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2024.3.15
麻布台ヒルズにグランドオープン!さらに進化を遂げた「チームラボボーダレス」の魅力。
2018年6月に東京・お台場にオープンしたチームラボボーダレス。開館わずか1年で世界160カ国の国と地域から約230万人を動員し、2019年には単一アート・グループとして、世界で最も来館者が多い美術館として世界記録に認定されるなど、多くの人々の心をとらえてきました。
目次
そのチームラボボーダレスが、2024年2月9日、麻布台ヒルズへと移転してグランドオープン。より進化し、より多くの場所へ移動し、複雑に関係し合い、永遠と変化し続ける「境界のないアート群」が展開しています。新たに発表されたアート作品を中心に見どころを紹介します。
巨大な光の彫刻「ライトスカルプチャー - Flow」で宇宙の中に吸い込まれる?!
まず体感したいのは、巨大な光の彫刻「ライトスカルプチャー - Flow」シリーズです。光の線によって彫刻を作り出す本作は、複数のパターンによって構成。奥にミラーの設置された「非対称宇宙」と呼ばれる空間にて、ムービングライトの光が色や形をさまざまに変えつつ、かつて見たことのないような光の彫刻を作り出します。
「非対称」とあるように、鏡の中の世界と現実の世界が非対称であるのも特徴です。リズミカルな音楽によって変幻自在、彫刻が動くすがたを見ていると、いつしか光に空間がゆがめられ、中へと吸い込まれそうな錯覚にさえ陥ります。
チームラボ《Tunnel into the Mirror Universe》©チームラボ
「ライトスカルプチャー - Flow」シリーズは、「なぜ、海の渦に存在を感じるのか? そして、それを生命にすら感じるのか?構成要素が空間的時間的に離れていたとしても、部分に秩序が形成されたとき、部分はひとつの存在として認識され、ときには生命のようにすら感じる」というコンセプトのもとに創られた生命的宇宙です。
チームラボ代表の猪子寿之が「もう、空間がどうなっているか、全くわからない。宇宙に吸い込まれて、宇宙と一体化した。」とも語る「ライトスカルプチャー - Flow」シリーズ。流れゆく光の集合体に時間を忘れて身を委ねましょう。
光が生き物のように動き回る!かわいらしい『ぷるんぷるんの光』。
チームラボ《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》©チームラボ
奥行きすらわからない無限に広がる空間の中を、無数のぷるんぷるんの光が走り続ける『マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光』も、チームラボボーダレスが麻布台ヒルズへと移転してから初めて公開された作品です。
光が無限に広がっていると見間違うような空間の中、近づき過ぎず、かといって離れもしないで、一定の距離を置きながら動いているのが「ぷるんぷるんの光」と呼ばれる光の入った球体です。
チームラボ《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》©チームラボ
「ぷるんぷるん」と名付けられたように、球体は水のようにぷるぷると揺れながら空間を周遊し、まばゆく美しい光を点滅させています。
チームラボ《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》©チームラボ
一つ一つの球体の光は時間とともに色を変えていきますが、それは「ぷるんぷるん」の個性を示すかのよう。そのすがたを目で追っていくとまるで小さな生き物が動いているようにも見えます。どこか愛おしい「ぷるんぷるんの光」の瞬きを目に焼きつけてください。
部屋から部屋へと移動し続ける。手で触れて楽しみたいデジタルアートの魅力。
麻布台ヒルズにグランドオープンしたチームラボボーダレスの施設面積は約7000平米。そこに世界初公開を含む50以上もの作品が展示されています。
チームラボ《花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour》©チームラボ
チームラボボーダレスは「地図のないミュージアム」とうたうように、一般的な美術展などと異なって順路は一切ありません。
チームラボ《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》©チームラボ
アート作品は部屋から出て他の部屋へと移動し、他の作品と関係し、影響を受け合い、時には混ざり合うなどひたすらに変化します。個々の部屋に作品が展示してあるというよりも、それぞれの空間に作品が移動してやって来るとしても過言ではありません。
チームラボ《The Way of the Sea, Flying Beyond Borders》©チームラボ
思わず美しい光景に目を見張り、すぐさまスマホで写真を撮ってしまいがちですが、まず試して欲しいのは作品に触れることです。するとアートは人々の気配を察するようにして変化し、はじめとは別の光景を生み出します。例えば咲き乱れる花に触れると、ひらひらと散っていき、やがて再生したりするのです。
チームラボ《Walk, Walk, Walk:自由無碍 》©チームラボ
また順路のない会場は迷路のよう。中には隠し部屋のような空間に作品が公開されていることもあります。絶えず動く作品に導かれながら、別の作品を探して歩くのも醍醐味ではないでしょうか。
圧倒的な没入体験!順路のない会場を自由に巡りながらアート作品と出会おう。
お台場では2フロアだったチームラボボーダレスは麻布台ヒルズにおいて1フロアになり、階段はもとより、作品と作品の間の通路がほぼ無くなりました。そのためかより境界がなくなり、連動する作品に飲み込まれていくような没入感が強く得られます。すべての空間にて作品が周遊し、また同じように来場者も周遊しているのです。
チームラボ《境界のない群蝶、死して世界に溶けていく》©チームラボ
フロアマップもない会場内の巡り方は自由。花が咲き乱れて蝶が舞う中、カラスやカエルたちの歩みに誘われつつ、まだ見ぬ作品との出会いに期待を躍らせながら、思い思いに巡っていくのがマストです。
チームラボ《Moving Creates Vortices and Vortices Create Movement》©チームラボ
作品名こそ明示されているものの、作品は時に大きく移動するため、解説などを記したテキストは会場内にはありません。作品のコンセプトを知るには、スマホで見ることができるガイドアプリも利用するのもおすすめです。また広大なエリアを歩くには動きやすい服装や靴がおすすめ。さらに床が鏡になっている部屋が少なくないことも留意しておきましょう。
器の中の茶に咲き続け、無限に広がっていく花を味わう。『EN TEA HOUSE 幻茶亭』。
最後にぜひとも訪ねたいのが、チームラボボーダレスの唯一のティーハウス、名付けて『EN TEA HOUSE 幻茶亭』です。
ここでは一服の茶を点てると、茶に花々が生まれ咲いていき、さらに器を手に取ると、花は散って器の外へと広がっていくというアート作品を実際に賞味することができます。
チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》©チームラボ
また茶が存在して初めて作品が生まれ、茶を飲み干すと作品は存在しなくなるのもポイント。逆に少しでも茶が残っていると花は小さくとも健気に咲き続けます。
この花も他の作品と同様、常に一様ではなく、1年間を通して、その月々の季節の花々が咲いていくなど変化し続けます。器の中の茶に咲き続け、無限に広がっていく世界を飲むという、他では絶対に得られない体験を『EN TEA HOUSE 幻茶亭』で味わってください。
チームラボ《増殖する無量の生命 - A Whole Year per Year》©チームラボ
2018年のアンケート調査によると、来館した外国人のうち約50%がチームラボボーダレスを目的に東京を訪れたことが明らかになったチームラボボーダレス。(※)また2023年のGoogleの年間検索ランキングの美術館部門において、チームラボプラネッツ(東京・豊洲)が「世界で最も人気のある美術館・博物館」部門で5位に選出されるなど、チームラボが作り上げるデジタルアートは、訪日外国人にも凄まじい人気を誇っています。(※調査はチームラボボーダレスが実施。)
チームラボ《人間はカメラのように世界を見ていない》©チームラボ
お台場から麻布台へと移転グランドオープンし、さらに進化を遂げたチームラボボーダレスによるデジタルアートの圧倒的な没入体験を味わってください。
イベント情報
『森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス』 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1
開館日:2024年2月9日(金)〜常設
所在地:東京都港区麻布台1-2-4
アクセス:東京メトロ日比谷線『神谷町駅』5番出口 直結。東京メトロ南北線『六本木一丁目駅』2番出口 徒歩4分。
開館時間:10:00~21:00
※最終入館は閉館の1時間前
※開館時間が変更になる場合があり。
休館日:第一・第三火曜日
※休館日が変更になる場合があり。
チケット価格:大人(18歳以上)3800円〜、中学生・高校生(13〜17歳)2800円、子ども(4〜12歳)1500円、3歳以下無料、障がい者割引1900円〜。
※事前日時指定予約制。
※大人と障がい者割引については変動価格制を導入し、日によって金額が異なる。
※現地での購入の場合、上記価格に+200円。
公式サイト:『森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス』
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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