EVENT
2021.7.27
猛暑を忘れて癒やしのひとときを。ガラスのジュエリー・うつわの展覧会
夏ですね。熱気が肌にまとわりついて離れません。暑さを少しでも忘れたいなら、東京都庭園美術館へ行ってみませんか?
同館では展覧会『ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて』が始まりました。ガラスを使ったラリックの作品を見て涼をとりましょう!
ラリックとはどんな人なのか、展覧会では何が見られるのか、美術ライターの明菜が紹介していきます。
ルネ・ラリックとは?
ラリック(1860-1945)は19世紀末から20世紀半ばにかけて活動した、フランスのジュエリー作家・ガラス工芸家です。
10代からパリで金銀細工師の訓練を受け、イギリスで2年間美術を学び、帰国後はカルティエなど著名なメゾンにジュエリーの作品を提供。25歳で独立します。
ペンダント《冬景色》1898年頃 個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
当時のジュエリーといえば、宝石を使った貴重な一点ものでした。しかし、ラリックはガラスやオパールなど、それまであまり使われなかった素材を加工し、デザインによる美の表現に挑戦します。植物や昆虫、女性をモチーフにした斬新なジュエリーで、一世を風靡しました。
やがてラリックは本格的にガラス工芸家の道を進み、花瓶や食器のように普段使いできるガラスのプロダクトを作るようになります。ここでも自然や女性像に着想を得たラリックらしいデザインセンスを発揮しました。
貴族好みのジュエリーと、仕事を持つ富裕層(ブルジョワジー)が好む日用品の両方の仕事で、ラリックは成果を上げました。「今、世の中に何が必要か」を敏感にとらえ、自分の作品で表現できるクリエイティブな能力の持ち主だったのです。
ちなみに会場の東京都庭園美術館は、ラリックと縁が深い建築です。旧朝香宮邸と呼ばれる本館では、ラリックが制作したガラスレリーフ扉やシャンデリアも見られます!
多彩なインスピレーション
展覧会で特に注目したいのが、モチーフの多様さです。ラリックは植物、動物、人物、幾何学模様と身の回りのいろいろな形に刺激を受け、私たちを魅了するデザインに昇華させました。
作品のタイトルを見なくてもインコだとわかる表現力は凄すぎます。大きい花瓶なので花束を活けてみたいな。花の影でインコたちが身を寄せ合い、休んでいるように見えるでしょう。
テーブル・センターピース《三羽の孔雀》1920年 北澤美術館
テーブル・センターピースに刻まれた孔雀は見応えバツグン!羽根を表現する細い線がひとつひとつ刻まれ、まるで彫刻のよう。溶けたガラスを型に押し付けて作られましたが、ここまで細かい模様が刻まれるとは…ガラスを加工するラリックの技術の高さにも驚きます。
香水瓶《シダ》には、1909年に亡くなった妻アリスの姿を刻印しました。女性の身体の形や髪型、植物のシダが細かく彫られ、神話の世界を表現したかのようにロマンティックな作品です。
まとめ
展覧会を見た私の率直な感想は「とても素敵!ひとつください!」です。ラリックの美意識が全開で、どの作品もキラキラして見えました。
この夏は多彩なモチーフに注目しながら、ひんやりとしたガラスの芸術を愛でてはいかがでしょうか?
常夜灯《ツバメ》、ほや《つむじ風》1919年 ギャルリー オルフェ
展覧会情報
展覧会名:ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて
会期:2021年6月26日(土)-9月5日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)
休館日:毎週月曜日
*ただし7月26日、8月2・9・30日は開館、8月10日(火)休館
開館時間:10:00–18:00
*入館は閉館の30分前まで
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210626-0905_ReneLaliqueRemix.html
画像ギャラリー
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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