LIFE
2026.9.24
究極の画集×絶好の美術鑑賞ガイド!『完全解読 世界の美術』500点以上の名作をパーツごとに解読する一冊が新発売
英・DK社が編んだ美術図鑑『完全解読 世界の美術』が、河出書房新社より2026年9月16日に発売されました。先史時代の壁画から現代のグラフィティまで、古今東西の名作500点以上を収めた一冊です。
目次
洞窟壁画から、ダ・ヴィンチ、北斎、バンクシーまで
モネ、ゴッホ、フェルメール、ダ・ヴィンチ……。近年はさまざまな美術展が大きな話題となり、記録的な来館者を集めています。アート市場も依然として活況が続いているとのこと。名作を前にして「この作品の秘密をもっと知りたい」「もっと深く味わいたい」と感じた経験のある方も、多いのではないでしょうか?
『完全解読 世界の美術』は、多彩な図鑑やビジュアル本で世界的に評価されているイギリスのDK社が、美術界に名を馳せる3名の監修者と、総勢30名の寄稿陣を迎えて完成させた一冊です。日本語版の翻訳は、『英国の邸宅遺産』などを手がけた翻訳家のダコスタ吉村花子さんが担当しています。
収録されているのは、先史時代の彫像や壁画から、各国の美術館が所蔵する不朽の名作、ポップ・アートやグラフィティといった現代アートまで、500点以上の美術作品。名だたる作品がただ並んでいるのではなく、作品の細部にクローズアップしながら配色や構図の特徴を解説し、その成り立ちや関連作品についてのコメントとともに紹介していく構成になっています。
A4判変形・上製で512ページという堂々たるボリューム。眺める喜びと、調べる便利さを兼ね備えた「究極の画集 × 鑑賞ガイド」といえそうです。
「名作が名作である理由」。山田五郎さんが寄せた推薦のことば
本書には、評論家の山田五郎さんが推薦コメントを寄せています。
美術の歴史だけでなく「名作が名作である理由」も学べる
―― 山田五郎
山田五郎さんは、YouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」をはじめ、多くの著作やテレビ・ラジオへの出演を通じて、美術の奥深い魅力を伝えつづけてこられた方です。2026年7月に逝去されましたが、本書にはその推薦のことばが残されました。「名作が名作である理由」という一言は、本書の性格をそのまま言い当てているようにも感じられます。
1ページ大、見開き2ページ大。図版の迫力がまず違います
本書の特徴としてまず挙げられるのが、図版の大きさです。作品は1ページ大、あるいは見開き2ページ大で掲載され、筆致や質感まで味わえる仕上がりになっているとのこと。
画集としての見応えがしっかり確保されているので、解説を読まずにただページをめくっていくだけでも十分に楽しめそうです。大判の本ならではの贅沢さは、電子の画面ではなかなか味わえないところではないでしょうか。
配色の狙いは?モデルは誰?――パーツごとの徹底解説
もうひとつの柱が、作品をパーツごとに分解して読み解いていく解説です。
配色や構図にはどんな狙いがあるのか。描かれている人物のモデルは誰なのか。この事物は何を象徴しているのか。そうした問いに答えていく形で、絵の見方が深まったり、ときには一変したりするような知識が得られる構成になっているそうです。
一度知ってしまうと、その作品を見るたびに思い出してしまう——美術鑑賞の楽しさは、案外そういう細部から広がっていくものかもしれません。
女性芸術家も、アジア・アフリカ・中南米の美術も
注目が高まっている女性芸術家を数多く紹介している点も、本書の特徴として挙げられています。
さらに、西洋美術以外にも、日本を含むアジアやアフリカ、中南米などの芸術家を幅広くカバー。目次を見ると、メソポタミア文明やインダス文明、ノク文化、ヨルバ文化、マヤ文明、アステカ文明、ベニン王国の美術、イスラム写本、宋・元や明の絵画、インド細密画といった項目が並びます。もちろん雪舟・狩野派、歌麿・写楽、北斎・広重といった日本美術の章も設けられています。
「世界の美術」というタイトルが看板倒れになっていないのが、うれしいポイントです。まだ見ぬ傑作との出会いがありそうですね。
「神話画」「自画像」「戦争画」。テーマで横断すると見えてくるもの
本書は6つの章で時代を追う構成に加えて、10のテーマ展示を見開きで設けています。
テーマとして挙げられているのは、裸体画、神話画、宗教画、自画像、静物画、風俗画、歴史画、風景画、肖像画、動物画、抽象芸術、戦争画といった切り口。時代や地域を横断して作品を並べて眺めることで、年代順に追っているだけでは気づけなかった共通点や差異が浮かび上がってきそうです。
同じ「自画像」でも、時代が変われば描く動機も変わります。並べて見るという体験そのものが、本という形の強みなのかもしれません。
300人以上の「芸術家一覧」が、展覧会の予習・復習に効きます
巻末には、本書に登場する300人以上の芸術家のプロフィールが一挙に掲載されています。
これがなかなか実用的で、気になる作家を見かけたときにすぐ引ける人名事典として機能してくれるとのこと。展覧会に出かける前にざっと目を通しておく、あるいは帰ってきてから気になった作家を調べ直す、といった使い方ができそうです。作品収集の参考資料としても頼りになりそうですね。
入門者からアート上級者まで、手元に置いて長く付き合える一冊になりそうです。
この秋の展覧会めぐりのお供に
秋は展覧会シーズン。どこへ出かけようか迷っている方は、【2026年9月のおすすめ展覧会5選】レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作から知られざる宮中晩餐会の世界まで。もあわせてご覧ください。本書で予習してから足を運べば、いつもの一枚がまた違って見えてくるかもしれません。
ちなみに、冒頭で名前を挙げたフェルメールについては、フェルメールにも“挫折”があった?《ディアナとニンフたち》から読み解く巨匠の夢で初期作品から読み解いています。「名作が名作である理由」を考えるうえでも、あわせて読んでみてください。
書籍情報
書名:完全解読 世界の美術
編者:DK社
訳者:ダコスタ吉村花子
仕様:A4判変形/上製/512ページ
発売⽇:2026年9⽉16日
定価:9,350円(本体8,500円)
ISBN:978-4-309-25821-8
装幀:松田行正+倉橋弘(マツダオフィス)
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