LIFE
2026.1.30
レオ・レオニの世界を“触れるアート”へ──印傳屋の『フレデリック』
冬に備えて食料を集める仲間たちの横で、ひとり静かに光や色、言葉を集めていた野ねずみ――。
レオ・レオニの名作絵本『フレデリック』は、想像力こそが人を生かす力になることを、やさしく力強く描いてきました。
その世界観がいま、創業1582年の老舗・印傳屋上原勇七の手によって、鹿革と漆という日本の伝統素材の上に描き直されます。
2026年2月1日より発売される「印傳屋 絵本作品コレクション」第2弾は、『フレデリック』と甲州印伝の出会いから生まれた、まさに“触れる絵本”のような作品群です。
目次
コラージュの詩情を、鹿革と漆でどう翻訳するか
Copyright © 2026 by Blueandyellow, LLC Licensed by Cosmo Merchandising
レオ・レオニの絵本表現の特徴は、紙をちぎり、重ね、配置するコラージュの手法にあります。
その「切り貼りの痕跡」や、素朴で有機的な輪郭を、工芸としてどう再構築するか――今回のコラボレーションは、そこから始まりました。
印傳屋は本作のために、
・鹿革のベージュの色味
・漆の質感と光沢
・更紗技法による色彩の重なり
を一から開発。
フレデリックや仲間のねずみ、小石や草花、さらには手書きの「Frederick」の文字まで、絵本ならではのタッチを“模様”として成立させることに挑んでいます。
すべての工程は、甲州印伝400年の技を受け継ぐ職人による手作業。
漆付けの繊細な工程と、多色を重ねる更紗技法が交差することで、平面でありながら奥行きを感じさせる、豊かな表情が生まれました。
後ろ姿に宿る、物語の余白
今回のコレクションで印象的なのは、フレデリックやねずみたちの「後ろ姿」がさりげなくあしらわれている点です。
とくにペンケースやポーチでは、前を向かず、どこかへ歩いていくようなねずみたちの姿が描かれています。
それは物語のクライマックスではなく、物語が始まる前、あるいは続いていく途中の一瞬のようにも見える。
持ち主が日常の中でこのアイテムを使うたび、
「このねずみたちは、いま何を集めているのだろう」
そんな想像の余白が、静かに立ち上がります。
“使う”ことで完成する、実用美としてのアート
展開されるのは、小銭入、長財布、パスケース、ポーチ、ペンケースなど全7種類。
いずれも印傳屋らしい、薄さや持ちやすさ、耐久性を備えた設計です。
けれど本作において重要なのは、スペック以上に、
時間とともに手に馴染み、記憶が重なっていくこと。
印伝は、使い込むほどに革が柔らかくなり、漆の表情も深まります。
それはまるで、何度も読み返されて角が丸くなった絵本のよう。
このコレクションは、「所有するアート」ではなく、「人生の中で育てるアート」と言えるでしょう。
絵本が教えてくれたことを、次の世代へ
印傳屋の「絵本作品コレクション」は、
“人が生きるうえで大切なことを伝え続けてきた絵本”への敬意から生まれました。
親から子へ。
大切な人から、また別の誰かへ。
贈られ、使われ、記憶をまといながら受け継がれていく――
その循環そのものが、『フレデリック』の物語と深く響き合っています。
即日完売した『スイミー』も、同日再販へ
なお、絵本コレクション第1弾として発表され、即日完売となった『スイミー』シリーズも、
『フレデリック』発売と同日の2026年2月1日より再販が決定。
漆の艶で表現された黒い魚の群れは、『フレデリック』とはまた異なる力強さを放ち、
レオ・レオニ作品の多様な表現世界を、工芸という視点から照らし出します。
想像力は、形を変えて生き続ける
Copyright © 2026 by Blueandyellow, LLC Licensed by Cosmo Merchandising
フレデリックが集めたのは、目に見えないもの。
けれどそれは、冬を越えるために必要な“力”でした。
400年の時を超えて受け継がれてきた甲州印伝の技法もまた、
目に見えない時間や想いを、確かな「かたち」として残してきた表現です。
絵本と工芸。
異なる文脈をもつふたつの表現が出会ったとき、
私たちはあらためて、アートが日常に根づく意味を思い出すのかもしれません。
発売日:2026年2月1日(日)
販売場所:印傳屋直営店、公式オンラインショップ
▶ 特設サイト
https://inden-ya.shop/apps/note/special-frederick/
▶ 『スイミー』特設サイト
https://inden-ya.shop/apps/note/special-swimmy/
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