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2026.10.5

【2026年10月のおすすめ展覧会5選】アール・デコの邸宅で出会うマリメッコから、ターナーと現代美術の対話まで。東京で見ておきたい展覧会。

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10月も見応えのある展覧会が続々と開幕します。アール・デコの邸宅を舞台にしたマリメッコ展から、市民の想いが集めたシンシナティ美術館の至宝、また大正ロマンを象徴する竹久夢二の全貌など、都内各地の5つの展覧会をご紹介します。

気になる展覧会を見つけて、お出かけ先の参考にしてみてください。

アール・デコの邸宅にマリメッコの模様が咲く。時代も国も超えた出会い|東京都庭園美術館

図案・ドレス:アンニカ・リマラ《イソ ライネ》1965年/《ナッピメッコ》1967年 © Marimekko Oyj Suomi-Finland Annika Rimala 1965/1967

フィンランドを代表するデザインハウス、マリメッコ。1951年の創業以来、鮮やかな色彩と大胆な模様によって暮らしを彩り続け、これまでに生み出されたプリント・デザインは3,500種類以上にのぼります。その創造の源に迫る『マリメッコ展 模様のちから』が、東京・白金台の東京都庭園美術館で開催されます。

最大の魅力は、ドレスと建築の装飾が響き合うことです。会場となる旧朝香宮邸は、1930年代フランスのアール・デコ装飾を基調としながら、日本の意匠も随所に配された歴史的建造物。壁面や階段の細部にいたるまで、建築そのものが模様に満ちています。

そこに北欧生まれの生命力あふれるマリメッコのプリントが加わることで、時代と国を超えたデザイン同士が呼応する光景が立ち上がります。

60点を超えるドレスの数々が展示の中心を飾ります。創業者アルミ・ラティアが目指した、流行に左右されないタイムレスな一着一着からは、色と形の豊かな表現力が伝わってきます。あわせて、ヘルシンキの自社プリント工場を取材したアートユニット・plaplaxによる映像インスタレーションも展開され、デザインが生まれる現場のエネルギーを感じることができます。

さらに、1960年代の脇阪克二、1970年代の石本藤雄ら日本人デザイナーが活躍してきた歴史を踏まえ、デザイナーの皆川明がマリメッコと対話を重ねた新作インスタレーションも公開。半世紀以上にわたり日本とマリメッコを結んできたデザインの物語が、いま新たな一章を刻みます。

《ウニッコ》柄のパラソルの下で、1965年 Under Marimekko Umbrella, 1965 Photo: Tony Vaccaro / Tony Vaccaro Archives

『マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love』

開催場所:東京都庭園美術館 本館+新館
開催期間:2026年10月3日(土)~12月20日(日)
所在地:東京都港区白金台5-21-9
開館時間:10:00〜18:00
※11月6日(金)、13日(金)、20日(金)、21日(土)、27日(金)、28日(土)、12月4日(金)、5日(土)は夜間開館のため20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(10月12日、11月23日は開館)、10月13日、11月24日
観覧料:一般1,400円、大学生1,120円、高校生・65歳以上700円、中学生以下無料
※日時指定予約制
展覧会特設サイト: マリメッコ展 模様のちから

高さ3メートルの「空間絵本」が初公開。きくちちきの生命讃歌に包まれる|PLAY! MUSEUM

『おひさまわらった』2021年(JULA出版局/フレーベル館) ©Chiki Kikuchi

『絵本作家 きくちちき展 いきもの Rhapsody』が、東京・立川のPLAY! MUSEUMで開催されます。きくちちき(1975年〜)は、骨董市で出会った100年前のフランスの絵本をきっかけに絵本作家を志し、2012年のデビュー作『しろねこくろねこ』でブラチスラバ世界絵本原画展の「金のりんご賞」を受賞して以来、国内外で高い評価を受けてきました。

本展のために描き下ろされた新作絵本『いきもの Rhapsody』の巨大原画30点が、初めて公開されます。高さ3メートル、幅1.8メートルという原画が、楕円形の展示室、60メートルに及ぶ壁面を埋め尽くす光景は圧巻の一言。壮大な「空間絵本」には、地球を生きるいきものたちの喜びや悲しみ、そして希望までもが描かれています。木彫や陶器による動物たちの作品とともに歩きながら、きくちちきの生命讃歌を全身で体感することができます。

あわせて、人気作『しろとくろ』をはじめ約80作から厳選した原画約150点や、デビュー前の手製本を含む全絵本も一堂に展示。「季節の部屋」では、もみじの赤、さくらの桃色、ゆきの白色に彩られた原画にぐるりと囲まれ、移ろう季節を生きるいきものたちの姿に包まれるひとときを過ごせます。

展覧会にあわせて刊行される図録には、編集者の筒井大介など、きくちちきと親交を結ぶ人たちのインタビューも収録。新作絵本『いきもの Rhapsody』は蛇腹折りの特別な装丁で刊行され、会場で販売されます。自然や生命の躍動感を、色彩豊かなタッチでダイナミックに描き出すきくちちき初の大規模な個展として、子どもから大人まで注目を集める展覧会となります。

『いきもの Rhapsody』展示イメージ

『絵本作家 きくちちき展 いきもの Rhapsody』

開催場所:PLAY! MUSEUM
開催期間:2026年10月7日(水)~12月13日(日)
所在地:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟2F
開館時間:平日10:00〜17:00、土日祝10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:なし
入館料:一般1,800円、大学生1,200円、高校生1,000円、中学生・小学生600円、未就学児無料
展覧会サイト: 絵本作家 きくちちき展 いきもの Rhapsody

84点のうち81点の作品が初来日!『シンシナティ美術館展~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~』が開催|上野の森美術館

アルフレッド・シスレー 《ブージヴァル》 1876年 シンシナティ美術館

コロー、セザンヌ、モネをはじめとする選りすぐりの84点が来日する『シンシナティ美術館展~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~』が、上野の森美術館で開催されます。アカデミズムからバルビゾン派、印象派、ポスト印象派、そしてキュビスムや表現主義まで、19~20世紀のヨーロッパ近代美術の移り変わりを系統立ててたどることができる、まさに「教科書」のような内容です。

1881年に創立されたシンシナティ美術館(オハイオ州)は、アメリカにおいて最も長い歴史を持つ美術館のひとつです。富豪の寄付だけでなく、街を愛する市民たちが「自分たちの街に本物の文化を根付かせたい」と資金を持ち寄り、自らの手で作り上げてきたという成り立ちを持ちます。当時の市長が「市民による、市民のための贈り物」と呼んだ通り、そのコミュニティの絆は今も脈々と受け継がれています。

見どころのひとつが、コロー、クールベ、セザンヌ、モネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ピカソ、モディリアーニ、シャガールらの絵画に加え、ドガやジャコメッティらの彫刻もあわせた84点のうち、81点が初来日という点です。

なかでも注目したいのが、ファン・ゴッホが1890年に手がけた《ポプラ林の中の二人》。生前最後に仕上げたとされる作品のひとつといわれ、紫がかったポプラの幹を「柱」のように垂直に配した、やや高い視点からの構図を特徴としています。

145年にわたりシンシナティ美術館が収集してきた7万3千点を超えるコレクションは、まさに市民一人ひとりの想いが積み重なった「街の宝物」。日本初公開が多数を占める84点のうちの多くは、これまで海を渡ったことのない作品ばかりです。誰もが知る巨匠たちの、しかしまだ見ぬ一枚に出会える。そんな贅沢な旅をこの秋、上野で楽しんでみてはいかがでしょうか。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《ポプラ林の中の二人》 1890年 シンシナティ美術館

『シンシナティ美術館展~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~』

開催場所:上野の森美術館
開催期間:2026年10月10日(土)~2027年1月10日(日)
所在地:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
会期中無休
観覧料:一般2,400円、高校・専門・大学生1,500円、小・中学生800円(前売券あり)
展覧会公式サイト: シンシナティ美術館展~アメリカに渡ったヨーロッパの至宝~

最高傑作《黒船屋》、約40年ぶりに東京へ。大正ロマンを象徴する表現者の全貌|東京国立近代美術館

竹久夢二 《秋のいこい》 1920(大正9)年 夢二郷土美術館 通期展示

画家、詩人、ジャーナリスト、デザイナー、イラストレーターと、いくつもの顔を持つ表現者として、明治の終わりから昭和のはじめにかけて活躍した竹久夢二(1884~1934)。その夢二の仕事の全貌を、約500点の作品や資料で紹介する『竹久夢二 時代を創る表現者』が、東京国立近代美術館で開催されます。

黄八丈をまとい黒猫を抱いて座る女性像で知られる、夢二の最高傑作《黒船屋》。浮世絵と西洋近代絵画のエッセンスが融合し、黄と黒のコントラストに帯や襦袢の鮮やかな色彩が重なります。

この夢二のモダンな色彩感覚が光る一枚が、約40年ぶりに東京で公開されます。あわせて竹久夢二伊香保記念館や夢二郷土美術館をはじめとする全国の夢二コレクションが一堂に会するのも、本展ならではの貴重な機会です。

また円熟期の日本画である《秋のいこい》《九連環》なども勢ぞろい。さらに絵画だけでなく港屋絵草紙店で扱われた千代紙や半襟などの日用雑貨、雑誌や楽譜の表紙を飾ったグラフィックデザインまで、その仕事の幅広さを余すところなく紹介します。

会場は5章構成です。「夢二式」の女性像が一世を風靡した第1章から、港屋絵草紙店に代表されるデザインの仕事をたどる第2章、《黒船屋》など円熟期の代表作が並ぶ第3章、関東大震災のスケッチや理想郷への構想に迫る第4章を経て、モダンガールの流行を生んだ雑誌の仕事で締めくくる第5章まで。「美術」という枠を超えて時代を捉え続けた夢二の仕事を、時系列でたどることができます。

竹久夢二 《港屋絵草紙店(港屋版)》 1914(大正3)年 金沢湯涌夢二館 通期展示

『竹久夢二 時代を創る表現者』

開催場所:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2026年10月23日(金)~2027年1月11日(月・祝)
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金曜・土曜は10:00〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(11月23日、1月11日は開館)、11月24日、年末年始(12月28日~1月1日)
観覧料:一般2,100円、大学生1,200円、高校生700円
展覧会公式サイト:『竹久夢二 時代を創る表現者』

「光の画家」ターナーの傑作80点超と、現代美術との時を超えた対話|国立西洋美術館

J.M.W. ターナー《捕鯨船エレバス号に万歳! もう一頭獲ったぞ!》 1846年展示 テート美術館 Photo: Tate

移ろう光や大気、荒れ狂う海や空、そして産業革命期に人間が排出しはじめた蒸気や煤煙。世界の一定ではない諸相を描き続けたJ.M.W. ターナー(1775~1851年)は、英国絵画史上もっとも偉大な画家のひとりに数えられます。世界最大のターナー・コレクションを誇るロンドン、テート美術館の所蔵品から80点以上の油彩画や水彩画を紹介する『テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話』が、国立西洋美術館で開催されます。

ターナーの作品は、当時の哲学者エドマンド・バークらが論じた「崇高」を見る者に経験させるものとして、高く評価されてきました。バークは「崇高」を、巨大なものや恐ろしいものが引き起こす感情として「美」とは対照的なものと捉えました。本展ではこの考え方を手がかりにターナーの芸術を読み解き、さらに20世紀に「抽象的崇高」という概念とともに語られたマーク・ロスコやバーネット・ニューマンの絵画へと接続していきます。

本展の最大の特徴は、ターナーの絵画と現代美術作品を同じ空間に併置し、時代を超えた「対話」を生み出すことです。英国の風景を歩きながら記録したターナーの初期作品には、ダートムーアを歩くことで生まれたリチャード・ロングの作品が呼応。ターナーが繰り返し訪れたアルプスの氷河を描いたスケッチには、同じメール・ド・グラス氷河を1999年と2019年に撮影したオラファー・エリアソンの写真シリーズがともに並び、20年間で氷河が溶けたという事実を突きつけます。

そして海を主題とした作品群には、ヴォルフガング・ティルマンスの写真が併置され、世界を「つなぐ」と同時に「隔てる」ものとしての海のイメージが、ターナーの時代と現代のあいだで重なり合います。この思いがけない組み合わせによって生まれる化学反応が、どのような感興を呼び起こすのだろうと、今から期待が高まります。

J.M.W. ターナー《グリゾン州の雪崩》 1810年展示 テート美術館 Photo: Tate

『テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話』

開催場所:国立西洋美術館
開催期間:2026年10月24日(土)~2027年2月21日(日)
所在地:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30〜17:30(金曜・土曜は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、11月24日、12月28日~2027年1月1日、1月12日(11月23日、2027年1月11日は開館)
観覧料:一般2,400円、大学生1,500円、高校生1,100円、中学生以下、障害者手帳をお持ちの方及び付添者1名は無料
展覧会公式サイト:テート美術館 ターナー展

[巡回展]大阪中之島美術館:2027年3月13日(土)~6月27日(日)

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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