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NEWS

2025.10.5

【奈良監獄ミュージアム】重要文化財が生まれ変わる?! 2026年4月27日開館 ― 美しき監獄からの問いかけ

明治時代の歴史的建造物が、新たなミュージアムとして生まれ変わります。星野リゾートは、重要文化財「旧奈良監獄」の保存活用事業として、「奈良監獄ミュージアム」を2026年4月27日に奈良市で開館します。

奈良監獄ミュージアム

唯一現存する明治五大監獄の貴重な建築

奈良監獄ミュージアム2上空写真(平成31年時点)

旧奈良監獄は、1908年(明治41年)に近代化を目指した国の一大プロジェクトとして誕生しました。明治政府によって計画された五大監獄のうち、唯一現存する貴重な建築物で、2017年には国の重要文化財に指定されています。

奈良監獄ミュージアム3山下啓次郎 氏

奈良監獄ミュージアム5 外観

設計を手がけたのは、数多くの裁判所や監獄の建設に関与した山下啓次郎氏。欧米約8カ国を歴訪し約30の監獄建築を視察した知見を活かし、西洋の装飾様式を取り入れた重厚で美しい建築を実現しました。赤レンガは当時の被収容者が刑務作業の一環として職人と共に作り上げたもので、室内は天井から光を取り入れた明るい空間となっており、人権を配慮したデザインが特徴です。

自らと対話し、生き方を見つめ直す体験を

奈良監獄ミュージアム1外観

奈良監獄ミュージアム14中央看守所

本ミュージアムのコンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」。明治時代における近代化の背景と美しい建築と共に、監獄という「規律」が支配する空間での「問いかけ」を受けて、自由について考えを巡らす体験を提供します。訪れる人が自らと対話し、生き方をも見つめ直すきっかけとなる、新たなミュージアムのあり方を目指しています。

三つのテーマを設定した展示棟を巡り、多角的な視点から「問い」を深めていきます。

A棟:歴史と建築

赤レンガに刻まれた記憶に思いを馳せ、日本の行刑や奈良監獄の建築的特徴を知るエリアです。

B棟:身体と心

被収容者の視点で刑務所での生活やルールを紹介。規律に縛られた刑務所の生活を知り、想像し、客観的に見つめることで、自分自身の生き方に通じる「問い」に迫ります。

C棟:監獄と社会

「監獄」をさまざまな価値観や切り口で表現するエリア。開館時には、国内外で活動するアーティストが、監獄から受けたインスピレーションとそれぞれの感性で制作した作品を展開する予定です。

世界的クリエイターが創り上げる唯一無二の空間

奈良監獄ミュージアム11佐藤卓 氏

奈良監獄ミュージアム シンボルマーク

アートディレクターを務めるのは、「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインやNHK Eテレ「デザインあ」の総合指導で知られる佐藤卓氏。「罪と罰を考察すると、自由とは何かという深い世界にも触れることになり、さまざまな角度から試行錯誤を繰り返してきました」と、制作への思いを語っています。

奈良監獄ミュージアム12Adrien Gardère 氏

ミュゼオグラフィー(展示設計)を監修するのは、ルーヴル美術館ランス別館やトロントのアガ・カーンミュージアムなど、世界13か所以上の美術館の常設展示デザインを手がけるAdrien Gardère(アドリアン・ガルデール)氏。「建築遺産」を「ミュージアム」として生まれ変わらせる、世界水準のデザインが実現します。

余韻に浸るカフェ&ショップも併設

奈良監獄ミュージアム7オリジナルカレーパンとご当地ソーダ

奈良監獄ミュージアム10

見学後は、カフェで明治時代の洋食文化を反映したオリジナルのカレーパンやチーズケーキ、ご当地ソーダを楽しめます。ショップでは、オリジナルグッズをはじめ、全国の刑務所で作られた刑務作業品のギャラリーを併設し、販売します。

なお、敷地内では2026年中にラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」の開業も予定されており、歴史的建造物での特別な滞在体験も提供される予定です。

明治時代の建築美と、現代のクリエイティブが融合した、これまでにないミュージアム体験。美しき赤レンガの建物が問いかける「自由とは何か」というテーマに、あなたも向き合ってみてはいかがでしょうか。

施設概要

◆奈良監獄ミュージアム

所在地  :奈良県奈良市般若寺町(はんにゃじちょう)18
開館時間 :9:00~17:00(最終入館 16:00)
定休日  :なし ※メンテナンス休館あり
料金   :大人 2,500円~
付帯施設 :カフェ&ショップ
アクセス :近鉄奈良駅からバスで約13分、「般若寺」バス停下車徒歩約5分
URL   :https://hoshinoresorts.com/nara-prison-museum/ja
開業日  :2026年4月27日
チケット販売開始日:2026年2月(予定)

◆旧奈良監獄について

1908年に竣工した旧奈良監獄は、明治五大監獄(奈良、長崎、金沢、千葉、鹿児島)のうち唯一現存する貴重な建築物です。設計者の山下啓次郎氏は、帝国大学造家学科(現在の東京大学工学部建築学科)を卒業後、司法省営繕の業務に携わり、欧米視察の知見を活かして数多くの監獄建築を手がけました。1946年には「奈良少年刑務所」と改名し、社会復帰と更生教育を重視する矯正施設として貢献。2017年に重要文化財に指定され、その歴史的価値と美しい建築の意匠が高く評価されています。

【PR TIMES】
「奈良監獄ミュージアム」が2026年4月27日開館。コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001798.000033064.html

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イロハニアート編集部

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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。

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