STUDY
2023.6.16
「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が待ちきれない!【最終回】カサ・バトリョの特徴
スペイン・カタルーニャを代表する建築家アントニ・ガウディは、数多くの作品をスペインに残しました。「カサ・バトリョ」はその1つで、バルセロナにある邸宅が現在では一般客にも公開されています。
Photo by Txllxt TxllxT, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
この記事では、2023年6月13日(火)から9月10日(日)まで東京国立近代美術館で開催されている『ガウディとサグラダ・ファミリア展』をより楽しむための解説をしていきます。
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最終回となる今回は、建築家ガウディの代表作の1つ「カサ・バトリョ」について詳しく紹介します。
カサ・バトリョを知るためのポイント①:カサ・バトリョの歴史
Photo by tato grasso, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons
カサ・バトリョは、バルセロナの大通りグラシア通りにある建物です。1875年にガウディの建築学校の先生の1人であったエミリオ・サラ・コルテスによって建築されました。
依頼主であるバトリョは、すでにグエル公園やマヨルカ大聖堂の修復などで結果を残していたガウディに感銘を受け、設計の一部を依頼します。カサ・バトリョの建築の中で、ファサード、メインフロア、中庭、屋根と、洗濯室や倉庫のために5階をガウディが担当しました。
ガウディの構想は当時の建築業界において突飛なアイデアばかりだったため、建築業務は大幅に遅延します。当初の案に比べると、現在残っている実際の建築は大きく変更されています。
1906年には検査官により違法な建築であると判断されたにもかかわらず、建築作業は続行されました。1912年に正式に認められ、バルセロナ市議会が開催する芸術コンクールで優勝を飾りました。
カサ・バトリョを知るためのポイント②:カサ・バトリョの特徴
Photo by Simon Burchell, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ガウディの建築はこのように、自由で強いデザイン性を兼ね備えているものが多いですが、決して機能性を無視していたというわけではありません。カサ・バトリョの建築の特徴は、歴史主義の流れを汲んでいるものの、独創的で革新的なデザインにともなう機能性です。
たとえばカサ・バトリョは採光と換気ができる構造を備えており、自然の力を使って人が居住しやすい環境を作っています。建物の中央部には中庭があり、ここから光を取り込み、風通しを確保しています。タイルは上部の青から下部の白に向かってグラデーションになっており、水中にいるような感覚に陥ります。
カサ・バトリョを知るためのポイント③:カサ・バトリョの見どころ
Photo by ChristianSchd, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
カサ・バトリョの見どころは、ファサード(正面外壁)です。カサ・バトリョのファサードは通常の平面的な構造とは大きく異なり、全面に突き出すように波打つ独特の形状をしています。
シュルレアリズムの巨匠サルバドール・ダリはこのバルコニーについて、「ガウディは海の形に家を建て、その上に穏やかな波を立てている」と表現しました。
ファサードを装飾するガラスや陶器は、ガウディ自身が仕入れたものを指示通りに配置した結果です。ガラスや陶器で覆われた壁は、光の当たり具合によって異なる表情をもちます。ファサード全体の視覚効果をつくり、幻想的なデザインを強調しました。
バルコニー部分は鉄製ですが、さびて劣化しないよう炭酸鉛で塗装されています。そのため、カサ・バトリョ独特のアイボリー色のバルコニーとなっています。
▼「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が待ちきれない!【第1回】建築家・ガウディの人生
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展覧会情報
ガウディとサグラダ・ファミリア展
開催期間:2023年6月13日(火)~9月10日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開館時間:10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで)
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
公式サイト:https://gaudi2023-24.jp/
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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