STUDY
2023.9.15
潰れた空き缶がアートに!?SDGsにも繋がる空き缶アート『缶轢(かんれき)』が気になる
路上に落ちているゴミ。
普段何気なく見ている光景ですが、そのゴミをアートに生まれ変わらせるのがアーティスト名雲康晃さん。車が踏み潰した「缶」をそのままの姿で、アートとして昇華させる空き缶アーティストです。
この記事では名雲康晃さんの作品の特徴や魅力について紹介します。
単なるゴミがアートに
名雲康晃さんがアートにするのは、車に踏み潰された空き缶です。
街中でたびたびポイ捨てされた空き缶を目にしますが、名雲さんは車に踏みつぶされた空き缶を拾い、その姿に美しさを見出しました。拾った空き缶は洗浄以外に手は加えずにそのままのカタチで額装されます。そうして『缶轢*』としてアート作品に生まれ変わるのです。
*『缶轢』とは(車に)轢かれた缶という造語です。
缶を利用したアートは世の中に多数ありますが、この『缶轢』の数々は“車に轢かれた缶”に焦点を当てています。とくにクルマに轢かれて出来た偶然のカタチに宿る「神秘の魅力」をそのまま表現するため、こだわりを持つのは額装なのだそう。
きっかけは、とある駐車場で拾った空き缶
ただのゴミとして見過ごしてしまいそうな、路上に転がる空き缶。アートにしようと思ったきっかけは2010年ごろ、名雲さんがよく利用する駐車場での出来事でした。
その駐車場に車を停める際、たびたび缶を轢いている感覚があったそうです。ある日その缶を拾い上げると、ぺしゃんこになったコカ・コーラの空き缶がボトルもキャップもしまった状態のまま、ロゴマークをセンターにした位置で潰れていました。
作為の無い偶然の産物にアート性を感じ、銀座の画材屋に行き、額装してもらったことが空き缶アートの始まりなのだそうです。
偶然が生んだ美しさ
踏まれた空き缶は、一つとして同じものは無く個性豊かです。名雲さんは拾った空き缶を、一つ一つ丁寧に特徴を探っていきます。
中でもおもしろいのは、飲む際に使用したであろうストローが刺さったままの作品や、蓋が閉まったまま轢き潰された作品です。偶然できたカタチであるにも関わらず、計算されたかのような潰れ方をしています。まるで捨てた人の息吹を感じるようで、どんな人に買われ、飲まれていたのか。なぜ捨てられてしまったのか……。思わずその先に続く物語を想像してしまいます。
故意に捨てられたゴミも、偶然性によってアートに生まれ変わります。始めた当初(2010年ごろ)は深く意識していなかったそうですが、活動を通してとても価値のあることなのでは、と感じるようになったと話す名雲さん。この『缶轢』を通して、観る人がSDGsについて考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
作家情報
名雲 康晃 (なぐも やすあき)
1968年⽣まれ 東京都出⾝。
カゴメディア株式会社 代表取締役社⻑ / 株式会社PBC 代表取締役
⼀般社団法⼈ ⽇本ネーミング協会 代表理事・事務局⻑
⼤⼿広告代理店から2007年に独⽴し「Rain-Pop」「JIMMYCASE」などの
デザイン雑貨の企画や販売をしている⼀⽅、飲⾷店やアパレルショップを経営する。
画像ギャラリー
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