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2023.3.24
名作椅子からペッパーミルまで?!『The Original』にお気に入りのデザインを探しに行こう
「原型」や「原初」、また「独創的な」や「創造的な」を意味する「Original(オリジナル)」。例えば「オリジナルの商品」や「オリジナルメンバー」、それに「オリジナルな経営」など、日常の生活でもよく使われる言葉ですが、「オリジナルなデザインとは何か?」という問いに対してひとつの答えを示そうとするのが、21_21 DESIGN SIGHTで開催中の展覧会『The Original』です。
目次
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の『The Original』展示風景。椅子はナナ・ディッツェルの『C-326 ハンギングエッグチェア』 1959年 R.ヴェングラー(デンマーク) 1977年以降 山川ラタン(日本)
まず知りたい!「The Original」の定義とは?
『The Original』展示風景。マルト・スタムの『S 33』(※)などの椅子が並んでいます。 ※ゲブリューダー トーネット(オーストリア) 1926年 2006年以降 トーネット(ドイツ)
まずは展示における「The Original」の定義をおさえておきましょう。それは「世の中に深く影響を与えるデザイン」のこと。確かな独創性と根源的な魅力、そして純粋さ、大胆さ、力強さをそなえたデザイナーによるプロダクトを「The Original」と呼んでいます。ただここでいう「The Original」は、必ずしもものづくりの歴史における「はじまり」を意味しません。
『The Original』展示風景。左は倉俣史朗の『Kシリーズ』 1972年 ヤマギワ(日本)
この『The Original』展に関わったのが、展覧会ディレクターの土田貴宏と企画原案の深澤直人、それに企画協力の田代かおるの3名。いずれも第一線で活躍するデザイナーです。それぞれが深い議論を重ねた上で、19世紀から現在までの家具や食器、またテキスタイルや玩具など150点の「The Original」を選びました。
日々の生活を営む中で重要な家に関するプロダクト。空間再現展示が充実
『The Original』展示風景。シャンデリアはアキッレ・カスティリオーニ『タラクサカム 88 S』 1988年 フロス(イタリア)
どのようなプロダクトが「The Original」として紹介されているのでしょうか? まず登場するのが人が日常生活を営む中で重要な家に関するプロダクトです。会場では暮らしを支え、生きていくのに役立つものを揃えた家をイメージした2つの空間を構成。3色のテキスタイルによって彩られた空間には、20世紀初めから半ばにかけてイタリアでデザインされた製品などが並んでいます。
『The Original』展示風景。椅子はシャルロット・ペリアンの『ドロン・ホテル』 2020年(デザイン:1947年) カッシーナ(イタリア)
また壁に仕切られた部屋には、20世紀前半から現代までの多様な製品を組み合わせて配置。落ち着いたデザインが多いようでありながら、目を凝らすと1点ごとに確かな個性があることが見てとれます。照明や椅子、そしてベッドなどが響き合いながら、居心地の良い空間を作り上げていました。
家具からモビリティまで。19世紀から現代までの「The Original」のプロダクトが大集合
右:ミヒャエル・トーネット『214(No.14)』 ゲブリューダー トーネット(オーストリア) 1859年 2006年以降 トーネット(ドイツ)
これに続くのが19世紀から現代における100点以上のプロダクトを並べた展示です。古くは1859年のオーストリアのウィーンで作られた曲木椅子から、2020年に発表された日本製の木の椅子までを時代ごとに分けて紹介しています。
『The Original』展示風景。机はピート・ハイン、ブルーノ・マテソン『スーパー楕円テーブル』 1968年 フリッツ・ハンセン(デンマーク)
ここで興味深いのが「The Original」で選ばれたデザインの多くは、時代に左右されない個性を持ち合わせていることです。100年前の製品であっても現代のもののように見えたり、逆に現代のものが100年前の製品のように格調高く思えることも少なくありません。
『The Original』展示風景。ピーター・シュラムボーム『ケメックス©︎ コーヒーメーカー』(※)などが並んでいます。 ※1941年 ケメックス©︎(アメリカ)
また家具や照明だけでなく、調理器具や文房具、玩具、モビリティなど暮らしに関わる幅広いプロダクトを扱っているのも特徴です。さらに壁面のグラフィックには、写真家ゴッティンガムが撮影した展示品約50点の写真を大きくレイアウト。実物と写真を見比べながら、各プロダクトの魅力を感じることもできます。
身近で少し意外なプロダクトも?あなたのだけの「The Original」を探しにいこう!
オーレ・キアク・クリスチャンセン(創業者)『レゴ©︎ブロック』 1949年 レゴ(デンマーク)
最後にさまざまなプロダクトから、身近で少し意外な「The Original」をピックアップしましょう。まずはレゴ©︎ブロックです。1949年にデンマークで誕生したレゴ©︎は、プラスチックのブロックを組み立てることで、乗り物から映画の名場面までを作ることのできます。世界でも抜群の知名度を誇る玩具のひとつですが、子どもの頃に遊んだ記憶のある方も多いかもしれません。
不詳『ビストロ(ペッパーミル)、『パリ18cm(ペッパーミル)』 1874年(ビストロ) 1987年(パリ18cm) プジョー(フランス)
食卓に欠かせないペッパーミルも「The Original」に選ばれました。ここで紹介されるのは自動車メーカーでありフランスのプジョーによるもの。同社は19世紀から幅広い刃物や金属製品を手がけていて、1874年には刃の構造に高度な切削加工技術を活かしたペッパーミルが登場しました。
株式会社大塚製薬(プランニング)、細谷巌(パッケージデザイン)『カロリーメイト』 1983年 大塚製薬(日本)
唯一の食品であるカロリーメイトも極めて身近な「The Original」ではないでしょうか。たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルのバランスを考えてデザインされたカロリーメイトは1983年に大塚製薬より発売。カロリー計算がしやすいようにブロック1本がちょうど100カロリーになっています。ダイエットや軽い栄養補給にも重宝するカロリーメイトは、もはや国民的栄養調整食品と呼んでも過言ではないかもしれません。
クララ・フォン・ツヴァイベルク『ペーパー ペーパー ビン』 2020年 ヘイ(デンマーク)
このほか、一見プラスチックなどで出来ているように見えながらも、実はリサイクル紙で作られているデンマークのゴミ箱『ペーパー ペーパー ビン』も面白いのではないでしょうか。スタイリッシュな構造はまさに北欧デザイン。紙ならではの美しい発色を見せています。またさらにリサイクルも可能なので、ゴミ箱がゴミになってしまうこともありません。
『The Original』展示風景。右手前の椅子はダン・スヴァースの『ワイヤーチェア』 2022年(デザイン:1972年) エー・ピーターセン(デンマーク)
オリジナルのデザインと聞くと少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、暮らしに根ざしていたり、普段何気なく利用しているものがあるなど、必ずしもそうではありません。あなたのだけの「The Original」を探しに、21_21 DESIGN SIGHTへ出かけてみてください。
展覧会情報
『The Original』 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
開催期間:2023年3月3日(金)〜6月25日(日)
所在地:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
アクセス:都営大江戸線六本木駅、東京メトロ日比谷線六本木駅、 千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
開館時間:10:00~19:00
※入場は18:30まで
休館日:火曜日(3月21日は開館)
観覧料:一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
https://www.2121designsight.jp/
画像ギャラリー
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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