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2025.3.7

大阪市立美術館、輝きを増してリニューアルオープン!日本で3番目に古い公立美術館の「今」

桜のつぼみが丸く膨らむ3月。春を連れてくるかのように、3月1日、大阪市立美術館がリニューアルオープンしました。
同館は昭和11(1936)年に開館した、日本で3番目に古い公立美術館。90年近い歴史の中で初めての大規模改修が完了しました。

約2年半に及ぶ改修では、無料ゾーンが拡充されるなど、より利用しやすい美術館へ。一方で、歴史的建築物の持ち味も活かされ、古さと新しさの両方が嬉しい空間が楽しめます。

展示風景展示風景

《青銅鍍金銀 羽人》中国・後漢時代・1~2世紀 山口コレクション《青銅鍍金銀 羽人》中国・後漢時代・1~2世紀 山口コレクション

リニューアルオープンを記念し、特別展『What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!』が開幕しました。日本・東洋美術を中心とする同館の所蔵品約8700件から、絵画や書蹟、彫刻、漆工、金工、陶磁など分野ごとに選りすぐりの作品約250件が展示されています。

《蓑亀蒔絵杯》江戸〜明治時代・17〜19世紀 カザールコレクション《蓑亀蒔絵杯》江戸〜明治時代・17〜19世紀 カザールコレクション

同館を代表する「名品」と、隠れた「珍品」を紹介する本展。今までにない切り口でコレクションを展示する展覧会ですが……私、気づいてしまいました。

大阪市立美術館そのものが、「名品」であり「珍品」、なんです。

ココが名品:約90年の歴史がにじむ建築

外観外観

私が大阪市立美術館を初めて訪れたのは、ちょうど10年前の秋。まだ美術ブロガー・ライターではない大学生で、美術への関心も今ほどではありませんでした。

USJで遊んだ翌日、あべのハルカスを見物。余った時間を潰そうと、近くの観光地を検索して見つけたのが、大阪市立美術館です。

内観内観

何の気なしに訪れてみたら、歴史を感じる重々しい外観にびっくり。圧倒されながら正面の階段をそーっとのぼり、入館したら中央ホールの重厚な雰囲気と大きなシャンデリアにこれまたびっくり……。

あれから10年が経ち、USJとあべのハルカスのことは大して覚えていないのですが、同館の格調高い空間から受け取った衝撃は、今もはっきりと覚えています。

内観内観

今回の大規模改修では、登録有形文化財である建物の良さを引き出すため、可能な限りオリジナルを残したとのこと。失われた部分も、古写真などを参考に再現に努めたそうです。

中央ホールのシャンデリアは耐震の観点から降ろされましたが、天井を剥がしたところ、白いしっくいで作られたオリジナルの天井が現れたそう。こちらは可能な限り活用され、創建時に近い姿を見ることができます。

内観内観

今、ゼロから美術館を新しく建てる場合、同館のような建築にはならない(できない?)と思うのです。ここだけの歴史情緒のある空間で美術鑑賞ができる……という意味で、大阪市立美術館そのものが「名品」と言えるのではないでしょうか。

ココが珍品:最新技術でアップデートされた展示環境

展示風景展示風景

長く愛されてきた同館の古さを「名品」とするなら、最新技術が導入された見やすい展示環境は、「珍品」と呼べるのでは。

今回、「展示品を美しく見せる展示ケース、照明デザインを採用」したとのこと。作品と私たちの間にあるガラスの透明度が高く、かつ反射が少ないため、作品と直に対面しているかのように感じられました。

世界に3点のみという珍品《青銅鍍金銀 羽人》が同館の広報大使に就任し、キャラクターへ世界に3点のみという珍品《青銅鍍金銀 羽人》が同館の広報大使に就任し、キャラクターへ

あまりにもガラスの存在が気にならないためか、「ガラスにぶつからないようご注意ください」という掲示があるほどです。

展示風景展示風景

また、長さ約3.5メートルの絵画も全体を見せられる大きな展示ケースが導入されました。上から下まで作品全体に照明が均一に当たり、ストレスなく鑑賞することができます。

展示風景展示風景

360°ぐるりと見られる独立したケースでは、小さな作品も展示。あらゆる作品に対応した同館で、これからどんな展示が見られるのかも楽しみです。

ココも珍品:「ひらかれたミュージアム」へ

カフェ「ENFUSE」カフェ「ENFUSE」

リニューアルは展示環境のみにとどまらず、「ひらかれたミュージアム」の実現に向けて大きく変化しました。特に注目したいのが、無料ゾーンの拡充です。

カフェ「ENFUSE」のメニュー『古今東西のおかずプレート』カフェ「ENFUSE」のメニュー『古今東西のおかずプレート』

中央ホールは無料ゾーンとなり、慶沢園を臨むテラスが新設。カフェとミュージアムショップもでき、展覧会を見るという目的がなくても、ふらっと遊びに行ってみたい場所になりました。

ミュージアムショップミュージアムショップ

(実はミュージアムショップをすごく気に入ってしまいまして……。こじんまりとしたお店ながらセンスの良い小物が豊富で、毎日でも通って新商品を逐一チェックしたいくらいです。無料ゾーンにあるので助かります……!)

正面階段の下にはエントランスが設けられ、バリアフリーで入館できるよう工夫も。これまで以上に利用しやすい美術館になりました。

古くて新しい、大阪市立美術館

手前:《彩陶 鋸歯文双耳壺》(伝)甘粛省出土 中国・新石器時代・前2600〜前2300年 大澤清氏寄贈手前:《彩陶 鋸歯文双耳壺》(伝)甘粛省出土 中国・新石器時代・前2600〜前2300年 大澤清氏寄贈

これまでは展示替えの作業などのため、同館の開館日数は年間200日強となっていました。改修によりバックヤードの構造も見直され、今後は年間300日の開館を目指すとのことです。

歴史の趣きを残しつつ、最新技術を取り入れてアップデートされた大阪市立美術館。訪れるのが楽しみな、名品・珍品な美術館です。

美術館・展覧会情報

内観内観

リニューアルオープン記念特別展
What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!

会場:大阪市立美術館

会期:2025年3月1日(土)~3月30日(日)
※本展は予約制ではありません。
※会期中、一部展示替えがあります。
※災害などにより、変更となる場合があります。

開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日:月曜日
※災害などにより臨時で休館となる場合があります。

美術館ウェブサイト:大阪市立美術館
展覧会ウェブサイト:What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!

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明菜

明菜

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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。

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