EVENT
2026.2.6
【京橋】川端健太 個展「document / skin」──触れること、感じること、その手前にある感覚へ。
情報化・非接触化が進む現代社会において、私たちはどれほど「触れること」を意識しているでしょうか。
スマートフォンの画面越しに世界とつながり、言葉や画像で無数の情報を受け取る一方で、
身体的な実感は静かに後景化しているようにも思えます。
そんな時代の感覚に、あらためて問いを投げかけるのが、川端健太による個展「document / skin」。
2026年3月7日より、Gallery & Bakery Tokyo 8分にて開催されます。
本展は、「皮膚感覚」や「触覚」という身体的でありながら多層的な感覚を起点に制作されてきた川端さんの新作絵画と、修士・博士課程時代の作品を組み合わせた構成。
“皮膚=skin”を、外界と接触する境界であると同時に、経験が刻まれる記録媒体(document)として捉える視点が、会場全体を貫きます。
触覚をめぐる絵画──イメージの「表面」に潜む緊張
参考作品 oil and acrylic on panel 2025
川端さんの絵画は、一見すると静かでミニマルな佇まいを見せます。
しかし近づいてみると、鉛筆やアクリル、油彩によって重ねられた痕跡が、かすかな凹凸や線となって現れ、「触れられそうで触れられない」距離感を生み出します。
モチーフとして繰り返し登場するのは、「手」「パスポート写真」「幼児」といった、皮膚を通して他者との関係性が露わになる存在。
それらは、原初的な接触への希求と、社会制度によって管理される身体という二極的な状況を象徴しています。
川端さんは、皮膚感覚を単なる生理的機能ではなく、
自己の境界を認識し、他者や世界との関係性を構築するための知覚領域として捉えます。
本展は、私たちが「世界をどう受け取っているのか」という前提そのものを揺さぶる試みでもあります。
学生時代の作品から最新作まで──思考の軌跡をたどる展示構成
出展作品 pencil and acrylic on panel 1300 × 1010mm 2025
展示には、新作絵画に加え、修士・博士課程で制作された作品も含まれます。
若い時期の試行錯誤と、現在の成熟した表現が同時に並ぶことで、川端さんの思考がどのように深化してきたのかを立体的に読み取ることができます。
2019年に東京藝術大学大学美術館に作品が収蔵され、2023年には岡本太郎現代芸術賞に入選。
そして2026年、野村美術賞を受賞するなど、着実に評価を高めてきた川端さん。その歩みの節目に立ち会える機会とも言えるでしょう。
参考作品 oil and acrylic on panel 2025
アートとパンと余韻──「8分」で過ごす体験
会場となるGallery & Bakery Tokyo 8分は、ギャラリーとベーカリー&カフェが併設されたユニークな空間。
アートを鑑賞した後、その余韻のままコーヒーやパンを楽しみ、作品について語り合うことができます。
“鑑賞するだけで終わらない”体験の場として設計されたこの場所は、「触覚」をテーマとする本展とも静かに共鳴します。
展覧会情報
川端健太 個展「document / skin」
会期:2026年3月7日(土)〜4月7日(火)
※レセプション:3月6日(金)19:30〜21:00
会場:Gallery & Bakery Tokyo 8分
住所:東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 1F
営業時間:8:00〜19:00
休み:会期中無休
観覧料:無料
展覧会ページ:https://artsticker.app/events/112268
画面越しでは得られない、「見る」と「触れる」のあいだにある感覚。
川端健太の絵画は、その曖昧で切実な領域へと、私たちを静かに誘います。
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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
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