EVENT
2025.2.13
【東京】「みんなでつくる未来の公園 ヘラルボニーと宮沢賢治」アートでひらく共生社会の目指す社会
東京・京橋のBAG-Brillia Art Gallery-で、2025年2月21日(金)から3月20日(木)まで開催される企画展「みんなでつくる未来の公園 ヘラルボニーと宮沢賢治」。本展では、宮沢賢治の童話「虔十公園林」をモチーフに、障害のあるアーティストたちの才能と、来場者自身の創造性が響き合い、未来の新しい共生社会を見せてくれます。
目次
ヘラルボニーとは? アートの力で社会を変えるクリエイティブカンパニー
「異彩を、放て。」をミッションに掲げるヘラルボニーは、障害のあるアーティストの才能を社会に発信し、新たな文化の創造を目指す企業です。2,000点以上のアート作品を管理し、企業とのコラボレーションや、ライフスタイルブランドの運営などを通して、障害のある方の経済的な自立と社会参加を支援しています。
「虔十公園林」とは? 物語が持つ普遍的なメッセージ
宮沢賢治の「虔十公園林」は、少し人と違う虔十という少年が、周囲の無理解にも負けず、荒れた土地に杉の苗を植え続ける物語です。彼の死後、杉の木は成長し、子供たちの遊び場「虔十公園林」となります。この物語は、信念を貫くことの大切さ、多様な価値観を認め合うことの重要性、そして未来への希望を育むことの尊さを私たちに教えてくれます。
今回の企画展では、これらのメッセージを、現代社会における共生というテーマと結びつけ、来場者それぞれが未来の公園のあり方を考えるきっかけを与えてくれます。
企画展のテーマとは?「虔十公園林」の実現
宮沢賢治の「虔十公園林」には、ヘラルボニーが挑戦する「先入観や常識にとらわれず、100年後の文化を創る」というテーマに通じる要素が詰まっています。周囲の偏見をものともせず、自分の信じる道を突き進んだ虔十の姿は、ヘラルボニーのアーティストたちの姿と重なります。また、虔十が創り上げた公園林は、現代社会における多様性の象徴とも言えるでしょう。ヘラルボニーが目指す、誰もが尊重され、共に生きる共生社会の理念と見事に合致するのです。
この展覧会では「虔十公園林」の物語から読み取れる「信念を曲げない」「価値を決めつけない」といった視点や問いかけを、来場者の皆さんと共有したいと考えています。
展示されるヘラルボニーのアーティストたちの作品は、まさにその問いかけに対する答えです。彼らの作品を核としながら、来場者の皆さんと共に、未来の「虔十公園林」の世界を創り上げていくことが、この展覧会のテーマです。
さらに、会場では、来場者の皆さんが自由に絵を描けるスペースを用意されますました。これは「一人ひとりの小さな気づきや行動が、未来へと繋がっていく」ことへの願いを込めたものです。自分の描いた絵が、未来の公園の一部になるかもしれない。そう考えると、ワクワクしませんか?
同時に、この展覧会は、ヘラルボニーの「架空の存在である『虔十公園林』を、いつかこの社会の中で実現させたい」という、強い決意表明でもあるのです。アートの力で、社会を変えたい。そんなヘラルボニーの熱い思いが、この展覧会には込められています。
展示の見どころ:アーティストたちの「異彩」が輝く空間
本展では、会場が2つの展示スペース「+1」と「+2」に分かれています。
「+2」:物語とヘラルボニーの軌跡を辿る
展覧会の入り口となる「+2」では、宮沢賢治の「虔十公園林」を読んだ時に得られる問いを来場者と共有し、ヘラルボニーのこれまでの活動を紹介します。多様な問い、価値観を重ね合わせることで、展覧会のテーマにより深く入り込むことができます。
「+1」:みんなでつくる、未来の「虔十公園林」
メインとなる「+1」では、ヘラルボニーに所属するアーティストたちの作品が展示されます。
「虔十公園林」の主人公虔十の思いを、ヘラルボニーを通して再解釈し、誰もが共に楽しめる100年後の虔十林公園をみんなで作る(描く)というコンセプトを表現した展示空間となっています。
参加作家プロフィール
田﨑 飛鳥(Asuka Tazaki) 岩手県/個人
陸前高田市在住。彼には生まれながらにして、脳性麻痺による知的障害がある。幼いころから絵本や画集に興味を持ち、彫金作家の父、實さんの勧めで絵を描き始めるとその才能は伸びていき、アート展では賞を受賞するまでに。東日本大震災の津波により、自宅、今まで描いてきた約200点の絵、親しんできた豊かな自然とそこに住む人々…かけがえのない大切なものを一瞬で失い、あまりの衝撃と悲しみから、ショックで一度筆を置いてしまったが、父からの言葉で再び筆を取り、今まで多くの観る人の心を動かしてきた。
内山.K(Uchiyama.K) 三重県/希望の園
100種類以上の0.5ミリペンで描かれる「〇〇の地図」シリーズは、ラメペンで描き込まれた箇所がキラキラと輝き、秘密の宝地図のようでもある。作品に下書きは存在せず、まるで細胞が増殖するように生き物や数字、時には鬼をもモチーフとして数珠繋ぎで描いていく。そのあまりの緻密さに思わずため息が漏れてしまう。普段は人見知りで寡黙な彼だが、作品紹介を振られると普段の姿からは信じられないほど流暢に語る一面があり、それがなんとも愛らしい。
輪島 貫太(Kanta Wajima) 石川県/金沢アート工房
石川県金沢市生まれ。2歳のころ、動物に興味を持ったことをきっかけに、絵を描くようになる。 成長とともに落語、おもちゃ、アニメ、みんなのうた、トリビアなど、その時々で興味あるものを集合させて描くのが好き。絵の中に登場するキャラクターとしては、本人と妹の他にオリジナルのキャラクターを描き込むことが多い。将来の夢は、自分の絵やキャラクターたちを使ったアニメーションを作ること。アニメのキャスティングやシナリオを考えながら日々創作活動に励んでいる。
小林 覚(Satoru Kobayashi)岩手県/るんびにい美術館
養護学校の中等部に在学中、あらゆる文字を独自のルールで変形させて書くようになる。はじめは周囲も困惑し、直そうと苦心したが、やがて複数の教諭らがその文字を彼の独創的な「造形表現」として捉え、積極的に制作を支えたことで、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。
高橋 南(Minami Takahashi)岩手県/るんびにい美術館
クーピーペンシルやクレヨンを塗り重ねることで作り上げられた作品は、一見すると、素早い鉛筆の動きを要する激しい制作態度を連想させる。しかし実は、彼女の制作は非常にゆっくりと穏やかである。彼女の描き出すひとつひとつの色は、お互いに混じり合うことなく、それぞれにその美しさを主張しながら画面の上に現れ、激しさと静けさが不思議に同居しており、心を惹きつけられずにはいられない。
佐々木 早苗(Sanae Sasaki)岩手県/るんびにい美術館
絵画のみならず織り物、切り紙、刺繍など、いずれも緻密で色彩と構成の妙に富む様々な表現を生み出し続けている。彼女は一つの仕事に数か月から数年集中して取り組んだあと、不意にやめて別の仕事に移るのが常。現在彼女が打ち込んでいるのは、丸く切り抜いた紙をいくつもの色で同心円状に彩色し、塗り終わった紙を壁に並べて貼っていくこと。
イベント情報:ワークショップやトークイベントも開催!
会期中には、様々なイベントが予定されています。
イベントを通じて、より深く展覧会のテーマを掘り下げ、参加者同士の交流を深めることができるでしょう。
ワークショップ:『みんなで彩る、公園の景色』
■ワークショップ『みんなで彩る、公園の景色』
日時:2月22日(土)、2月23日(日) 11:00〜12:30、13:30〜15:00、15:30〜17:00
■トークイベント:椿鬼奴さんと語る!宮沢賢治の考える「ほんとうのさいわい」とは?
日時:3月7日(金)18:00〜20:00
田﨑飛鳥さんと一緒に、展示スペース「+1」内に飾る作品を制作します。
■ワークショップ:社会の当たり前を問い直す 宮沢賢治と一緒に考える、これからのビジネスの哲学
日時:3月14日(金)19:00〜21:00
さいごに
「みんなでつくる未来の公園 ヘラルボニーと宮沢賢治」展は、アートの力で多様性を認め合い、共生社会を実現するための、第一歩となるでしょう。ぜひ会場に足を運び、未来の公園を一緒に創造する体験をしてみてください。
開催概要
【展覧会名】みんなでつくる未来の公園 ヘラルボニーと宮沢賢治
【会期】2025年2月21日(金)~ 2025年3月20日(木)
【会場】BAG-Brillia Art Gallery- 〒104-0031 東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル1階
【開館時間】11:00-19:00(定休日:月曜)※ 2月24日(月・祝)は開館、翌25日(火)は休館
【料金】無料
【主催】東京建物株式会社
【企画】株式会社ヘラルボニー
【企画監修】公益財団法人彫刻の森芸術文化財団
【宮沢賢治に関する監修】牛崎 敏哉(宮沢賢治記念館学芸員)
【展示施工】NUMBERZET株式会社
【協力】大橋 和夫(木版画作家)
【運営】株式会社クオラス
BAG-Brillia Art Gallery-について
2021年10月に、東京都中央区京橋にオープンした、東京建物のアートギャラリーです。「+1」「+2」という2つの展示スペースで構成されています。
東京建物は、建物の提供だけでなく、さまざまなサービスを通して豊かな暮らしを提案する“住まいのトータル・ブランド”としてマンションブランド「Brillia」を展開してきました。建物やデザイン、インテリア選びなどはクリエイティブな活動であることから、さまざまなアート作品には暮らしを豊かにするきっかけや可能性が秘められていると考えています。
今後もBAG-Brillia Art Gallery-では、アートがもつ「空間を洗練させる力」に注目し、さまざまな視点から、日々の暮らしを彩る一つの体験となる企画を考案していきます。
BAG-Brillia Art Gallery-
引用元:公式サイト
■本展に関するお問い合わせ先
「未来の公園展」 広報事務局(株式会社クオラス内) 担当:大下、鈴木
e-mail: brilliaartgallery.unei@pj.quaras.co.jp
■PR TIMES

画像ギャラリー
このライターの書いた記事
-
EVENT
2025.07.13
国内最大級のアートフェスティバル☆「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」開催決定!アートを軸に領域を越えて“再発見”を紡ぐ4日間
イロハニアート編集部
-
EVENT
2025.07.12
【渋谷PARCO】ゲームファン必見!世界的人気の『塊魂』初の本格コラボカフェが7月25日(金)から期間限定オープン
イロハニアート編集部
-
LIFE
2025.07.11
【大阪】国立国際美術館で、子どもから大人まで楽しめる夏の体験型プログラムが開催!
イロハニアート編集部
-
EVENT
2025.07.10
【横浜・夏休み】入場無料で1日遊べる「横浜市こどもの美術展」でアートの宝探しへ!親子で楽しむワークショップも開催
イロハニアート編集部
-
LIFE
2025.07.06
AIが描く夢のスタンプ「AIスタンプ」リリース開始!
イロハニアート編集部
-
LIFE
2025.07.05
『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』限定「ひまわり缶」が登場!手のひらサイズの美術館が誕生!
イロハニアート編集部

アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
イロハニアート編集部さんの記事一覧はこちら