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2023.12.29
21年連続日本一を達成!島根・足立美術館の名園を知っていますか?
足立美術館の日本庭園が、21年連続で日本一を達成!という、明るいニュースが入ってきました。
ランキングを作成したのは、アメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン(ジャーナル・オブ・ジャパニー ズ・ガーデニング)』(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)です。
皆さんは、島根県にある足立美術館をご存知でしょうか?「名園と名画の調和」の基本方針を掲げる同館では、日本庭園と横山大観をはじめとする日本画を通して、日本の美に触れる体験ができます。
ひと昔前に「一生のうち一度は見たい○○」といったコピーが流行しましたが、同館の庭園はそれくらい必見です。一生ものの感動を得られると思いますので、この記事で四季折々の写真とともに紹介させていただきます。
足立美術館が誇る名園
同館の日本庭園は、1968年頃から同館創設者の足立全康(あだち・ぜんこう、1899-1990)氏が造園に着手したものです。理想を追い求めて自ら庭師たちを指揮して手を加え続け、約15年の歳月をかけて、借景の山々と繋がっていく庭園の基本形を完成しました。
現在の庭園は枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭などで構成され、借景の山々を含めると、総面積が約16万5000平方メートル(約5万坪)に及ぶとのことです。
借景の山々との調和や、季節によって表情の変わる美は、「生きた日本画」と言っても過言ではありません。「庭園もまた一幅の絵画である」という足立全康氏の信念は今も受け継がれているのですね。
いつ来館しても最善の状態で庭園を鑑賞できるよう、同館には庭園部があり、専属の庭師が1日も欠かさず手入れをしているそうです。さらに開館前には職員総出で庭園の清掃を行っているとのこと。
21年連続での日本一達成に際し、館長である足立隆則氏は、
「振り返るに、当館の日本庭園が1位であり続けたのは、専属の庭師さんだけでなく、職員全員が朝早くから清掃に取りかかり、一年365日、一日も休むことなく専念してきたからであり、その姿勢は今後も変わることはありません」
と述べています。
1970年の開館以来、年中無休で開館してきたという実績にも驚きますし、職員の方々が庭園に向けてきた愛情の深さ・大きさに感じ入ってしまいます。
現在は、雪景色など冬の庭園を楽しめるそうです。実際に訪れてみたり、難しければ公式YouTubeのライブカメラを見てみたりして、移ろいゆく名園の表情を鑑賞してみてはいかがでしょうか。
日本庭園ランキングについて
日本庭園ランキングを主催するアメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン(ジャーナル・オブ・ジャパニー ズ・ガーデニング)』(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)は、アメリカ在住のダグラス・ロス氏が日本庭園を世界に紹介するために、1998年に創刊した隔月刊誌です。英語圏を中心とする世界37か国で購読されています。
同ランキングを選定する「しおさいプロジェクト(Shiosai Project)」は、日本の庭を規模や知名度によらず純粋にその美と質によって評価する初の試みとして、旅館や旧別荘を含む約1000の候補地の中から、世界各国の専門家により選出された日本庭園のランキング上位50位を毎年発表しています。
2023年度は、1位に足立美術館(島根県)、2位に桂離宮(京都府)、3位に山本亭(東京都)が選出されました。
参考・引用元:しおさいプロジェクト ウェブサイト
美術館情報
足立美術館
島根県安来市古川町320
☆休館日
年中無休(新館のみ展示替えのため休館日あり。休館日の詳細は公式サイトへ)
☆開館時間
夏季(4月-9月)9:00-17:30
冬季(10月-3月)9:00-17:00
☆公式ウェブサイト
足立美術館
画像ギャラリー
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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