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STUDY

2024.7.11

「異彩を、放て。」ヘラルボニーが切り開く“障害”×アートの可能性

株式会社ヘラルボニーは、2018年に双子の松田崇弥氏と松田文登氏によって創立された企業です。

障害を持つ国内外の作家から生み出される自由で独特なアートは、さまざまな企業やブランドから注目を集めています。ヘラルボニーが目指す社会変革とは?

この記事では、ヘラルボニーの特徴や取り組みを紹介します!

ヘラルボニーは“障害”を持つ兄の存在がきっかけで誕生

創設者である松田崇弥氏と松田文登氏がヘラルボニーを立ち上げるきっかけとなったのは、自閉症という先天性の障害を持つ4つ歳上の兄の存在です。

「ヘラルボニー」はそんな自閉症の兄が7歳の時に生んだ言葉。一見、なんの意味もないはずなのに、兄がノートに書き記した単語でした。ヘラルボニーという言葉は、「意味がなさそうに見える想い」に価値を与えて創出するという企業理念を体現しています。

自閉症のために“障害者”とカテゴライズされてきた兄を間近で見てきた松田崇弥氏と松田文登氏は、“障害者”が「可哀想」と表現されることに疑問を感じていました。

「障害ではなく、『特性』である。」―そう言い切ることで、“障害”のある方の独特な感性を発揮できるはず。個性を通じて、社会に新しい文化を提供することができる可能性を、ヘラルボニーは追求しています。

「作家ファースト」:ヘラルボニーが大切にする姿勢

ヘラルボニーは、「作家ファースト」の考えを大切に創業してきました。“障害”があるアーティストが作ったものを、彼らの許可なしに使用することはなく、利益はアーティストに適切に還元します。持続可能なブランドを創造していくためです。

“障害”の有無にかかわらず、アーティストが正当に評価される仕組みは、ヘラルボニーが根本的に目指す社会の在り方に通じます。「社会のために彼らを順応させるのではなく、彼らの個性のために社会が順応していく。」* そんな社会の実現のため、「作家ファースト」はブランドの根本的な哲学となりました。
*参照元: STORY | 株式会社ヘラルボニー

ヘラルボニーの2つの柱「ブランド」と「コラボレーション」

ヘラルボニーには、主に2つの大きな事業があります。「ブランド事業」と「コラボレーション事業」です。

ヘラルボニーの事業①:「ブランド事業」

ブランド事業では、“障害”のあるアーティストが生み出した作品を用いてプロダクトを生産・販売します。独特の視点から生み出された作品は、強烈でカラフルな印象を与えるでしょう。

壁にかけたり設置したりできる鑑賞用の原画はもちろん、ほかにもさまざまな種類の製品が販売されています。水筒、ネクタイ、服…いずれも独特で楽し気なデザインです。

作品が気になる方は、 HERALBONY(ヘラルボニー)公式オンラインストア からどうぞ。

ヘラルボニーの事業②:「コラボレーション事業」

ヘラルボニーのもう1つの柱は、コラボレーション事業です。ほかの企業やブランドとコラボレーションし、ヘラルボニーのアートを用いた作品を企画・生産しています。

ヘラルボニーがこれまでコラボレーションした作品例には、エポスカード、JALなどが挙げられます。ヘラルボニーとのコラボレーションを通じ、異彩を放つ独特なデザインの作品が生み出せるだけではなく、企業・ブランドに「ストーリー性」を加えることで差別化につながる点が強みです。

日々注目の高まるヘラルボニーとのコラボレーションは、それだけで高いエンゲージメントを生みます。さらに社会課題関心層へのアプローチもでき、ヘラルボニーが目指す社会に向け、価値の伝播に貢献できる仕組みです。

作品を鑑賞できる「HERALBONY GALLERY」(盛岡)

ヘラルボニーはブランド事業やコラボレーション事業とは別に、障害者の描いたアート作品を展示するギャラリーを開いています。場所は岩手県・盛岡です。

ギャラリーに展示された作品を通じて、障害は欠落ではなく、個性であることを発信しています。「HERALBONY GALLERY」は“異彩”を全世界に放つ拠点として、障害者のイメージを変える取り組みの一旦を担っています。

展示作品はオンラインストアでの購入も可能です。企画展が実施されることもあるので、気になる方はぜひ足を運んでみてください。

「HERALBONY GALLERY」公式サイト:HERALBONY GALLERY

【写真0枚】「異彩を、放て。」ヘラルボニーが切り開く“障害”×アートの可能性 を詳しく見る
はな

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イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

イタリア・ローマの大学の美術史修士課程に在籍中。3年半勤めた日系メーカーを退職後、2019年から2年半のスペイン生活を経てフリーライター、日英・日西翻訳として活動するかたわら、スペイン語話者を対象に日本語を教えています。趣味は読書、一人旅、美術館・教会巡り、料理。

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