EVENT
2023.7.5
印象派の鑑賞を超えた「体験」ができる『Immersive Museum OSAKA』が開催中!
大阪で「Immersive Museum OSAKA」が開幕しました。堂島リバーフォーラムにて、2023年9月6日(水)まで開催されています。
本展は「絵画×映像」の没入体験型ミュージアムで、絵画の世界を「体感」することができます。床を含めた360°のプロジェクションを通し、モネやドガなど印象派の巨匠たちの絵画に入り込み、絵画の世界そのものを体験できる本展の見どころを、美術ライターの明菜が紹介していきます。
映像化を超えた圧倒的な「体感」
VRやARの技術により、遠隔地の美術館にも気軽に足を運んだ気分になれる現代。映像を通した絵画のデジタルな鑑賞は、もはや一般的な技術として日常に馴染んでいます。
しかし、本展が実現するのは単なる映像化を超えた「体感」です。キャンバスに定着した巨匠たちの筆致や色彩を解体し、大きなスケールで音楽とともに再構築します。
水族館の巨大な水槽の中を集団で泳ぎ回るイワシのように、ゆっくりと、ときに猛スピードで動く色彩は圧巻。その体験自体が新鮮ですし、フォトジェニックなので写真撮影も楽しいです。
さらにもう一歩進んで考えてみると、画家が表現したかった世界の逆算といえるのではないか、ということに気づきます。
二次元の色彩を解体して三次元の体験とすることは、印象派の画家たちが三次元の風景を二次元のキャンバスに描くことの反対の流れ。本展は現存する絵画をもとに、画家の目や感性が捉えた世界を再解釈して表現しているとも言えます。
19世紀末~20世紀初頭のパリで、印象派の画家たちは何を見て、何を感じ、何を描こうとしていたのか……。本展の体験を通じて、彼らが追求した理想にも思いを馳せたいです。
立って、座って、動いて楽しむ
本展では、広い会場内を自由に歩き回りながら、作品を楽しむことができます。
例えば、立って鑑賞するにしても、会場の真ん中あたりに立つのと壁際に立つのとでは、それぞれ異なる体験ができます。真ん中で全体を見渡しながら楽しむも良し、壁際でダイナミックな映像に体ごとさらわれそうな体験をするも良し……。会場内を歩いて、お気に入りの場所を見つけましょう。
会場内に設置されているクッションも、自由に使ってOK。座ったり寝ころんだりしてくつろぎながら、作品を味わってみてください。床が近くなるので、床に映る色彩に溺れそうになる体験もできます。
立ったり座ったり歩いたりしながら、いろいろな角度で作品を楽しんでみてくださいね。
まとめ
Immersive Museum OSAKAは、美術館で絵画を見るのとは違う体験を教えてくれる場所でした。「美術館に行くのはちょっと緊張する……」という方も、アートの楽しさ・自由さに触れられる素晴らしいスポットです。
まったく新しい方法で絵画に触れられる機会なので、普段から美術館に行く方もあまり行かない方も、楽しんでいただければと思います!
展覧会情報
Immersive Museum OSAKA
日程:
2023年6月17日(土)~9月6日(水)
【平日】10:00~20:00(19:00最終入場)
【土日祝】10:00~20:00(19:00最終入場)
会場:
堂島リバーフォーラム
〒553-0003 大阪市福島区福島1-1-17
チケット:
一般 ¥2,500
中・高校生 ¥1,700
小学生 ¥700
公式ウェブサイト:https://immersive-museum-osaka.jp/
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明菜

美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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