STUDY
2022.6.2
【ローマ】予約必須!大人気ボルゲーゼ美術館で絶対見逃せない作品3選
数多くの美術館があるローマでも、「ボルゲーゼ美術館」 は常に予約で埋まっている人気の美術館です。
ボルゲーゼ美術館は街の中心にあるボルゲーゼ公園の中にあり、平日の昼間でも予約をしないと入れないほどの集客力があります。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『プロセルピーナの略奪』(撮影:Sonse), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
今回の記事では、現役ローマ美術史大学院生の筆者が、ボルゲーゼ美術館の見どころを3つにまとめて紹介します。
ボルゲーゼ美術館見どころ①:ベルニーニの傑作たち
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『アポロとダフネ』(撮影:Architas), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ボルゲーゼ美術館と言えば、なんといってもベルニーニ!
「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」とまで言われるほど、ベルニーニはローマと結びついた芸術家です。
それだけではなく実はベルニーニは、同じく彫刻家であった父がローマでボルゲーゼ家に勤めていた影響で、幼い頃からボルゲーゼ家と強いつながりを持っていました。
ボルゲーゼ家の保護のおかげで幼い頃から彫刻の才能を遺憾なく発揮し、同家の依頼で制作した『アイネイアースとアンキーセース』『プロセルピーナの略奪』『ダヴィデ』『アポロとダフネ』がきっかけで一躍名声を手に入れました。
この4つの作品は現在でもボルゲーゼ美術館に保管されており、間近に作品の息遣いを感じることができます。
正直、この4作品を見るためだけでもボルゲーゼ美術館を訪れる価値があります。
大理石は繊細な素材であり、力を入れなければ削ることはできず、入れすぎると割れて作品が壊れてしまいます。
この微妙な力加減を調節し、まるで大理石が生きているかのような圧倒的な情景を生み出すことができるベルニーニは、間違いなく歴史に残る天才でした。
ボ ルゲーゼ美術館見どころ②:カラヴァッジョの間
カラヴァッジョ『ゴリアテの首を持つダヴィデ』, Public domain, via Wikimedia Commons
ボルゲーゼ美術館は、多くのカラヴァッジョ作品を所蔵していることでも知られています。
美術館の一室にはカラヴァッジョ作品がずらりと展示されており、ここだけでもかなり見ごたえがある空間です。
作品の例としては、『ゴリアテの首を持つダヴィデ』や『果物籠を持つ少年』などが挙げられます。
『ゴリアテの首を持つダヴィデ』の作品に出てくる生首はカラヴァッジョの自画像と言われ、左側半分はすでに死んでいて、右側半分はまだ生きている表情だと言われています。
ボルゲーゼ美術館見どころ③:ラファエロ
ラファエロ『キリストの埋葬』, Public domain, via Wikimedia Commons
ボルゲーゼ美術館にはベルニーニやカラヴァッジョの名作が集まっているため、他の芸術家は脚光を浴びづらくなっています。
しかし、ボルゲーゼ美術館にはラファエロなどの巨匠の作品も多く所蔵されています。
特に見逃してほしくないのが、ラファエロの『キリストの埋葬』です。
邦題は『キリストの埋葬』となっていますが、実際のところはこのシーンはキリストの降架と埋葬の中間くらいのシーンだと言われています。
作品を見たときに感じる最初の違和感として、イエスがメインのはずの主題の作品で、イエスよりも目立った場所に描かれている青年に気づきます。
これは、作品の依頼主アタランタ・バリオーニの殺害された息子グリフォネット・バリオーニだと考えられています。
依頼主は、息子の記念のためにラファエロにこの祭壇画を依頼しました。
ラファエロは愛する者を失った悲しみを受け止め、最適な構図を見つけるためにたくさんの下絵を残しています。
最終的に行き着いたこの構図では、息子グリフォネット・バリオーニは凛々しく優美な姿で描かれています。
ベルニーニ、カラヴァッジョ、だけじゃない!
ボルゲーゼ美術館は見どころを3つにまとめるのが難しいくらい、とにかく重要な作品の多い美術館です。
特に ベルニーニの名を挙げた4つの名作は、作品に接近して見ることができるため、いろんな角度から観察してほしい作品です。
ぜひゆっくり時間をとって訪れてみてくださいね。
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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