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2026.8.28
【泉屋博古館】『寛永行幸四百年記念 特別展 寛永行幸と花の都の文化びと』400年前の一大イベントから生まれた文化
京都の泉屋博古館にて特別展「寛永行幸四百年記念 特別展 寛永行幸と花の都の文化びと」が開幕します。会期は9月5日(土)〜10月18日(日)です。
目次
《二条城行幸図屏風》部分:東福門院和子の牛車(右隻)江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館
「寛永行幸(かんえいぎょうこう)」とは、今からちょうど400年前の1626年、後水尾天皇が京都・二条城に行幸され、徳川将軍家のもとへ滞在された出来事のこと。戦国の世の終わりと平和を象徴するこの行幸は、京都の街を歓喜で包み込み、新たな文化が一気に花開く大きなきっかけとなりました。
《二条城行幸図屏風》(左隻)江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館
本展は、そんな歴史のターニングポイントと、当時生まれた豊かな文化をたどる展覧会。開幕に先立ち、見どころを紹介します。
見どころ①当時の"熱狂"が伝わる!《二条城行幸図屏風》の細密ワールド
《二条城行幸図屏風》(右隻)江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館
最大の見どころとなるのが、泉屋博古館が誇る《二条城行幸図屏風》(京都市指定文化財)の展示。二条城へ向かう天皇一家と公家、彼らを迎え先導する将軍と全国の大名の行列、それを一目見ようと全国から集まった人びとを活写した作品です。
《二条城行幸図屏風》部分:後水尾天皇の鳳輦(左隻)江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館
本作の特徴は、史実に即した高い記録性だけでなく、当時のファッションや人々のふとした表情までも、驚くほどの密度で描き込まれている点。ライブ写真のような本作からは、当時の熱気まで伝わってくるようです。
《二条城行幸図屏風》部分:徳川家光将軍の牛車(右隻)江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館
実物の持つ迫力はもちろんのこと、会場では高精細画像によって肉眼では見えにくい細部までズームアップして鑑賞できます。画面の隅々に隠されたドラマを探す、本展ならではの体験ができそうです。
見どころ②"将軍の娘で天皇の妻" 東福門院がもたらした、華麗なるトレンドと手仕事
《東福門院像》江戸時代・文政10年(1827) 京都市指定文化財 光雲寺
本展のもう一人の主役が、徳川将軍家の娘として生まれ、後水尾天皇の后となった徳川和子(のちの東福門院)です。
幕府と朝廷の軋轢が深まるなかでの政略結婚だったものの、二人の仲は睦まじく、行幸の際には懐妊中で、幕府・朝廷の融和ムードに拍車がかかりました。会場では、現存最古の十二単をはじめ、彼女の生涯を象徴する最高級の衣裳調度の展示を通し、彼女のしなやかな生き方を回顧することができます。
《東福門院御料 唐衣表着》江戸時代・17世紀 京都府指定文化財 霊鑑寺【展示期間:9月5日~9月27日】
さらに、東福門院自身がプロデュースや制作に関わったとされる「押絵(おしえ)」も見逃せません。上質な布の端切れを貼り合わせて作られた可憐な作品群からは、モチーフに対する有職や文学的素養、細やかな観察眼がうかがえます。
東福門院 《和歌色紙》 江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 光雲寺
また、東福門院が生涯大切にした「仏舎利塔」も展示。幕府と朝廷の関係性などさまざまな解釈を呼ぶ本作が、菩提寺の光雲寺から特別に出品されます。
見どころ③立場を超えた「美のクリエイター」たちが響き合った寛永文化
《鶏撮丸香炉》野々村仁清 江戸時代・17世紀 泉屋博古館東京
行幸に参加した文化人たちは、寛永文化の形成に大きく寄与した面々でもあります。後水尾天皇、徳川秀忠、徳川家光、近衛信尋、小堀遠州は、それぞれに和歌を詠み書をしたため、茶道具の制作にも携わりました。千宗旦や野々村仁清といった民間の茶人や職人たちとも対等に交わり、刺激し合いながら新しい美を生み出していったのです。
《小井戸茶碗 銘 六地蔵》朝鮮時代・16世紀 泉屋博古館東京
会場に並ぶ名品や茶道具の数々は、そうした豊かな交流の結晶です。公・武・民が響き合いながら形成された、寛永文化の豊かな世界に思いを馳せる展覧会となりそうです。
展覧会情報
◆寛永行幸四百年記念 特別展 寛永行幸と花の都の文化びと
会期:2026年9月5日(土)〜10月18日(日)
会場:泉屋博古館
開館時間:10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日:月曜日(9/21、10/12は開館)、9/24(木)10/13(火)
展覧会公式サイト:https://sen-oku.or.jp/program/202609_splendidparade400/
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美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、多岐にわたるジャンルを紹介。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
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