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2023.12.6

【京都・4/13~】国宝6件が集結!「画聖」雪舟の偉大なる影響の全貌を知る特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」

日本美術史上もっとも重要な画家の1人である、雪舟。優れた作品を残し、後世に大きな影響を与えた、「画聖」と称えられる室町時代の画家です。

「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」

要人であるにもかかわらず、「名前は聞いたことがあるけど……」「水墨画を描いたことくらいしか知らないなあ……」という人も多いはず。実は、近年注目を浴びる伊藤若冲や円山応挙などを含む、後世の画家たちに多大な影響を与えた重要な画家なんです。

国宝 秋冬山水図 雪舟筆 東京国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示

そんな雪舟とその影響を受けた日本美術の大きな流れを学べる展覧会が、京都で開催されます。特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」は、京都国立博物館で2023年4月13日(土)から5月26日(日)まで。

なんと本展は、巡回なしの京都限定開催! 2024年の春は何がなんでも京都へおこしやす、ということです。

前置きが長くなりましたが、本展の記者発表会を取材した美術ライターの明菜が、本展の見どころを紹介していきます。

見どころ①「画聖」と書いて「カリスマ」と読む、雪舟の凄さとは?

探幽縮図 雪舟筆自画像模本 狩野探幽筆 京都国立博物館蔵 江戸時代(17世紀) 通期展示

雪舟(1420〜1506?)は、備中国赤浜(現在の岡山県総社市)に生まれた人物です。禅僧として修行を積みながら絵を学び、応仁元年(1467)には遣明使節の一行に加わり入明を果たします。3年に及ぶ滞在で宋元画を学び、帰国後は旅を重ねながら、骨太で力強い筆墨に特色のある作品を残しました。

重要文化財 四季花鳥図屏風(右隻) 雪舟筆 京都国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示

私の個人的な感想ですが、力強い表現力はもちろん、目を飽きさせることの無い画面構成が素晴らしいな、と雪舟の作品を見るたびにうっとりしてしまいます。加えて、雪舟前後で日本の美術は大きく変わったのではないかと感じています。


雪舟の研究者ではない私ですら、比類ない「凄まじさ」を感じるのです。知識の有無に関わらず感じられるものがあるはずなので、ぜひ、皆さんにも会場で生の雪舟作品を味わってほしいな〜! と思っております。

重要文化財 四季花鳥図屏風(左隻) 雪舟筆 京都国立博物館蔵 室町時代(15世紀) 通期展示

ちなみに、少年時代に寺で叱られた雪舟が「涙でネズミの絵を描いた」という有名なエピソードはご存知でしょうか?

これは江戸時代に語られるようになったそうで、巨匠につきものの天才伝説のひとつと言えそうです。真偽はともかく、それほど偉大な人物として知られていたと考えられます。

見どころ②雪舟の国宝6件すべて公開!

雪舟の作品のうち、国宝に指定されているのはなんと6件。狩野永徳の4件を凌ぎ、1人の画家としては最も多い件数が指定されています。これだけでも、雪舟の作品自体への高い評価のみならず、後世への大きな影響を読み取れるのでは。

国宝 天橋立図 雪舟筆 京都国立博物館蔵 室町時代(16世紀) 通期展示

そんな6件の国宝を、本展ではすべて観ることができます! しかもすべてが通期展示(
「四季山水図巻(山水長巻)」(毛利博物館蔵)は場面替えあり)。「ザ・雪舟」と称されるほど広く知られた国宝《秋冬山水図》をはじめ、名品中の名品をたっぷり鑑賞できる貴重な機会です。

見どころ③そして「伝説」へ……影響を受けた多彩な画家たち

富士三保松原図 原在中筆 静岡県立美術館蔵 江戸時代 文政5年(1822) 通期展示

公式ウェブサイトに「※「雪舟展」ではありません!」とあるのも、本展の興味深いポイント。「近世における雪舟受容をたどる」とのことで、雪舟の作品がどのように受け入れられ、定着していったのかを学べる展覧会になりそうです。


美術史における「評価」というのは、SNSの「バズ」とは違い、長い時間を経て形成・確立されていきます。現在、雪舟が高く評価されているのは、後の画家たちが雪舟を慕い、その作品に学んで新しい絵画を打ち出してきた歴史があるからです。

竹林七賢図屏風(右隻) 長谷川等伯筆 京都・両足院蔵 桃山時代 慶長12年(1607) 通期展示

たとえば長谷川等伯(1539-1610)。自ら「雪舟から数えて五代目」と名乗るほど、雪舟をリスペクトしていました。雲谷等顔(1547-1618)は雪舟のアトリエであった「雲谷庵」と「四季山水図巻(山水長巻)」を拝領し、名実共に雪舟流の後継者として活躍しました。

富士三保図屏風(左隻) 曾我蕭白筆 滋賀・MIHO MUSEUM蔵 江戸時代(18世紀) 通期展示

曽我蕭白(1730-1781)や司馬江漢(1747-1818)、原在中(1750-1837)は、雪舟の作品に影響を受けたと思しき絵画を残しています。本展で見比べることができるのも嬉しいですね。


また、現在では雪舟ではないとされている作品でも、江戸時代には雪舟の作品として広まったものがあったそうです。「雪舟展」では展示されないかもしれませんが、「雪舟受容」の観点では重要な作品。本展ではこのような作品も展示され、当時の人々にとっての「雪舟」も学ぶことができそうです。

展覧会情報

「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」

特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」
会期:2024年4月13日(土)~5月26日(日)
[主な展示替え]
前期:4月13日(土)~5月6日(月・休) 後期:5月8日(水)~5月26日(日)
会場:京都国立博物館
公式ウェブサイト:特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」
問い合わせ:075-525-2473(テレホンサービス)
休館日:月曜日(ただし、4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)

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明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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