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2024.7.8

ローマ:アート好きがヴェネツィア広場を無料で楽しめるスポット3選

ヴェネツィア広場は、ローマ市内にある広場です。古代ローマ時代の遺跡群と主要エリアのちょうど中間に位置し、常に多くの観光客と地元の人でにぎわっています。

Piazza Venezia - Il Vittoriano Public domain, via Wikimedia Commons.

ヴェネツィア広場は交通に重要なだけではなく、実はローマの芸術や都市開発において非常に大きな意味を持つエリアです。この記事では、アート好きがヴェネツィア広場を訪れた際に注目すべきポイント、3つをご紹介します!

ヴェネツィア広場のアート①:ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

Roma - Altare della Patria (Vittoriano)Public domain, via Wikimedia Commons.

「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂」は、ヴェネツィア広場にある非常に大きな建造物です。白い神殿のような造りで、屋上部分には馬の銅像が飾られています。

イタリア語では「アルターレ・デッラ・パトリア(Altare della Patria)」と呼ばれます。この言葉は「国父の祭壇」という意味があり、イタリアの愛国感情と密接にかかわる建物なのです。

ローマには紀元前や紀元後1~2世紀から残っている建造物も珍しくありませんが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂は比較的新しいもので、1885年の着工、1925年の完成です。

深く豊かな歴史を持つイタリアですが、「イタリア」という国の歴史は、実は古くはありません。複数のコムーネが独立していたイタリアを1861年に国家として統一したのは、ヴェネツィア広場の記念堂に名前が冠されているヴィットーリオ・エマヌエーレ2世でした。

神殿の中央部分にある大きな銅像は、もちろんヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の姿。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂は建国記念日やイタリア国家のイベント時に利用されるのはもちろんのこと、国家のために亡くなった無名戦士を祀る場所でもあります。

現在ではローマのシンボルの1つになっているヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂ですが、実は「無料で」入場することができます。最上階に行くためにはエレベーター代が必要ですが、無料エリアでも十分ヴェネツィア広場全体の景色を楽しむことができますよ!

ヴェネツィア広場のアート②:ヴェネツィア宮殿

Roma Palazzo VeneziaPublic domain, via Wikimedia Commons.

ローマはあまりに見どころが多いため、歴史的・芸術的に価値の高い場所が観光客から見落とされてしまうことは多々あります。その好例の1つが、ヴェネツィア宮殿です。

ローマにあるのにヴェネツィア宮殿と呼ばれるため、少し複雑に感じるかもしれませんが、これには理由があります。1455年にヴェネツィアからローマにやってきたピエトロ・バルボ(のちの教皇パウロ2世)がもともとあった教会のすぐ横に自らの居住宮殿を再建したのです。

都市ローマの歴史は、古代から現在に至るまで政治的な都市開発とともにありました。このヴェネツィア宮殿も、教皇パウロ2世の政治的な意図のもとにこの場所に建てられた建造物です。

歴代の教皇の居住地は、ヴァチカンやラテラノ(城壁すぐ近くの土地)など、中心地からは離れた場所にあり続けていました。ヴェネツィアからやってきたパウロ2世は、これらの立地を政治的に不利だと考え、自らの居住宮殿をローマのど真ん中、つまり現在のヴェネツィア広場のすぐ隣に決めました。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂を背にして広場を見ると、両サイドに似たような建造物が配置されており、左右対称の印象を受けます。ヴェネツィア宮殿は左側の色が濃い方の建物で、15世紀半ばに建設された歴史的に重要な存在です。反対側にある色の薄い建造物は、ムッソリーニ(20世紀のイタリアの独裁者)が広場を左右対称にするために建てました。

実際、ヴェネツィア宮殿は中世末期からルネッサンスへの過渡期を示す重要な建築であり、要塞のようなシンプルで威厳がある構造(中世的)のなかにも、古代の建築装飾の要素を取り入れた優雅さがありますね。

ヴェネツィア宮殿は、外装だけではなく内装も興味深い建物です。ヴェネツィア出身であったパウロ2世は、自らの故郷の特色を宮殿内部の装飾に用いました。海洋国家であったヴェネツィアのシンボルとわかるように、宮殿内部では貝やヒトデなど、海にまつわる愛らしい装飾が見られます。

ヴェネツィア宮殿は現在、美術館として再利用されています。また宮殿内の中庭は、無料開放されていることがあるため、時間がない人はサッと中を通り抜けるだけでも15世紀の建築の雰囲気を感じることができますよ。

ヴェネツィア広場のアート③:サン・マルコ大聖堂

Basilica di San Marco Evangelista al CampidoglioPublic domain, via Wikimedia Commons.

ヴェネツィア広場は人や車の交通量が多く混とんとした場所ですが、ホッと息をつける場所があります。それが、サン・マルコ大聖堂です。

サン・マルコ大聖堂は、先ほど紹介したサン・マルコ宮殿の内部に組み込まれている教会で、入り口はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂側の白いロッジャ(壁に併設されたバルコニー付きの構造)のところにあります。ロッジャ部分は初期ルネッサンスの建築家レオン・バッティスタ・アルベルティが設計したと言われます。(諸説あり)

大聖堂は比較的いつも開いており、もちろん誰でも無料で入場可能です。こんなに人の多いエリアにありながら、いつも空いていて、静かで、薄暗くてほっとした気持ちになる場所です。(ただし夏場の入場の際は、露出が多すぎる服装は避けましょう!)

Roma - Basilica di San Marco Evangelista al CampidoglioPublic domain, via Wikimedia Commons.

大聖堂の最奥部の壁には、中世のモザイク画があり、9世紀に建てられたものがそのまま残っています。ほかのローマ中世のモザイクと同じように、キリストにまつわる象徴的なシンボルを多く含んでいるデザインです。

この大聖堂は福音書記者である聖マルコに捧げられたものであり、ヴェネツィアとも縁が深いことがわかります。聖マルコはヴェネツィアの守護聖人であるためです。

ローマなのに「ヴェネツィア」広場?と思われるかもしれませんが、紐解いてみるとたくさんの関連性があることがわかります。

ヴェネツィア広場を訪れる際は、ただ通りすぎるだけではなく、ぜひ周辺のアートをじっくり楽しんでみてくださいね。以上、アート好き必見のヴェネツィア広場のアートでした!

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はな

はな

イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

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