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EVENT

2022.8.6

【日本各地で開催中】まだ間に合う!夏休みに行きたいアートフェス5選2022

夏休み到来! 依然としてコロナ禍が続きますが、せっかくの夏休み、今年はちょっと足を伸ばしてアートを満喫しに行きませんか?
この夏、全国各地にて開かれている5つのアートフェスをご紹介します。

地域芸術祭のパイオニア!新潟の広大な里山で楽しむ自然とアート

イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」photo Nakamura Osamu

日本有数の豪雪地帯として知られ、豊かな自然を有する新潟県越後妻有地域。そこで2000年から3年に1度開かれているのが、地域芸術祭のパイオニアとして知られる『大地の芸術祭』です。コロナ禍によって1年延期された今回は、初めて4月から11月の全145日間にかけて開催。十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の6つのエリアに、38の国と地域による263組のアーティストらによって制作された常設210点と新作123点の作品が公開されます。

河口龍夫「農具の時間」_photo Kioku Keizo

8回目となる『大地の芸術祭』では、開催に先立って芸術祭の拠点である「越後妻有里山現代美術館 MonET」と「まつだい『農舞台』」がリニューアルオープン。またこうした屋内の施設だけでなく、自然の中に溶け込むような野外彫刻や、廃校や空家、トンネルなど、さまざまな場所に作品が点在しているのも魅力です。エリアは東京23区の1.2倍に相当する760平方キロメートルと広大。稲穂が実るのを控え、緑に眩しい自然を目に焼き付けながら、里山のアートをめぐりましょう。

中谷芙二子「霧神楽」(イメージ)

『越後妻有 大地の芸術祭 2022』 
開催地域:新潟県十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の各エリア
開催期間:2022年4月29日(金祝)~11月13日(日)
開催時間:10:00~17:00 ※10月1日以降は16:00まで
休祭日:火・水曜日
料金:一般4500円、大学・高校・専門学生3500円、中学生以下無料
 ※作品鑑賞パスポート
https://www.echigo-tsumari.jp

夏会期がスタート。今回で5度目を迎えた『瀬戸内国際芸術祭2022』

ヘザー・B・スワン+ノンダ・カサリディス「海を夢見る人々の場所」Photo: Kioku Keizo

直島や豊島、それに小豆島や犬島など、瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に2010年から3年ごとに開催されてきた『瀬戸内国際芸術祭』。『海の復権』をテーマにした5度目の芸術祭では、保科豊巳や大宮エリー、それにソピアップ・ピッチといった初参加の作家を含む100組以上のアーティストらがさまざまな作品を出展し、草間彌生の『赤かぼちゃ』や「家プロジェクト」といった既存の作品やプロジェクトともに鑑賞することができます。

青木野枝「空の粒子/唐櫃」 Photo: NAKAMURA Osamu

芸術祭の舞台となる直島や犬島には、地中美術館やベネッセハウスミュージアム、それに犬島精錬所美術館などもあり、日本全国だけでなく、コロナ禍以前は海外からも多くの人々がやってくるなど「瀬戸内アートの楽園」として人気を集めてきました。すでに春会期(4/14〜5/18)を終え、これから夏会期(8/5〜9/4)と秋会期(9/29〜11/6)がスタートします。そのうち夏会期では19の新作も公開。瀬戸内海に点在する島々を渡り、海の風を感じながら、アートを楽しみたいところです。

石井章「Vertrek『出航』」 Photo: Kimito Takahashi

『瀬戸内芸術祭2022』
開催地域:瀬戸内海一帯(直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島[春のみ]、本島[秋のみ]、高見島[秋のみ]、粟島[秋のみ]、伊吹島[秋のみ]、高松港周辺、宇野港周辺
開催期間:夏会期 2022年8月5日(金)~9月4日(日)、秋会期 9月29日(木)~11月6日(日)
開催時間:施設、作品によって異なる
休祭日:施設、作品によって異なる
料金:会期限定パスポート 一般4200円、16〜18歳2600円、15歳以下無料
 ※この他に3シーズンパスポート、及びデイチケットあり
https://setouchi-artfest.jp/

ジャンルを超えた最先端のアートが展開。国際芸術祭「あいち2022」

シアスター・ゲイツ 展示風景:「A Clay Sermon」ホワイト・チャペルギャラリー (2021-2022、ロンドン、英国) © Theaster Gates Photo: Theo Christelis Image courtesy of Whitechapel Gallery

愛知芸術文化センターのほか、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)のまちなかを会場に開かれる国際芸術祭「あいち2022」。2010年から3年おきに行われた「あいちトリエンナーレ」の後継として企画され、現代美術、パフォーミングアーツ、ラーニング・プログラムなど、ジャンルを横断した最先端のアートが展開されます。現代美術展では、世界32の国と地域の82組のアーティスト及びグループの新作を含む作品が展示されるなど、今年開催される最大級の都市型芸術祭となります。

ミット・ジャイイン《Peopleʼs Wall》2019 Photo: Jim Thompson Foundation Courtesy of the artist and Jim Thompson Foundation

テーマは「STILL ALIVE」とは、愛知県出身のアーティスト河原温が電報で自身の生存を発信し続けた《I Am Still Alive》シリーズに着想を得たもの。それを「あいち2022」では多角的に解釈し、芸術表現を通してさまざまな価値観や圧倒的な美しさを提示していきます。また世界的に活躍する塩田千春といったアーティストだけでなく、潘逸舟や百瀬文、それに横野明日香といった若い世代の作品にも注目が集まりそうです。

百瀬文《Jokanaan》2019 EFAG EastFactoryArtGalleryでの展示風景 愛知県美術館蔵

国際芸術祭「あいち2022」
開催地域:愛知芸術センター、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)
開催期間:2022年7月30日(土)~10月10日(月・祝)
開催時間:10:00~18:00(愛知芸術センター、一宮市)、10:00~17:00(常滑市、有松地区)
 ※愛知芸術センターは金曜日は20:00まで。一宮市役所は17:15まで
休館日:月曜日(愛知芸術センター、一宮市)、水曜日(常滑市、有松地区)
料金:一般3000円、学生(高校生以上)2000円、中学生以下無料
 ※フリーパス。この他に1DAYパスあり
https://aichitriennale.jp/index.html

アート、音楽、食の総合芸術祭。3回目を迎えた『リボーンアートフェスティバル』

東日本大震災の復興支援を機に構想され、2017年に本祭がスタートとした『リボーンアートフェスティバル』。震災から10年を迎えた昨年、3回目となる前期が開かれ、今年8月20日から後期がスタート。宮城県石巻市街地や牡鹿半島を会場に、アート、⾳楽、⾷に関するさまざまなプロジェクトが行われます。今回の「利他と流動性」というテーマには、まわりを思いやる心「利他」と、目まぐるしい日々なかで新しい日常を作っていく創造力に向き合う意味が込められました。

さわひらき《燈話》 2017年 Reborn-Art Festival 2017

後期のキュレーターを務めるのは、東京・ワタリウム美術館の館長と代表である和多利恵津子と和多利浩一。キービジュアルを飾る『サーフ・エンジェル(仮説のモニュメント2)』が必見の小谷元彦をはじめ、風間サチコやさわひらき、それに目[mé]といった21組のアーティストが作品を公開します。昨年の前期は音楽イベントを含めて延べ約10万人が来場。そして後期は当初4月から6月に開かれる予定だったものの、新型コロナの影響により延期され、この夏の開催となりました。震災を乗り越えるべく宮城から発信するアートを、豊かな自然や食とともに味わいましょう。

目[mé]《repetition window》 2017年 Reborn-Art Festival 2017

『リボーンアートフェスティバル 2021-22』
開催地域:宮城県石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・荻浜、鮎川)
開催期間:2022年8月20日(土)~10月2日(日)
開催時間:10:00〜17:00(石巻市街地)、10:00〜16:00(牡鹿半島)
 ※土日祝日の牡鹿半島会場は17:00まで
休祭日:8月24日(水)、9月7日(水)、9月14日(水)
当日料金:一般3500円、大学生・高校生・専門学生3000円、宮城県民2000円、中学生以下無料
前売り料金:一般3000円、大学生・高校生・専門学生2500円、宮城県民2000円、中学生以下無料
※リボーンアート・パスポート
https://www.reborn-art-fes.jp

温泉とアートのコラボレーション!『道後オンセナート2022』が開催中

蜷川実花『道後温泉別館 飛鳥乃湯泉中庭インスタレーション』©mika ninagawa,Courtesy of Tomio Koyama Gallery / dogo2021

日本三古湯の一つとして数えられる愛媛県松山市の道後温泉。奈良時代末期の万葉集にも詠まれた長い歴史を誇り、現在も四国を代表する温泉地として多くの人々にて賑わっています。その道後温泉地区にて4年ぶりに開かれているのが『道後オンセナート2022』です。テーマは「いきるよろこび」。歩いて回れる半径500メートルのコンパクトな温泉街に、大竹伸朗や蜷川実花をはじめ、市原えつこや力石咲といった約30組のアーティストらが作品を設置します。

大竹伸朗『熱景/NETSU-KEI』©Shinro Ohtake / dogo2021

現在、後期保存修理工事中の道後温泉本館の建屋を覆うテント膜を用い、水や熱、人の生み出すエネルギーをテーマに作品を描いたのが大竹伸朗の『熱景/NETSU-KEI』。2021年に先行して公開されると街の景観を変えるダイナミックなインスタレーションとして人気を集めています。また松山は多くの文人とゆかりのある文学の街です。その特色を活かし、詩人やクリエイターらが思いを込めた言葉のプログラムも街中にて展開します。温泉にゆっくり浸かり、そぞろ歩きしながら、温泉とアートのコラボを気軽に楽しめるイベントとなりそうです。

山澤香奈 出典:夏目漱石「愚見数則」(『漱石全集第十六巻』(岩波書店)より)

『道後オンセナート2022』
開催地域:道後温泉地区
開催期間:2022年4月28日(木)〜2023年2月26日(日)
開催時間:施設、作品によって異なる
休祭日:施設、作品によって異なる
料金:無料(有料展示あり)
https://dogoonsenart.com/

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千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

千葉県在住。美術ブログ「はろるど」管理人。主に都内の美術館や博物館に出かけては、日々、展覧会の感想をブログに書いています。過去に「いまトピ」や「楽活」などへ寄稿。雑誌「pen」オンラインのアートニュースの一部を担当しています。

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