことが主流となった1990年代以降のデザインを、文字とデザインの関係から紐解きます。展示では国内外約50組のデザイナー、アーティストのクリエイションの数々が、「造形性」、「身体性」、「メディア」といった13のテーマに分けて紹介されます。 21_21 DESIGN SIGHTにてグラフィックデザインの楽しさや豊かさを発見しましょう。
【展覧会情報】
『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
開催期間:2023年11月23日(木・祝) 〜2024年3月10日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
アクセス:都営大江戸線六本木駅、東京メトロ日比谷線六本木駅、東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
開館時間:10:00~19:00
※入館は18:30まで
休館日:火曜日(12月26日は開館)、年末年始(12月27日〜1月3日)
観覧料:一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
公式サイト:もじ イメージ Graphic 展
【麻布台ヒルズギャラリー】日本初展示作品など15点を公開。オラファー・エリアソン展の個展が見逃せない!
11月24日、東京都港区に開業する麻布台ヒルズ。「街全体がミュージアム」をテーマに、文化発信の中核となる場所として、美術館仕様の施設・設備を備えた麻布台ヒルズギャラリーも同日オープンし、今後、アート、ファッション、エンターテインメントなどのさまざまなジャンルの文化が 発信されます。
その麻布台ヒルズギャラリーの開館を記念して行われるのが、アイスランド系デンマーク人で、ジャンルを横断する作品だけでなく、環境問題などの社会的課題への積極的な取り組みでも注目されている世界的アーティスト、オラファー・エリアソン(1967年生まれ)の個展です。
本展では光と水を用いた大型インスタレーション《瞬間の家》をはじめ、森JPタワーに設置されたパブリックアート《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》と同じモジュールとリサイクル素材材を使用した《呼吸吸のための空気》、それに複雑に屈折する光を内包する幾何学立体の《蛍の生物圏(マグマの流星)》など、日本初展示作品15点を公開。
さらに太陽光や風といった動力で描いた新作ドローイングなども展示され、自然現象から幾何学、物理や動作パターン、色彩学に関する研究に裏付けられた、知覚に訴えかける作品群が紹介されます。
【展覧会情報】
『オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』 麻布台ヒルズギャラリー
開催期間:2023年11月24日(金)~2024年3月31日(日)
所在地:東京都港区虎ノ門 5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A MB 階
開館時間:10:00〜19:00(月水木日)、10:00~17:00(火)、10:00〜20:00(金土祝日・休日の前日)
休館日:2024年1月1日
観覧料:一般1800円、高大専門学生1200円、4歳〜中学生900円。
公式サイト:オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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