STUDY
2022.4.15
ローマの起源!?狼に育てられた『ロムルスとレムス』の伝説と芸術作品
永遠の都ローマ。
伝説上ではローマの起源は、狼に育てられた「ロムルス」と「レムス」という兄弟だったと言われています。
『ロムルスとレムス』は、有名なブロンズ像の他にもたくさんの芸術作品に登場しています。
この記事では、ローマの大学院で美術史を専攻する筆者が、『ロムルスとレムス』を扱った芸術作品について解説します。
2023年9月16日~は東京都美術館にて『永遠の都ローマ展』も開催するので、注目ですね。
『ロムルスとレムス』の伝説
Giulio Romano, CC0, via Wikimedia Commons
ローマ建国の伝説では、双子のロムルスとレムスは軍神マルスの子どもです。
しかし、彼らはまだ赤ちゃんの頃に、権力争いの復讐を恐れた親族によってテヴェレ川のほとりに捨てられてしまいます。
そこで狼が双子に乳をやって育て、やがて羊飼いの夫婦に引き取られて育てられたと言われています。
その後、反逆者から権力を奪い返した双子が、その地に都市を建設しました。
この伝説からローマ建国のシンボルとして、狼の乳を飲むロムルスとレムスの像が用いられるようになりました。
“本物の”『ロムルスとレムス』ブロンズ像はどこ?
Capitoline Museums, Public domain, via Wikimedia Commons
『ロムルスとレムス』のブロンズ像は、中世後期には古代から継承されたものとして大切に保管されてきました。
しかし、実際には11世紀ごろに制作されたものだという説もあります。
15世紀後半まではローマ教皇の宝物庫に管理されていましたが、1471年に教皇シストゥス4世がローマ市民に寄贈し、カピトリーニ美術館に展示されるようになりました。
現在でも作品は美術館内部に保管されています。
紛らわしいことに美術館の外にもこのブロンズ像のコピーがあり、観光客が写真を撮るために行列を作っていることもあります。
本物が見たい!という人は、ぜひカピトリーニ美術館を訪問してくださいね。
『ロムルスとレムス』はいろんなところに登場
ブロンズ像が非常に有名な『ロムルスとレムス』ですが、実は他の美術作品にも多く登場するテーマでもあります。
特に、古代ローマの石棺などの彫刻作品に含まれることも多く、ローマ市民の愛国心を感じることができます。
作品の構図が比較的に明快(狼と二人の赤ちゃん)であるため、情報量の多い石棺装飾からでも簡単に見つけられるのがポイントです。
ブロンズ像以外で有名な作品としては、ルーベンスの残した『ロムルスとレムスの発見』があります。
こちらの作品もブロンズ像同様、ローマのカピトリーニ美術館に展示されています。
作品の中では、双子はよりいきいきとした元気な子どもの姿で描かれています。
ルーベンスの優しく親しみやすい表現とローマの伝説が融合した味わい深い作品です。
芸術テーマとしても人気の『ロムルスとレムス』
ピーテル・パウル・ルーベンス『ロムルスとレムスの発見』, Public domain, via Wikimedia Commons
永遠の都と言われるローマの建国の伝説は、芸術の主題としてもしばしば用いられ、市民とアイデンティティの象徴にもなっていました。
時代とともに、双子の赤ちゃんの表現が異なるので、作品ごとの比較をしてみるのも楽しいですね。
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はな
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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