EVENT
2026.3.26
竹久夢二が描いた歌舞伎の美。創立60周年記念「夢二と歌舞伎」展の見どころと初公開作品を解説
岡山の観光スポットとしても人気の夢二郷土美術館で、創立60周年を記念した注目の展覧会「夢二と歌舞伎」展が2026年3月27日から開催されます。
竹久夢二と歌舞伎の深い関係性をテーマにした本展は、初公開の貴重なスケッチや、夢二最大級の屏風作品、さらには歌舞伎界の至宝・坂東玉三郎氏との豪華な映像作品まで魅力的な作品が展示され、、大正ロマンのアートファンのみならず、伝統芸能ファンからも必見です。
目次
夢二の感性を形作った「歌舞伎」という原体験
竹久夢二といえば、どこか儚げで愁いを帯びた「夢二式美人画」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、その造形美のルーツの一つが「歌舞伎」にあったことは、意外と知られていないかもしれません。
夢二は幼少期を過ごした岡山で芝居に親しみ、舞台上の役者の所作、艶やかな衣装、そして物語に流れる義理人情に強く惹かれました。本展では、夢二が歌舞伎からどのようなインスピレーションを受け、それを自身の芸術へと昇華させていったのかを、100点を超える膨大な資料から紐解きます。
【作品点数】107点(予定)
屏風作品4点、軸装作品29点、額装日本画8点、スケッチ・水彩画等10点、木版7点、著作本装幀本24点、楽譜5点、雑誌7点、その他(千代紙など)13点(内初公開2点)
圧巻のスケール!最大級の屏風作品《一力》が語るもの
本展の目玉の一つが、夢二の現存作品の中でも最大級のサイズを誇る《一力(いちりき)》です。
『仮名手本忠臣蔵』の有名な一幕「一力茶屋」をモチーフにしたこの作品は、縦約1.7メートル、横約3.5メートルという巨大な屏風絵。主君の仇討ちという悲願を胸に秘め、あえて放蕩にふける大石内蔵助と、華やかな遊女たちの対比が見事に描かれています。
夢二独特の「S字ライン」で描かれた女性たちの立ち姿や、モダンな着物のデザイン。伝統的な題材を扱いながらも、夢二らしい現代的センスが光る傑作を至近距離で体感できる貴重な機会です。
ファン垂涎!初公開の「外遊スケッチ」に宿る日本への想い
本展では、待望の初公開作品も登場します。
それが、夢二が晩年に欧米を旅した際に持ち歩いていた「正木不如丘旧蔵 外遊スケッチ」です。
海外という異国の地にありながら、夢二が描いたのは《琴を弾く女性》や《三味線を持つ女》といった、日本の情緒あふれる姿でした。
病に倒れる直前まで、彼が追い求め続けた「日本の美」への情熱。鉛筆一本で描かれた繊細なラインからは、夢二の心の震えまで伝わってくるようです。
【初公開作品】
「正木不如丘旧蔵 外遊スケッチ」のうち
《琴を弾く女性》紙・鉛筆 1931-32(昭和6-7)年
《三味線を持つ女》紙・鉛筆 1931-32(昭和6-7)年
伝説の共演。坂東玉三郎による映像「夢二慕情」特別上映
さらに今回の展覧会を特別なものにしているのが、現代歌舞伎界の至宝・坂東玉三郎氏とのコラボレーションです。
2025年に京都・南座で話題を呼んだ映像作品「夢二慕情」が、本展で特別上映されます。玉三郎氏が夢二の愛した3人の女性(たまき・彦乃・お葉)を演じ分けるという、この上なく贅沢な映像。夢二の名作《立田姫》が展示されている空間でこの映像を鑑賞する体験は、まさに絵画と舞台が共鳴する瞬間といえるでしょう。
特別協力:松竹株式会社
日程:2026年5月3日(日・祝)
17:30 開場
17:35-18:00 「夢二と歌舞伎」展の学芸員の解説付き貸切鑑賞
18:00-18:40 映像「夢二慕情」上映
定員:60名(要予約・先着順)
お申込み先:夢二郷土美術館 本館まで(TEL、E-mail)
参加費(税込):1,500円、大学生以下は1,000円(入館料込、ゆめびぃ会員は500円)
<映像>「夢二慕情」について
原案:岩谷 時子
語り手 たまき・彦乃・お葉:坂東 玉三郎
竹久夢二:坂東 功一
夢二の声:三原 邦男
映像制作:松竹株式会社
五感で楽しむ!「体験型」のアートイベント
ただ鑑賞するだけでなく、展示の世界観に浸れるイベントも充実しています。
和装での来館特典
着物や浴衣で訪れると、オリジナル絵はがきがプレゼントされます。
Art×Well-Being
閉館後の静かな展示室で、専門トレーナーによる「美姿勢づくり」を開催。美しい絵画に囲まれて心身を整える、究極のリフレッシュタイムです。
開催日:2026年5月30日(土)17:30-18:30
場所:夢二郷土美術館本館 展示室
参加費(税込):2,000円(入館料込・ゆめびぃ会員は1,000円)
定員:先着20名(要予約)
講師:RR Conditioning & SPA コンディショニングコーチ
お申込み先:夢二郷土美術館 本館まで(TEL、E-mail)
宵の夢二 プレミアムツアー
閉館後の貸切鑑賞に、学芸員の解説とともに楽しむことができるお土産付きツアー。
お庭番頭ねこ「黑の助」のお迎えがつくという、ファンにはたまらない企画も。
定員:最少催行人数5名(要予約・先着順)
参加費(税込):一般1,300円、中高大学生900円、小学生800円
お申込み先:夢二郷土美術館 本館まで(TEL、E-mail)
おわりに:時代を超えて響き合う「情熱」に触れる
「夢二と歌舞伎」展は、単なる懐古的な回顧展ではありません。大正時代に夢二が舞台から受け取った刺激が、現代の歌舞伎界やアーティストへと受け継がれ、新たな表現として循環している様子を目の当たりにできるはずです。
2026年の春から初夏にかけて。新緑が美しい岡山で、夢二が愛した「人情」と「美意識」の世界に浸ってみませんか?
開催概要
夢二郷土美術館創立60周年「夢二と歌舞伎」展
【場所】夢二郷土美術館 〒703-8256 岡山県岡山市中区浜2-1-32
【開館時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)、4月7日(火)は12:00~17:00
【開催期間】2026年3月27日~2026年6月1日
【休館日】月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
※ゴールデンウィーク中の4月28日(火)~5月6日(水・振休)は休まず開館
【入館料】 大人800円、中高大学生400円、小学生300円
※料金はすべて税込
※20名以上の団体は2割引、岡山県内の65歳以上の方は証明できるもののご提示で1割引。割引の併用は不可。
※ゆめびぃ会員は入館無料
【主催】(公財)両備文化振興財団 夢二郷土美術館
【作品点数】107点(予定)
屏風作品4点、軸装作品29点、額装日本画8点、スケッチ・水彩画等10点、木版7点、著作本装幀本24点、楽譜5点、雑誌7点、その他(千代紙など)13点(内初公開2点)
「夢二と歌舞伎」展 公式ページ
画像ギャラリー
このライターの書いた記事
-

EVENT
2026.03.22
「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」東京展が上野で開幕!キタニタツヤがイメージソングを担当
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.21
日本初上陸!水辺のアート「KOBE BUBBLUMI 2026」開催【神戸】
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.20
大人の“ぬい活”が渋谷でアートになる。「nui nui nui! 大人だってぬいぐるみが好き!展」が4月4日より開催
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.19
江戸東京博物館が4年ぶりに復活!リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」の見どころを解説
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.15
ダ・ヴィンチの傑作《美しきフェロニエール》が日本上陸!「ルーヴル美術館展 ルネサンス」が今秋、国立新美術館で開催決定
イロハニアート編集部
-

EVENT
2026.03.14
【Disney HARVEST MARKET】ミッキー&ミニーと一緒に春を楽しむ!いちご尽くしの春限定アフタヌーンティーセット登場!
イロハニアート編集部

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
イロハニアート編集部さんの記事一覧はこちら




