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2023.6.26
光と影の画家レンブラント!バロックを代表する画家の人生・作品の見どころ
レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン(1606-1669年)は現在のオランダで活躍した画家です。大きな画面にはっきりとした明暗を表現する技法が特徴で、バロックを代表する芸術家として知られます。
『夜警』, Public domain, via Wikimedia Commons
「光と影の画家」と呼ばれるレンブラントは、作中に光のコントラストを作ることで劇的な雰囲気を作り出します。この記事では、レンブラントの人生や作品、見どころについて紹介します。
光と影の画家レンブラントの人生とは?
レンブラントの自画像, Public domain, via Wikimedia Commons
レンブラントは10代の頃、法律家になるように両親から期待されていたものの、絵画とデッサンへの情熱から芸術家の道を志すようになります。いくつかの画家に弟子入りしたレンブラントは、同時オランダやフランドルで人気を集めていたカラヴァッジョ派の影響を受けます。
▼関連記事:傷害、投獄、殺人も?問題ばかりの天才画家カラヴァッジョの作品の魅力解説
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カラヴァッジョはレンブラントよりも少し前の時代にイタリアで活躍した画家で、背景の暗い表現を得意としました。17世紀前半にイタリアに留学した多くの北方画家はカラヴァッジョの作品に学び、強烈な陰影を作品に与えるカラヴァッジョ派と呼ばれていました。
カラヴァッジョ派はそれだけではなく、カラヴァッジョのコミカルでウィットに富んだ物語作品テーマの踏襲しており、レンブラントはこの経験で多くを学びました。
レンブラントは1631年ごろからアムステルダムにうつり、肖像画を中心に作品の依頼を受け始めます。1638年頃から生まれたばかりの子どもが立て続けに亡くなり、1642年、代表作『夜警』の完成と同じ年に妻を亡くしました。
完璧主義のレンブラントは依頼主を待たせることが多く、この頃から徐々に仕事が減ってしまいます。家族も仕事も失ったレンブラントは、人生のドン底に落ち浪費癖が治らないまま無一文になります。1668年に亡くなるまで、晩年のレンブラントは非常に質素な生活をしていたと言われます。
レンブラント作品の特徴
『ベッドの中の女性(A Woman in Bed)』, Public domain, via Wikimedia Commons
レンブラントの作品は、時代によって作風が変化していきます。簡単な表現にまとめるとすれば、初期は繊細でなめらかな技法があり、後期はより力強い作風に変わりました。
レンブラントは絵画の他に版画も残しており、版画の表現の枠を超えたグラデーションのような表現も実現させています。神秘的で幻想的な初期のレンブラントの作品は、同世代の芸術家やパトロンからも高い評価を受けていました。
『夜警』以降レンブラントは、光と影だけではない全体的な配置や形式による総合的な絵画構造を目指し始めます。初期の繊細だった筆致に比べ、絵具を多く使って立体感のある仕上がりが目立つようになります。
ヨーロッパではルネッサンス以降、伝統的に絵具は平面に塗って光沢感を大切にするものという認識があったため、レンブラントのこのテクニックは批判の対象になることもありました。
レンブラント作品の見どころ
『夜警』, Public domain, via Wikimedia Commons
レンブラント作品の見どころは、計算された緻密な全体の構図にあります。レンブラントの表現には、平面的な構図のバランス以外に、立体的な構図が感じられる面白さがあります。
『夜警』で見られるように、1人1人の動きや道具の位置は、自然に見えて実はよく計算されています。レンブラントの繊細で完璧主義な絵画への向き合い方は、作品の完璧なバランスとして表現されています。
レンブラントの描く光の効果は、劇的な場面表現以外にも空間的な構造把握に役立ちます。光の線をたどればどこからどのように光が届くか想定できるため、観る人に画面外のスペースや奥行きを想像させる効果があります。
レンブラントの作品を鑑賞する際は、平面の構図だけでなく、立体的な構図に注目してみるとより作品が楽しめますよ!以上、レンブラントの人生、作品、見どころについてでした。
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イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。
イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。
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