STUDY
2022.7.15
【初心者向け!】どこを見ればいい?教会建築を楽しむ3つのポイント
ヨーロッパ旅行で街を観光するとなると必ず1つはリストに入ってくるのが「教会」です。
キリスト教文化のヨーロッパでは、都市ごとに異なる雰囲気の教会がたくさんあり、今でも信仰の場として役割を果たしています。
ノートルダム大聖堂(撮影:sacratomato_hr), CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
しかし、いきなり教会建築を見ても、何に注目したらいいかわからないですよね。
そこでこの記事では、ローマの大学院で美術史を専攻している筆者が、教会建築をアートとして楽しむためのポイントを紹介します!
教会建築を楽しむポイント①:ファサード
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会(撮影:Laura Cantero), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ファサードは、教会の「顔」にあたる部分で建築の正面を指します。
ファサードはロマネスク、ゴシックなどの様式の区分によって見た目が異なり、通常教会への入り口が設置されています。
街の景観に大きく影響を与える部分でもあるので、都市計画の一環としても重要な意味を持ちます。
フランスやドイツなどの主要都市の大聖堂はゴシック聖堂であることが多く、トゲトゲしていたり、ファサードの両側(もしくは片側)にベルタワーが建てられていたりすることもあります。
歴史の長い教会の場合、内装とファサードで建てられた時代が異なることもあります。
教会を見つけたらまず中に入る前に、ファサード部分の装飾をじっくり見てみてくださいね。
教会建築を楽しむポイント②:窓
サン ジェルマン・ロクセロワ教会(撮影:Diliff), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
電気が通っている現代と異なり、昔の教会は太陽の光とろうそくの光だけを頼りにミサなどの宗教儀礼をおこなっていました。
そのため、窓から入ってくる太陽光は非常に重要で、なるべく建物内が明るくなるように努力が重ねられました。
建築技術と窓の大きさには大きな関連性があります。
壁が分厚ければ建物の安定性は増しますが、大きな窓を造ることはできません。
ゴシック様式は、前の時代のロマネスク様式から建築技術が発展したおかげで、壁を薄く天井を高くすることに成功しました。
そのため、大きな窓部分を装飾に活かそうという動きが生まれ、「ステンドグラス」という文化につながりました。
ステンドグラスは、美しさもさることながら、中世の人々のエンジニアリング技術の発展が感じられる部分でもあるのです。
教会建築を楽しむポイント③:天井
ノートルダム大聖堂(撮影:Johan Bakker), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
窓の項目で触れた通り、教会建築はその巨大さと複雑さから、常に建築技術の発展とむすびついてきました。
より美しく荘厳な教会を建築することは、街にとっての一種のステータスであり、立派であるほど信徒を呼び寄せることができました。
ゴシック様式が流布した中世後期には、現在のような大きな建物はなく、大聖堂は唯一無二の存在だったのでしょう。
当時では考えられないほど巨大で背の高い建物は、訪れる人に神の存在をより強く感じされる効果がありました。
大きな建造物を建てるためには、重さを軽減した天井構造が必要になります。
パソコンでシミュレーションができない時代、天井の重さをどう分散し、どのように建物内にスペースを確保するかを知るのは簡単ではありませんでした。
ゴシック様式の大聖堂を1つ建設するためには、「森が1つなくなった」と言われるほどの足場が必要だったそうです。
教会を訪れた際には、天井構造の建設プロセスについて考えてみると、当時の建築家・職人の気持ちが感じられて楽しいかもしれません。
荘厳なだけじゃない!建築技術と教会
教会は常に新しい建築技術の挑戦の場でもありました。
中世以降、莫大な予算をつぎ込んで教会建築を進めた都市も多く、そのおかげで現代の私たちは素敵な建築を目の前に見ることができます。
教会を訪れる際は、華麗な装飾だけでなく、「どのように建造されたか」を考えると面白いですよ!
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イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
イタリア・ローマ在住美術ライター。2024年にローマ第二大学で美術史の修士を取得し、2026年からは2つめの修士・文化遺産法学に挑戦。専攻は中世キリスト教美術。イタリアの前はスペインに住んでいました。趣味は旅行で、訪れた国は45カ国以上。世界中の行く先々で美術館や宗教建築を巡っています。
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