EVENT
2025.2.24
女性を描いた女性画家、見逃せない大回顧展『生誕150年記念 上村松園』大阪中之島美術館
男性がほとんどを占めていた明治の画壇に挑み、女性画家の道を切り拓いた、上村松園。美人画の巨匠として知られる松園の大回顧展『生誕150年記念 上村松園』が、大阪中之島美術館で開催されます。会期は3月29日(土)〜6月1日(日)です。
本展は、大阪の美術館では初めてとなる松園の大回顧展です。他館への巡回はなく、大阪でしか味わうことができません。
生誕150年というメモリアルイヤーに、松園の作品や画業、そして彼女の人生に触れてみてはいかがでしょうか。
見どころ①初期から晩年までの松園の画業をたどる100件以上が展示
上村松園《待月》1944年 吉野石膏コレクション 【後期展示】
京都に生まれた上村松園(1875-1949)は、美人画の第一人者として知られています。
当時の美術界は男性で占められていましたが、松園は実力派として頭角を現して注目を集め、文展などで精力的に作品を発表しました。
上村松園 《三美人之図》 1908年 光ミュージアム 【通期展示】
松園が描いたのは、同じ時代に美人画で注目されていた鏑木清方や北野恒富とは異なる女性像でした。独自の理想を追い求め、信念を貫いて制作された作品の数々。気品ある佇まいはもちろんのこと、私はあたたかさや優しさも感じます。
また、女性画家のパイオニアとなった松園の存在は、池田蕉園や島成園をはじめ多くの女性画家が誕生するきっかけにもなりました。
本展は、美人画の画家としても、日本の女性画家としても大活躍した松園の画業を展望できる好機です。初期から晩年までの100件以上の作品を通し、彼女の仕事と人生を追いかけてみましょう。
見どころ②重要文化財《母子》《序の舞》など名品が集結
上村松園 《母子》 (重要文化財) 1934年 東京国立近代美術館 【後期展示】
「大回顧展」と呼ぶにふさわしく、本展には重要文化財《母子》《序の舞》をはじめ、《草紙洗小町》《晩秋》などの名品が揃い踏みします。
《母子》は母親の慈愛に満ちた眼差しが描き出された作品で、母性をテーマとした松園の作品のなかでも代表的な作品です。
上村松園《序の舞》(重要文化財)1936年 東京藝術大学 【後期展示】
《序の舞》に描かれるのは、能を舞う若い女性。優美な所作と凜とした表情が印象的な本作は、着物の赤を深読みして女性の感情まで想像したくなります。
また、本展では完成作に関連する表現豊かな下絵や素描(松伯美術館蔵)も、数多く紹介されます。さまざまな角度から松園の芸術に触れられる機会です。
見どころ③日本文化における「美」を再発見
本展は以下の4章で構成されています。
第1章 人生を描く
第2章 季節を描く
第3章 古典を描く
第4章 暮らしを描く
これらのキーワードから、松園が関心を持っていたテーマをじんわりと感じ取ることができるかもしれません。
上村松園 《草紙洗小町》1937年 東京藝術大学 【前期展示】
古画や近世風俗画、浮世絵など幅広く研究した松園。伝統や古典を背景に、独自の絵画を切り開いた彼女の作品には、松園が着目した日本文化の美が凝縮されています。
女性の一生を季節の巡りになぞらえて描いたり、四季折々の女性の姿を描いたり。伝統的な主題を深めた作品もあれば、日常のひとこまを描いた作品も多数あります。
上村松園 《春》1938年 田渕ホールディングス株式会社 【通期展示】
松園の画業は約60年間にも及びます。それだけの時間があれば、彼女の目に映る社会にも変化があったはずです。今では私たちの日常から失われてしまったけれど、松園が愛し続けた文化や暮らしを、作品を通して感じてみてはいかがでしょうか。
展覧会情報
生誕150年記念 上村松園
会期:2025年3月29日(土)〜6月1日(日)
◎前期:3月29日(土)〜5月11日(日)
◎後期:5月13日(火)〜6月1日(日)
休館日:月曜日、5/7(水)
*4/28(月)、5/5(月・祝)は開館
開場時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
展覧会公式サイト:生誕150年記念 上村松園
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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