EVENT
2026.4.17
オカタオカ・陶板作品が並ぶ個展「TOBAN TOBAN」が瀬戸・STUDIO 894で開催
愛知県瀬戸市のやきもの体験型複合施設・STUDIO 894 ギャラリーで、イラストレーター・オカタオカの個展「TOBAN TOBAN」が2026年5月15日(金)から6月28日(日)まで開催される。会期中の5月16日(土)には、アーティスト本人を迎えたトークイベントとギャラリーツアーも行われる。
雑誌表紙や書籍装丁、ロゴデザインなど幅広い分野で活動してきたオカタオカ。軽やかで伸びやかな線によるイメージづくりで知られる一方、近年は紙という支持体にとどまらず、木や石、セラミックなど多様な素材へと表現を広げてきた。本展では、その実践のなかでも新たな試みとなる“陶板作品”を発表する。
目次
ドローイングが「陶板」になるとき生まれる、偶然性と奥行き
本展は、瀬戸の陶磁器工芸メーカー・中外陶園との協働によって実現したもの。オカタオカがこれまで描いてきた動物や自然のモチーフが、今回初めて陶板というかたちで立ち上がる。
注目したいのは、イラストレーションがそのまま焼きものへ置き換えられているのではなく、やきもの特有の不確定性を引き受けたうえで、新たな表現へと更新されている点だ。焼成を経ることで生まれる微細なムラやにじみ、鉄分を含む絵具やマット釉による質感の揺らぎは、平面的な図像にとどまらない奥行きを作品にもたらしている。
「焼いてみるまでわからない」という陶芸ならではのプロセスは、完成像をコントロールしきれないからこそ、線や色に予想外の豊かさを宿らせる。オカタオカの持ち味である自由なドローイングが、陶板という素材の中でどのように変化し、どのような空気をまとって現れるのか。本展は、その変化の瞬間を目撃する機会になりそうだ。
“冬の番”から春へ。曖昧な季節感をとどめた31点
展示では、15cm角の陶板作品31点を発表。反復される陶板の配置によって、ひとつひとつのイメージが壁面から空間へと広がっていく構成も見どころのひとつだ。
作品制作が行われたのは、寒さの厳しい1月末の瀬戸。鹿児島在住のオカタオカにとって、その冷え込みは印象的な体験だったという。アーティストは、無意識に“暖”を求めた結果、春や夏を思わせるあたたかな情景が多く立ち上がったと語っている。
展覧会タイトル「TOBAN TOBAN」は、「陶板」をもとにしながら、“冬の番”のような響きも重ねたものだという。冬から春へ移る直前の、まだ名前の定まらない曖昧な時間。その気配が、今回の陶板作品には静かに封じ込められている。単なる素材の転換にとどまらず、季節感や身体感覚までも作品に取り込んでいる点に、本展の魅力がある。
陶板だけではない、オカタオカの横断的な創作も紹介
会場では陶板作品に加え、音楽をテーマにした「WALL OF SOUND」シリーズの原画やウッドカット作品、さらには陶器のオブジェやマグカップなども展示される。イラストレーション、版表現、立体、器といった異なる手法や素材を横断しながら制作を続ける、オカタオカの現在地を立体的に捉えられる内容だ。
日常にひらかれた親しみやすさと、素材の選択に宿る実験性。その両方をあわせ持つオカタオカの表現は、アートとデザイン、工芸のあいだを軽やかに行き来する。本展は、そうした実践の広がりを、瀬戸という土地のやきもの文化とともに体感できる機会になるだろう。
トークイベント&ギャラリーツアーも開催
会期2日目の5月16日(土)には、オカタオカ本人が登壇するトークイベントとギャラリーツアーを開催。制作背景や展覧会に込めた思いを、作品を前にしながら聞くことができる。
現地参加は定員20名で無料(要予約)、先着順。あわせてYouTubeライブ配信も予定されているため、遠方からでも参加しやすい。
開催概要
オカタオカ 個展「TOBAN TOBAN」
会期:2026年5月15日(金)〜6月28日(日)
会場:STUDIO 894 ギャラリー
住所:愛知県瀬戸市薬師町1番地 STUDIO 894内
開館時間:10:00〜17:00
休館日:火曜日
アクセス:名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」から徒歩8分
関連イベント
トークイベント+ギャラリーツアー
日時:2026年5月16日(土)
14:00〜15:00 トークイベント
15:00〜15:30 ギャラリーツアー
登壇者:
オカタオカ
塚本太朗(STUDIO 894 ディレクター)
モデレーター:石倉夏枝
現地参加:無料/定員20名/先着順
YouTubeライブ配信あり
オカタオカ プロフィール
鹿児島を拠点に活動するイラストレーター。桑沢デザイン研究所卒業。書籍、アパレル、広告など幅広い媒体にイラストレーションを提供するほか、ペインティング、セラミック、ウッドカットなど多様な手法で制作を行う。2024年には音楽をテーマにした作品集『WALL OF SOUND』を刊行。近年は鹿児島発のカーライフブランド〈HIGHWAY/南国灰道倶楽部〉の立ち上げなど、その活動領域をさらに広げている。
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アートをもっと自由に、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディア。日々、アートのイロハが分かるコンテンツを配信しています。アイコンは「イロハニくん」。アートのそばに、ひっそりと棲んでいます。
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