EVENT
2025.11.20
森山茜ら国内外の注目クリエイターが集結「FUJI TEXTILE WEEK 2025」で産地×デザインのコラボレーションを発表!11月22日から
1000年以上続く織物の産地・山梨県富士吉田市を舞台に、今年も布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が、2025年11月22日(土)から12月14日(日)まで、富士吉田市下吉田本町通り周辺地域で開催されます。本展では、国内外で活躍するデザイナーや建築家と地元の織物事業者が協働する「KYODO PROJECT」の2025年度成果を発表します。
目次
FUJI TEXTILE WEEK 2023に展示されたRaw Color作品(2023) 撮影吉田周平
産地の未来を切り拓く「KYODO PROJECT」
KYODO PROJECTは、富士吉田市の織物産業を活性化させ、国際的なデザインシーンで存在感を示すことを目指して2023年に始動したプロジェクトです。山梨県および富士吉田市の補助事業として採択されており、株式会社DOSOが中心となって運営しています。
富士吉田市は1000年以上続く織物産地でありながら、長年OEMという立場にあったため、その名前を世に出すことができずにいました。本プロジェクトは、地元の豊かな伝統を守りつつ産業を持続可能なものにし、卓越した技術力を世界へ発信することを使命としています。
これまでの活動では、オランダのデザインスタジオRaw Colorや、STUDIO MAE ENGELGEERを招聘し、地元機屋とのコラボレーション生地を制作。2024年度にはEXPO2025大阪・関西万博のオランダ館でも展示されるなど、着実に国際的な注目を集めています。
2025年度の注目コラボレーション5選
今年度は多様な分野で活躍する5組のクリエイターと地元機屋が連携し、革新的な作品を生み出しました。FUJI TEXTILE WEEK 2025期間中は、カフェギャラリー「FabCafe Fuji」と「旧山叶(総合案内所)」を会場に、これらの成果が展示されます。
【1】森山 茜 × 舟久保織物
国内外で活躍するテキスタイル作家・森山茜が、大正13年創業の舟久保織物とコラボレーション。大型のカーテン作品を制作し、インテリアや空間演出における織物の新たな可能性を提案します。
京都で建築を、スウェーデンでテキスタイルを学んだ森山は、現在ストックホルムを拠点に活動。第18回ヴェネツィア建築ビエンナーレに出品した「Textile Roof」など、住宅から屋外まで様々なスケールの作品を手がけています。
舟久保織物は、ぼかしたような柔らかな表現が美しい「ほぐし織」を得意とする機屋。3代目の舟久保勝は日本でも数少ないほぐし織の職人で、傘生地でこの技法を使い、染めから織りまでできる技術は希少です。
【2】ジュリエット・ベルトノー × MUTO Co.,Ltd.(武藤株式会社)
ジュリエット・ベルトノー(Juliette Berthonneau)
ジュリエットは2024年に株式会社DOSOが運営する「Saruya Artist Residency」に滞在し、山梨県富士技術支援センターとともに立体的な生地制作を実施。2023年にはパリ市よりグランプリ・ドゥ・ラ・クレアシオン(デザイン部門・新進気鋭)を受賞した実力派です。
今年はフランス大使館、アンスティチュ・フランセ、公益財団法人笹川平和財団の支援を受け、武藤株式会社とのコラボレーション生地を制作。彼女が得意とする立体的な生地デザインは、音響や断熱の特性も備えており、今後様々な分野での活用が期待されています。
【3】Raw Color × 飛騨産業 × TENJIN-factory
オランダ・アイントホーフェンのデザインスタジオRaw Colorと、70年以上の歴史を持つTENJIN-factoryのコラボレーション生地を活用し、家具メーカーの飛騨産業株式会社と連携。織物と家具産業の横断的な連携を試みます。
今回は制作した生地を張地に採用した椅子を試験的に制作し、将来的には飛騨産業が商品化していくことを目指しています。創業1920年の飛騨産業は、「無用の長物」とされていたブナを活かした曲木家具づくりから始まり、節や杉の魅力を引き出した家具を世に送り出してきた名門です。
【4】シーチュー チー × Watanabe Textile
ブランド「something in the air; s.i.t.a」を手がけるアーティスト、シーチュー チーとWatanabe Textileのコラボレーション。台湾と富士吉田、そしてアメリカを繋ぐ国際的な視点から、織物を媒介とした文化交流と価値の共有を図ります。
現在台北・陽明山を拠点に活動するシーチューは、アンティークのリネンやレース、麻、絹、綿などを世界各地で集め、最小限のカットや手縫い、天然染色を通して新たな命を吹き込むアーティスト。流行やシーズンにとらわれず、「布の持続性」「手仕事の営み」「身にまとう芸術」としてのかたちを探求しています。
【5】ヒダクマ × ツバメアーキテクツ × 複数の機屋
建築設計事務所のツバメアーキテクツと、飛騨の木材を活用した取り組みをしているヒダクマによる家具作品 "Wood Waste Micro Pub" が機屋とコラボレーション。織物産業と家具産業における素材活用の横断的な可能性を提案します。
FUJI TEXTILE WEEKの総合受付に使う什器や、会場内で使用される椅子など、彼らが制作してきた什器に産地の布を使う形でのコラボレーションが実現。有限会社田辺織物、TENJIN-factory、株式会社前田源商店、宮下織物株式会社、MUTO Co.'Ltdより生地が提供される予定です。
国内唯一の"布の芸術祭"で体感する、テキスタイルの新たな可能性
FUJI TEXTILE WEEKは、実行委員会会長兼アート展ディレクターに南條史生を迎え、2021年にはじまったアートイベントです。糸や布などに着想を得た芸術表現を通じて、テキスタイルの新たな可能性を模索する場として誕生しました。
出展される作品には地元の織物事業者が協力し、素材提供や技術提供を行うなど、織物産業と現代アートが融合した国内唯一の"布の芸術祭"として知られています。過去には大巻伸嗣、落合陽一、清川あさみら、国内外で活躍するアーティストも参加し、小規模でありながら意欲的な取り組みが高い評価を受けています。
今年は、「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE(エイポック エイブル イッセイ ミヤケ)」の参加が決定しているほか、安野谷昌穂、齋藤帆奈などの若手アーティスト、台湾、スペイン、チェコ、インドネシアなど国際色豊かなアーティストも参加します。
KYODO PROJECT について
富士吉田市は、1000年以上続く織物産地でありながら、長年大手メーカーのOEMという立場にあったことから、世の中にその名前を出すことができず、自発的な営業活動を行うことができずにいました。KYODO PROJECTは、地元の織物産業を活性化させ、国際的なデザインシーンにおいて躍動的で時代に即した存在感を示すことを目指し、2023年に山梨県庁および富士吉田市役所の支援を受けて始動しました。
本プロジェクトでは、国内外で活躍するデザイナー、建築家などのクリエイターと、富士吉田市および周辺地域の機屋とをマッチングさせ、コラボレーション制作を行います。招待デザイナーの創造的なビジョンと融合することで、富士吉田の織物が持つ独自性を保ちながら、その織物を革新的な形で活用する可能性を模索しています。
展覧会詳細
◆FUJI TEXTILE WEEK 2025
【会 期】2025年11月22日(土)〜12月14日(日)
※休館日:11月25日(火)、12月1日(月)、8日(月)
【時 間】10:00〜17:00 会場により16:00閉館(最終入場は各会場閉館30分前)
【会 場】 《総合案内所》山梨県富士吉田市下吉田2丁目16-19(旧山叶)
その他、富⼠吉⽥市下吉⽥本町通り周辺地域の各会場
【チケット】 《前売り》一般 2,000円 学生 1,500円 《当日》一般 2,500円 学生 2,000円
《オンラインチケット》公式オンラインチケットArtSticker、Peatix、アソビュー!
《紙チケット》下吉田観光案内所(富士吉田市下吉田1-4-21) ※一般チケットのみ取扱い
【公式サイト】 https://fujitextileweek.com
【主 催】 山梨県富士吉田市
【企画運営】 FUJI TEXTILE WEEK 実行委員会
【問い合わせ】 FUJI TEXTILE WEEK 事務局 info@fujitextileweek.com
【PR TIMES】
森山茜ら国内外で活躍するデザイナーや建築家が参加する、クリエイター×織物事業者による「KYODO PROJECT」が2025年の活動成果を「FUJI TEXTILE WEEK 2025」で発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000089143.html
画像ギャラリー
このライターの書いた記事
-

EVENT
2025.11.16
【横浜】国内最大級の光の祭典が進化☆「夜にあらわれる光の横浜〈ヨルノヨ2025〉」12月4日から開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.15
【東京タワー】キキ&ララ50周年記念「ウィンターファンタジー2025」11月17日(月)から開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.14
【静岡PARCO】一文字ずつ、恋に落ちていく♡「恋するタイポ展-Typo in Love-」11月21日から開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.13
あなたはこの絵画を「視る」勇気があるか?「視てはいけない絵画展」恐怖が侵蝕する絵画とは
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.09
【東京・大阪】ガウディ財団公式!「NAKED meets ガウディ展」参加型アートでサグラダ・ファミリアを体感 2026年1月10日開幕
イロハニアート編集部
-

EVENT
2025.11.08
【韓国・ソウル】「ぼのぼの 40周年特別展 in Seoul」12月12日(木)から開催!
イロハニアート編集部

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
イロハニアート編集部さんの記事一覧はこちら














