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2023.7.17

フランス“印象派”の画家ドガの人生って?作品の特徴と見どころも紹介!

フランス印象派を代表する画家・彫刻家ドガは、自らを「現代の日常を描く古典画家」と位置付けていました。実はドガは自分を「印象派」とくくられることを嫌い、「写実主義者」と呼ばれることを好んだ不思議な画家です。

ドガ『ダンス教室』, Public domain, via Wikimedia Commons

ほかの印象派とは異なる方向に発展したドガの芸術は、彼の思想を理解するとより深く楽しむことができます。この記事では、“印象派”画家ドガの人生と作品の特徴、見どころについてわかりやすく紹介します。

フランス“印象派”画家・ドガの人生

ドガの自画像, Public domain, via Wikimedia Commons

エドガー・ドガ(1834-1917年)は、パリの比較的裕福な家庭に生まれました。ドガは、1855年から新古典主義のアングル派の画家のもとで修業した経歴を持ちます。「新古典主義」とは、バロック・ロココやロマン主義に対抗し、古代の芸術を踏襲した厳格な様式を追い求める芸術思潮です。


他の印象派の芸術家たちが独自に開催した印象派展に参加することがあったため、一般的には「印象派」とカテゴライズされています。芸術家同士の交流が盛んだった印象派の芸術グループにおいては、ドガの気難しい性格が災いしトラブルが絶えませんでした。反ユダヤ主義の傾向も相まって、衝突により多くの友人を失ったと言われます。


ドガは、普仏戦争での負傷がきっかけで目の病気を患い、屋外で長時間過ごすことができませんでした。印象派の多くの画家が屋外に出て作品を制作したのに対し、ドガはこの潮流を馬鹿にしていました。目の病気のことを考慮すると、屋外での芸術活動に対してドガのなかに複雑な感情があったのかもしれません。


1890年以降ドガは視力の悪化にともない生活に多くの制限がかかりました。1917年に亡くなるころには、ほとんど盲目になっていたそうです。

ドガの作品の特徴は「現代の日常を描く古典画家」

ドガ『カフェにて』, Public domain, via Wikimedia Commons

ドガの作品は、初期の一部の海辺の情景や歴史画などを除き、娼婦や競馬場などを日常生活に密接した主題を多く残しました。


ドガは都会における人間生活に強い関心を持っており、日常の一場面を切り取る作風が特徴的です。目の病気により外に出づらかったため、足りないものを埋めるように人の集まるにぎやかな場所を描いていたのかもしれません。


主題こそ近代的であるものの、ドガの基本的な芸術スタイルは古典主義でした。古代の偉大な芸術家への強いあこがれを持ち続けていましたが、初期から晩年にかけて徐々に人物表現が変化します。


歴史画から日常生活へ主題が移行するにあたり、色彩は鮮やかになり筆致は大胆になりました。ドガの色彩感覚や絵画構図は、彼の二面的特徴である「古典主義」と「印象派」の融合といえます。


ドガの作品の見どころは『瞬間を切り取る絵画』

ドガ『バレエ』, Public domain, via Wikimedia Commons

ドガの見どころは、その一瞬を切り取って作品に落とし込む正確さです。ドガ作品といえば、バレエに関するものを想像する方も多いでしょう。バレエ作品ではとくに、瞬間的な躍動感を収める才能を遺憾なく発揮しています。


ドガがバレエ作品を多く残したのは、裕福な家庭で過ごした幼少期にオペラやバレエなどの芸術鑑賞に親しんでいたことが関連します。当時のパリには年間パスのような要領で、舞台や稽古場に出入りできる仕組みがありました。ドガは経済的に余裕がなくなってからもパスを保持し続け、それを利用して見た情景を絵画作品に残しました。


ドガの作品を観ると、動的な瞬間も静的な瞬間も、時がとまったように正確に描かれていることがわかりますね。大胆なタッチの中に宿る繊細な表現は、次の瞬間に動き出しそうな人物像を生み出しています。


ドガ作品を鑑賞する際は、彼の「瞬間を切り取る」技に注目してください。描かれた場面に宿る日常生活の躍動が感じられるはずです。


以上、ドガの人生と作品の特徴、見どころについてでした!

【写真4枚】フランス“印象派”の画家ドガの人生って?作品の特徴と見どころも紹介! を詳しく見る
はな

はな

イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

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