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EVENT

2024.12.4

東京国立博物館にあそびばが登場!親子で気軽に楽しむ場所を目指して

親子で博物館に行きたいけれど、「子どもが騒いだらどうしよう」「赤ちゃんをお世話するスペースがないと困る」など、お出かけに不安がある方もいらっしゃいますよね。

東京国立博物館では、お子様と親御さんが気軽に楽しめる「あそびば」が期間限定でオープンしています。「あそびば☺とーはく!」というイベントで、2024年12月8日(日)まで開催中です。

この記事では、筆者が親子でイベントを訪れた様子をレポートします。博物館にあまり足を運ばない方も気楽に利用できるので、ご興味をお持ちいただけたら幸いです。

東京国立博物館の「あそびば」レポート

東京国立博物館 本館

東京国立博物館の「あそびば☺とーはく!」は、0〜12歳のお子様と親御さんが自由に遊べるスペースです。完全個室で授乳やおむつ替えができるベビーケアルームもあり、赤ちゃんも一緒に来場できます。

会場内は撮影OKなので、家族の思い出を残せますよ。
※他のお客様が写り込まないよう配慮するなど、ルールを守ってご利用ください。

筆者は、11月の休日に、夫と3歳の娘とともに会場を訪れました。休日は予約制のため、予約サイトから午後の回に申し込みました。

予約は、利用日当日の9時30分〜16時30分に予約サイトまたは会場の端末で行います。筆者は9時30分に予約しましたが、午前中の回はあっという間に満員になりました。

会場に到着する頃には、当日の予約は終了していました。

13時前に東京国立博物館に到着すると、大勢の人で賑わっていました。会場は、本館1階の特別5室です。建物の正面エントランスを入って右手にあります。

「あそびば☺とーはく!」の入り口に向かうと、奥にカラフルで楽しそうな空間が広がっていて、娘は「早く遊びたい」と気が急いている様子でした。

「あそびば☺とーはく!」入り口

「あそびば☺とーはく!」とーはく古墳

中央のグリーンのステージが「とーはく古墳」

中に入ってまず目に入るのは、全長約12メートルもある「とーはく古墳」です。動物や花をかたどったクッションで遊べます。

「埴輪(はにわ)踊る人々」のユニークなクッションも人気で、一緒に撮影しているお子様もいました。

「とーはく古墳」の階段

「とーはく古墳」の階段は、角の部分が柔らかい素材で保護されているので、小さなお子様も安心して遊べます。

「あそびば☺とーはく!」こども遺跡(ボールプール)

会場内で特に賑わっていたのが「こども遺跡(ボールプール)」です。

ボールプールには埴輪のぬいぐるみなどが隠されており、子どもたちが考古学者となって宝物を探します。

泳いで遊ぶ子もいれば、宝物を発見して親御さんに報告する子もいて、思い思いに楽しんでいました。
※「こども遺跡(ボールプール)」の対象年齢は2歳以上です。

「あそびば☺とーはく!」リラックスエリア

リラックスエリアのぬり絵コーナー

「あそびば☺とーはく!」には、身体を動かすだけでなく、本を読んだりぬり絵をしたりするエリアもあります。

子ども向けの本は200冊以上あり、英語、中国語、韓国語など多言語版も揃っていました。本館1階のミュージアムショップで購入できます(一部例外もあります)。

ぬり絵コーナーには、小さなお子様が握りやすいクレヨンが用意されています。娘はぬり絵が好きなので、夢中で描いていました。

他にも、バラバラになった埴輪を組み立てる「はにわパズル」がありました。

カームダウンスペース

また、特徴的だったのは、気持ちを鎮めるための個室「カームダウンスペース」があることです。刺激から離れたい時に利用できます。

中に入ってみると室内は薄暗く、ビーズクッションや気分を落ち着けるアイテムが置かれていました。ヘッドホンで音を遮断したり、感触遊びに集中したりすると、気持ちを緩めることができます。

このように、「あそびば☺とーはく!」は、元気に動き回りたい子も、落ち着いて好きなことに集中したい子も、自分に合った過ごし方を見つけられる場所だと感じました。

赤ちゃんのお世話ができるエリアも

ベビーケアルーム

「あそびば☺とーはく!」には、赤ちゃんのお世話ができる設備もあります。

ベビーケアルームは完全個室で、授乳やおむつ替えができる部屋です。女性に限らず、男性も利用可能です。会場内に設置されているので、空いていれば必要なタイミングですぐに使えます。

ベビーエリア

また、ベビーケアルームのそばには、1歳以下のお子様だけが利用できるベビーエリアがあります。赤ちゃん用のおもちゃや絵本で遊べますよ。

お子様が口に入れたおもちゃは、スタッフが定期的に清掃を行い、安心して使えるよう配慮されていました。

子育て世代の声をもとに作られた「あそびば」

来場者が書いた感想を掲示するコーナー

子どもも大人ものびのびと過ごせる「あそびば☺とーはく!」。イベントが企画された背景には、総合文化展(平常展)に来館した方々のこんな声がありました。

・(保護者が)子どもに作品の説明をするのはハードルが高い
・授乳室や飲食可能な休憩スペースなど、子どもと過ごすための環境が十分に整備されていない
・「騒いではいけない」「走ってはいけない」などの展示室におけるルール・マナーは、子連れで観覧する際に厳しいと感じる

「あそびば☺とーはく!」プレスリリース(掲載日:2024年8月20日(火))p.4より抜粋

東京国立博物館では、すべての世代が文化財に親しめる博物館を目指して事業を展開しています。

しかし、総合文化展の来館者のうち、子どもの割合は10%前後で推移しているそうです。
そこで、来館者の声をもとに、「あそびば☺とーはく!」が試験的にスタートしました。

また、来館者の要望に応えるため、以下の工夫がされていました。
・⼦ども向けに博物館を楽しむためのリーフレットを配布
・会場内と外にベビーケアルームを設置
・会場内に水分補給スペースを設ける

リラックスエリアにある博物館のリーフレット。博物館を楽しむポイントが分かりやすく書かれています。

会場内の水分補給スペース

期間限定のイベントですが、この企画をきっかけに、東京国立博物館のサービスを利用者の立場から見直していくとのことです。

実際に、「あそびば☺とーはく!」でもアンケートを実施しており、スタッフが来場者に「ぜひご意見を聞かせてください」と促していました。

子育て世代の声をもとに、親子で気兼ねなく利用できる場所を目指していることが伝わってきます。

まとめ:親子で楽しむ博物館へ

子どもたちが一番楽しかったエリアにシールを貼るコーナー

筆者自身、「博物館は静かに展示を見る場所」というイメージを持っており、未就学児の娘を連れて行くには抵抗がありました。

しかし、「あそびば☺とーはく!」を訪れて、印象がまったく変わりました。「あそびば」で楽しい時間を過ごしただけでなく、娘が総合文化展にも興味を持ったからです。

娘が仏像や工芸品に関心を示すとは予想もしなかったため、驚きました。「あそびば」での経験を通じて、展示も面白いと感じたのでしょう。

「あそびば☺とーはく!」のウェブページには、こんな一文があります。

「博物館で思い切り遊んで、未来を担う子どもたちに、『楽しかった!』という気持ちを持ち帰っていただきたい」
東京国立博物館「あそびば☺とーはく!」ウェブページより抜粋


子どもたちに「博物館は楽しい」と感じてもらえれば、誰でも気軽に来られる場所になっていくと実感しました。

博物館にお子様と行くのをためらっている方も、「あそびば☺とーはく!」を入り口に、ぜひ博物館の面白さに触れてみてくださいね。

《参考》
東京国立博物館「あそびば☺とーはく!」ウェブページ
「あそびば☺とーはく!」プレスリリース(掲載日:2024年8月20日(火))

イベント情報

あそびば☺とーはく!

会期:2024年11月8日(金)~2024年12月8日(日)
会場:東京国立博物館 本館特別5室
開催時間:10時00分~16時45分(最終入場16時30分)
※総合文化展や、開催中の特別展等の開館時間とは異なりますのでご注意ください。
休館日:月曜日

対象:小学生以下のお子様とその保護者の方
※18歳以上の保護者または引率者の方がお子様とご一緒にご利用ください。お子様のみ、または中学生以上の方のみではご利用いただけません。
※保護者1名につき、お子様は最大3名までご入場いただけます。
※1グループ最大6名までご入場いただけます。団体利用は受け付けていません。

博物館公式ウェブサイト:あそびば☺とーはく!

【写真21枚】東京国立博物館にあそびばが登場!親子で気軽に楽しむ場所を目指して を詳しく見る
浜田夏実

浜田夏実

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アートと文化のライター。アーティストのサポートや、行政の文化事業に関わった経験を活かし、インタビューや展覧会レポートを執筆しています。難しく考えがちなアートを解きほぐし、「アートって面白い」と感じていただける記事を作成します。

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