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EVENT

2025.10.9

【京都八幡】松花堂弁当のルーツを辿る「加賀藩の美術工芸と松花堂昭乗 茶の湯、懐石、もてなしのこころ」10月11日より開催

京都・八幡で、日本のもてなし文化の源流を辿る注目の展覧会が開催されます。八幡市立松花堂庭園・美術館は、「加賀藩の美術工芸と松花堂昭乗 茶の湯、懐石、もてなしのこころ」を令和7年10月11日(土)から11月30日(日)まで開催します。

松花堂昭乗

「松花堂弁当」の名の由来となった松花堂昭乗とは

松花堂昭乗松花堂昭乗自画像写 細合半斎(松花堂美術館蔵)

松花堂昭乗7松花堂好四つ切塗箱(松花堂美術館蔵)

「松花堂弁当」という名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、その名の由来となった松花堂昭乗(1584~1639)という人物については、意外と知られていないかもしれません。

昭乗は江戸時代初期、石清水八幡宮の僧として活躍した文化人です。書画をよくし、茶の湯に通じ、多彩な人々と交流した彼は、まさに芸術的センスに恵まれた人物でした。戦乱の世から和平に向かう17世紀という時代の中で、昭乗は京都の文化の担い手として重要な役割を果たしました。

「松花堂弁当」が実際に誕生したのは昭和時代に入ってからですが、その背景には昭乗の美意識と、彼が生きた時代のもてなし文化が大きく関わっています。

◆松花堂昭乗 プロフィール

松花堂昭乗(1584~1639)は、江戸時代初期に石清水八幡宮の僧として活躍した文化人。書画に優れ、茶の湯に通じ、当代一流の文化人たちと幅広く交流した。その美意識は後世に大きな影響を与え、昭和時代に誕生した「松花堂弁当」の名の由来ともなっている。戦乱から平和へと向かう時代の中で、京都の文化を担った重要な人物の一人である。

京都と加賀、二つの文化圏が織りなす美の世界

松花堂昭乗2左から:沈金獅子文膳 前大峰、松花堂筒角釜、竹茶杓 銘八幡山 松花堂昭乗作、堆朱布袋図香合 村上九朗作               すべて石川県立美術館蔵

江戸時代が始まる頃、加賀藩は京都の文化を受容しながら、独自の文化芸術を育んだ一大文化圏でした。本展では石川県立美術館所蔵の貴重な美術工芸品が多数出品され、京都八幡と石川のゆかりが紹介されます。

展示作品には、前大峰作の沈金獅子文膳、松花堂昭乗作の竹茶杓 銘八幡山、村上九朗作の堆朱布袋図香合など、茶の湯にまつわる芸術作品が並びます。また、松花堂美術館所蔵の東山遊楽図屏風など、当時の文化を伝える貴重な作品も展示されます。

茶会などの飲食の場は、良好な人間関係を築く上で重要な役割を果たしました。昭乗の時代に盛行した茶の湯から懐石料理が生まれ、器の展開とあいまって美意識やもてなしのこころが醸成されていく様子を、本展を通じて感じ取ることができるでしょう。

【展覧会関連プログラム】体験して味わう、もてなしの文化

松花堂昭乗8東山遊楽図屏風(松花堂美術館蔵)

特別企画「盛り付け、味わう懐石のこころ 松花堂弁当にみる美意識」

松花堂昭乗1

特に注目すべきは、11月24日(月・振)に開催される特別企画「盛り付け、味わう懐石のこころ 松花堂弁当にみる美意識」です。京都吉兆嵐山本店総料理長の徳岡邦夫氏を講師に迎え、松花堂弁当の盛り付け体験ができる贅沢なプログラムとなっています。「松花堂弁当」は便利な持ち運びの器でありながら、懐石料理のこころを詰め込んだおもてなしの器でもあります。その美意識を実際に体験できる貴重な機会です。

講師: 徳岡邦夫氏(京都吉兆嵐山本店総料理長)
開催日: 11月24日(月・振)
時間: 午前11時より(約3時間)
場所: 京都吉兆松花堂店
参加費: 10,000円
定員: 20人(要申込)
申込期間: 10月17日(金)~10月31日(金)
※1組2人まで申込可。申込多数の場合は抽選

お茶会体験「たてて、味わうもてなしのこころ」

松花堂昭乗3

10月18日(土)には松花堂庭園内の茶室「松隠」でお茶会体験も開催されます。自らお茶を点て、味わうことで、もてなしのこころを体感できるプログラムです。

開催日: 10月18日(土)
時間: ①午前10時30分、②午後1時、③午後2時30分(各回約50分)
場所: 松花堂庭園内 茶室「松隠」
参加費: 3,000円
定員: 各回6人(要申込)
申込開始: 9月17日(水)から

学芸員によるミニトーク「加賀藩と松花堂昭乗」

松花堂昭乗4

11月8日(土)には学芸員によるミニトーク「加賀藩と松花堂昭乗」が開催され、専門家の解説を通じて展覧会の理解を深めることができます。同日には、VRゴーグルを使った没入体験「お茶会のぞきみ『閑雲軒』」も実施され、最新技術で茶室空間を体験できる先進的な試みも用意されています。

開催日: 11月8日(土)
時間: 午後1時より(約50分)
場所: 松花堂美術館 講習室
参加費: 無料(展覧会見学には別途料金が必要)
定員: 15人(要申込)
申込開始: 10月1日(水)から

展覧会詳細

◆加賀藩の美術工芸と松花堂昭乗 茶の湯、懐石、もてなしのこころ

【会期】令和7年10月11日(土)~11月30日(日)
※会期中に一部展示替えを行います
前期 10月11日(土)~11月3日(月・祝)
後期 11月5日(水)~11月30日(日)

【開館時間】午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで)

【休館日】月曜日
※10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、24日(月・振休)は開館
※10月14日(火)、11月4日(火)、25日(火)は休館

【入館料】
一般 600円、大学生 500円、18歳以下 無料(大学生を除く)
庭園との共通券 一般 840円、大学生 670円
※20名様以上団体割引あり

【会場】八幡市立松花堂庭園・美術館
(京都府八幡市八幡女郎花43-1)

【主催】八幡市立松花堂庭園・美術館

【PR TIMES】
【京都八幡】松花堂美術館 令和7年「加賀藩の美術工芸と松花堂昭乗 茶の湯、懐石、もてなしのこころ」10月11日より開催!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000073864.html

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イロハニアート編集部

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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

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