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2024.2.1
【聖フランシスコ・ザビエル】有名な絵画に隠された謎を解説!どんな人物?歴史や絵の特徴とは?
歴史の教科書で目にしたことがある「ザビエルの絵」は、17世紀におそらく日本人絵師によって制作された作品です(作者不明)。日本で長く続いた禁教令(キリスト教を制限する法令)によりほかの多くのキリシタン作品が失われているため、この「ザビエルの絵」は貴重な存在です。
ザビエルの絵, 作者不明, Public domain, via Wikimedia Commons
この記事では、誰もが目にしたことがありながら実はあまりよく知らない本作品について、時代背景や作品の特徴を解説します!
宣教師・聖フランシスコ・ザビエルはどんな人?
『ゴヤで祈りを捧げる聖フランシスコ・ザビエル』, アンドレ・レイノソ, Public domain, via Wikimedia Commons
フランシスコ・ザビエル(1506-1552年)は、スペインのカトリック宣教師です。現在でもローマ・カトリック教会のなかで重要な地位を占める「イエズス会」の共同創立者でもあります。
日本ではとくに、ザビエルがポルトガル帝国の代表として日本にキリスト教を広めるために派遣されたことで知られます。鹿児島など九州を中心に宣教活動をおこない、多くの日本人のキリスト教改宗に成功しました。
ザビエルは宣教師として日本の地を踏んだ初めてのイエズス会士であり、半世紀にわたりアジアでの宣教活動はイエズス会のみでおこなわれました。2年以上日本で働いたのち、ザビエルはすでに活動の拠点があったインドに戻り、インドから中国に向かう途中で亡くなりました。
ザビエルの絵が描かれた時代背景
『Japanese Christians In Portuguese Costume』, 作者不明, Public domain, via Wikimedia Commons
ザビエルが日本で活動した2年間で、九州には多くのキリスト教徒が生まれました。しかし、活動規模が大きくなるにつれ政府や他の宗教団体からの反発が強まり、布教活動は順風満帆とは言えませんでした。キリスト教の教えが社会の秩序を乱す可能性があると、危険視されていたためです。
布教がうまくいかなかったのは、キリスト教の教えが当時の日本の宗教観にマッチしなかったことも理由の1つです。当時、国民の大半が仏教か神道を信仰していた日本では、絶対的な神の存在を受け入れづらい土壌がありました。
仏教や神道の考えのなかでは、善悪が存在する世界を基本としています。そのため、「絶対的に善良な神」が世界を作ったにもかかわらず、世の中に悪が存在することを納得させることは困難だったのでしょう。
ザビエルの活動によりキリスト教徒に改宗した人々は、政府からの迫害を受けながらもひっそりと信仰を守り続けます。有名なザビエルの絵は、17世紀前半、少なくともザビエルがこの世を去ってから数十年経ってから制作されたものです。
ザビエルの絵の特徴
ザビエルの絵, Public domain, via Wikimedia Commons
ザビエルの絵は、前方に描かれたザビエル像と、ザビエルが手に持つ心臓から伸びるイエスの磔刑像、オレンジ色の空、雲の周辺を舞う3人の天使が主な構成要素です。下部には「S.P.FRÃCISCUS XAVERIUS SOCIETATISV」の碑文と、 墨筆にて「瑳聞落怒青周呼山別論廖瑳可羅綿都 漁父環人」と書かれた部分があります。
イエス磔刑像の後ろに赤字で描かれた「IHS」は、ザビエルが所属していた修道会「イエズス会」を象徴です。手に抱える「燃える心臓」は西洋におけるザビエルの肖像では一般的なシンボルではありませんが、祈りのあとにザビエルの胸が腫れあがった伝説を基に加えられたと考えられています。
ザビエルの口から右上に向かって伸びる文字は、ラテン語で「Satis est Domine, Satis est.(充分です、主よ、充分です)」の文です。ザビエルが祈りで得た神との交信のなかで、神の愛に触れて叫んだ言葉と言われます。
背後の天使は、身体がなく顔から直接翼が生えていますね。アンバランスで不思議な存在に感じられますが、キリスト教の伝統においては天使にも階級があり、正式に認められた天使の図像なのです。
見慣れた絵でも細かく観察すると、新しい発見がありますね。以上、ザビエルの絵の時代背景と特徴解説でした!
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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