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2021.8.2
休館前最後の展覧会から前代未聞の北斎展まで。8月に見たい東京都内のおすすめ展覧会5選
8月に入りいよいよ夏休み。旅行を計画していた方も多いかもしれません。しかし依然としてコロナ禍が続く中、なかなか遠出も難しいところ……。そこでこの夏、都内で楽しめるおすすめの展覧会をピックアップしてみました。
目次
リニューアル前の最後の展覧会。「自然のすがた」でたどる珠玉の日本・東洋美術コレクション
東京・日本橋の三井本館に位置する三井記念美術館には、江戸時代以来、約350年に及ぶ三井家の歴史の中で有数の日本・東洋美術コレクションが収集されてきました。
『自然が彩る かたちとこころ』では、そのコレクションの中から「自然」がどのように美術として表現されるのかについて着目。ともに国宝の『雪松図屏風』(円山応挙筆)や『志野茶碗 銘卯花墻』、それに重要文化財の『日月松鶴図屏風』といった70点の選りすぐりの名品が公開されます。襖の木目の斜線を巧みに利用して、風に吹かれる秋草を瀟洒(しょうしゃ)に描いた酒井抱一の『秋草に兎図襖』も見どころの1つです。
会期中に展示替えがなく、一度にすべての名品を鑑賞できるのも嬉しいところ。そして三井記念美術館は今回の展示を終えると、リニューアル工事のために2022年4月下旬(予定)まで休館します。長期休館に入る前に三井が誇るお宝を目に焼き付けておきたいものです。
『自然が彩る かたちとこころ』 三井記念美術館
開催期間:2021年7月10日(土)~8月22日(日)
所在地:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A7出口より徒歩1分。JR線新日本橋駅1番出口より徒歩5分。
開館時間:10:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日:月曜日。ただし8月9日(月・休)は開館。
料金:一般1300円、大学・高校生800円、中学生以下無料。
http://www.mitsui-museum.jp
前代未聞の北斎展!『北斎漫画』、『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁・全点・全図を味わい尽くす
江戸時代後期に活躍し、90歳で没するまで約3万点もの作品を残したとされる浮世絵師、葛飾北斎。現在に至るまで人気の絵師だけに、日本はおろか世界各地で頻繁に回顧展が行われてきました。
しかし東京ミッドタウン・ホールで開催されている『北斎づくし』は、過去に一度もなかった唯一無比なもの。代表作の『北斎漫画』、『冨嶽三十六景』、『富嶽百景』の全頁(ページ)・全点・全図が一堂に会しています。史上初めての試みであるのは言うまでもありません。
『北斎漫画』のモチーフを空間全体へ展開した会場デザインにも要注目です。パリを拠点に活動する建築家の田根剛が展示設計を担当。さらにグラフィックをアートディレクターの祖父江慎が行い、解説を永青文庫の副館長で美術番組への出演でも知られる橋本麻里が担っています。北斎の魅力を伝えるべく豪華なメンバーが集結しました。
入場はオンラインでの日時指定予約制です。またミュージアムショップで定評のある株式会社East(イースト)とのコラボレーション・グッズも見過ごせません。散財必至! まるで北斎の描いた世界の中に入り込むような『北斎づくし』展を味わい尽くしましょう。
『生誕260年記念企画 特別展 北斎づくし』 東京ミッドタウン・ホール
開催期間:2021年7月22日(木・祝)~9月17日(金)
所在地:東京都港区赤坂9丁目7-2
アクセス:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩5分。
開館時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:8月10日(火)、8月24日(火)、9月7日(火)
料金:一般1800円、大学・専門学校生1200円、高校生・小中学生900円。
https://hokusai2021.jp
撮影もOK。遊び心に満ちた展示空間も楽しい、安西水丸のイラストレーション
イラストレーターの安西水丸を知っていますか?『がたん ごとん がたん ごとん』といった絵本や村上春樹などの本の装丁を手掛け、エッセイや広告などでもマルチに活躍しました。
その安西の幼少期から晩年までの足跡をたどるのが、世田谷文学館で開催されている『イラストレーター 安西水丸展』です。会場には装丁、絵本、漫画、雑誌、広告、立体物など実に500点以上の作品がずらり。さらに生涯を旅した安西にちなんで、旅にまつわる原稿や旅先で求めた民芸品までも公開しています。安西の人となりが伝わるかのような内容です。
そしてデザイン事務所「DO.DO.」(ドド)による構成も見どころ。のぞき穴や顔はめスポット、絵を拡大したモチーフなどを設置し、会場全体に安西のイラストレーションを散りばめるように作っています。8か所へ隠れている安西のパネルやシルエットを探すのも楽しいです。
展示は2016年から全国巡回中。しかし世田谷では「集大成」として、2020年末に新たに発見された小説の原画といった貴重な作品も初めて公開しています。当初の8月末までの会期も9月20日までに延長されました。時間に余裕をもって見たい展覧会です。
『イラストレーター 安西水丸展』 世田谷文学館
開催期間:2021年4月24日(土)~9月20日(月・祝)
所在地:東京都世田谷区南烏山1-10-10
アクセス:京王線芦花公園駅南口より徒歩5分。
開館時間:11:00~18:00(入場、ショップの営業は17:30まで)
休館日:月曜日。ただし8月9日、9月20日は開館。8月10日は休館。
料金:一般900(720)円、65歳以上・大学・高校生600(480)円、小・中学生300(240)円。
※( )内は20名以上の団体料金。
https://www.setabun.or.jp
画業の大半を過ごしたゆかりの地で見る、川瀬巴水の描いた日本の風景
大正から昭和にかけて日本の風景を描いた新版画家、川瀬巴水(かわせ はすい)。欧米のコレクターに紹介された巴水は特に海外で高い人気を誇ってきましたが、今や日本でも再評価が進み、「昭和の広重」とも呼ばれるなどして多くの人々に親しまれてきました。
その巴水が画業の大半を過ごしたのは、代表作『馬込の月』の舞台となった東京の大田区でした。大田区立郷土博物館で行われている『川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―』では、初期から晩年までの作品、約400点を展示。さらに巴水の自筆日記を初公開し、版画の制作過程から旅先でのエピソードや交友関係も紹介します。会期は2つに分かれていて、前期では東京、後期では旅先の風景を描いた作品が展示されます。
すでに今年は4月から6月にかけて平塚市美術館で『荒井寿一コレクション 川瀬巴水展』が開かれ、10月からは東京・新宿のSOMPO美術館にて『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』が予定されるなど、ファンにはたまらない巴水イヤー。そして大田区立郷土博物館の展示は入場無料です。詩情豊かな風景版画をゆかりの地でじっくり見たいものです。
『川瀬巴水―版画で旅する日本の風景―』 大田区立郷土博物館
開催期間:2021年7月17日(土)~8月15日(日)、8月19日(木)~9月20日(月・祝)
所在地:東京都大田区南馬込5-11-13
アクセス:都営浅草線西馬込駅東口より徒歩7分。
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日。展示替えに伴う休館日(7月12日~7月16日)
料金:無料
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/manabu/hakubutsukan/
夏休みの自由研究にも最適!国立科学博物館で学ぶ植物の驚きに満ちた世界
地球上の生命に追ってなくてはならない存在であり、人間にとっても最も身近な生物の「植物」。その驚きに満ちた生態を最先端の研究によって解き明かす展覧会が、国立科学博物館にて開催中です。
『特別展 植物』では、世界最大の花『ラフレシア』や高さ約2メートル70センチもの花の集まりをつける『ショクダイオオコンニャク』の実寸大模型をはじめ、世界で初めて開発に成功した『青いキク』の標本など、200種類以上の植物を紹介。生き方や進化、光合成のあり方などに焦点を当てた7つの章にて植物の謎に迫っています。食虫植物や世界初公開となる最古の植物化石も見どころです。
会場では光合成の仕組みをゲーム感覚で楽しく学べる『光合成ファクトリー』や、花の遺伝子の作用を音楽にした『花の遺伝子ABC』ソングも公開され、植物のメカニズムについて親しみやすく理解できるように工夫されています。ちょうど夏休みの時期、自由研究にももってこいの内容かもしれません。日本館、地球館と展開する膨大な常設展とともに、一日をかけて見て回りたい展覧会です。
『特別展 植物』 国立科学博物館
開催期間:2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)
所在地:東京都台東区上野公園7-20
アクセス:JR線上野駅公園口から徒歩5分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口から徒歩10分。京成線京成上野駅から徒歩10分。
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:9月6日(月)。
料金:一般・大学生1900円、小・中・高生600円。
※オンラインでの日時指定予約制。
https://www.kahaku.go.jp
※新型コロナウイルス感染症の状況等により、各展覧会の会期や時間の変更、また事前予約など入場の方法が変わる可能性があります。最新の状況は各館のウェブサイト、公式Twitterアカウントなどでご確認ください。
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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。
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